コーヒー好きなお客さま
前回、前々回と我が家に住む方たちを紹介ましたが、我が家にはその他にもいろんなお客さまがいらっしゃいます。
さて我が家では生ごみを堆肥にするエココンポストを畑の隅に設置しております。かなり大型で生ごみだけではなく落ち葉や廃棄野菜に、もみ殻や米ぬかなどを混ぜて発酵させるのです。
いい堆肥になるし生ごみもすぐに処分できるので、こんな便利なものはありません。ところが困ったことに、この生ごみを狙ってカラスや野良猫がやってきて、閉めてある蓋を器用に外して中の物を引っ張り出すのです。
そこでコンポストに網をかぶせ網の四方を石で押さえ、蓋の上もコンクリートブロックで重石をしました。多少の不便もありますが、これで中を荒らされることがなくなったと安堵した次第です。
ところがある朝、蓋の上のコンクリートブロックが落とされ、被せていた網も外されていました。しかし不思議なことにコンポストの中は荒らされてはいなののですが、コーヒーかすばかり引っ張りだされています。
犯人はコーヒー好きなようです。それにしてもあんな重いブロックやめんどくさい網を外すなんて、いったい何者なのでしょうか。コンポストを荒らされることよりも、その正体が気になって仕方ありませんでした。
それから毎日、コーヒーの好きな何者かはやってきました。重石をもっと重いブロックに換えても、朝には蓋があけられ、コーヒーのかすが散らばっています。
そんなある朝、いつもよりちょと早い時間に起きて畑に行ってみると、いるではないですか。大きな猿がコンポストを覗いていているのです。追っ払ったりしたら、こっちの身が危ない。慌てて家に逃げ込みました。
それにしても、あんな大きな猿が家の周りをうろついているなんて。「怖いわー」って思いました。ところがその日を境にコンポストが荒らされなくなりました。たぶん向こうも私を見てあんな婆さんの畑だったなんて。「怖いわー」って思ったのではないでしょうか。