伊丹十三映画祭は第二作目の『タンポポ』(1985)。
伊丹映画の中で一番好き。というか日本映画の中でもベスト10に入るくらい好き。
土曜日でファーストデイなこともあって、映画館はとても混んでいた。『タンポポ』も満席だった。
追加料金でプレミアムシートで見ようと思ったのに、販売後すぐに売り切れていた。
両隣りがポップコーン族じゃなくてよかったよ(映画館で食べるの嫌い)。
過去に3回は見ているが、今回久しぶりに見て、やっぱりとんでもなく面白かったし、とんでもない人だな伊丹十三。
今見直すと、公開当時にはあまり興味がなかった日本映画の大御所がたくさん出ていて感動する。
『お葬式』には大好きな笠智衆さんと藤原鎌足さんが出ていたが、これには大友さん加藤さんに小津映画の定番、中村伸郎さん。そして伊丹組常連の大滝秀治さん。
この人達の演技を見ているだけで嬉し過ぎてゾクゾクしてくる笑。
とにかくみんな上手いよ。それにキャスティング素晴らしい。
食べ物をテーマに、どうしてこんな映画ができるのか。伊丹十三やっぱりヘンな人かも笑。
公開時に買ったプログラムには、俳優のインタビューが載っている。
大友柳太朗さんは「出演させて頂いて、本当に嬉しいと思います」と言っている。
インタビュー後「これは後に残るものだからキチンとしないとね」と一字一字丁寧にチェックしていたそうだ。
そしてこの翌日に大友さんは亡くなったのだ。こんな悲しいことがあるとは
ラーメンの先生のシーンを見るたびに、笑うけど同時に胸が痛んでしまう。
劇場には若い人もたくさんいた。
「めちゃくちゃ面白かった~」と話しているのが聞こえて、自分に関係ないんだけど、なんだか嬉しかった。