無題
嵐山を歩いていると、鵜飼の船頭さんの法被を見つけた。
とっさに、我當丈と歌昇丈を思い浮かべていた。
何か芝居がみたいなぁ。
本日 松竹の会報誌が届いた。
二ヶ月続きで興味がない。
まぁいいや!楽しみはいくらでもあるよ。
豊国神社
先日 博物館を楽しんだ後、豊国神社と方広寺と耳塚を見て回る。
今回は豊国神社を記録したい。
豊国神社は京都市東山区大和大路正面茶屋町に位置する。
京都らしい長屋や奥まった路地がどこかしこに見られ、たいへん落ち着く。
京都市東山区大和大路は市街の南方。
七条通の東の端は東山三十六峰のひとつ阿弥陀ヶ峰らしい。
この辺りは豊臣秀吉(太閤さん)にゆかりのある遺跡や社寺が幾つかある。
豊国神社や方広寺も豊臣秀吉に関係する。
豊国神社にはすばらしい唐門が見られる。
唐門の丈夫には二羽の鶴。
こなれた色合いは心が落ち着く。
この唐門は国宝に指定されているという。
ここでもお稲荷さんが見られる。
数多い鳥居と提灯の数を思うと、稲荷信仰が盛んらしいと感じた。
豊臣秀吉にまつわるひょうたんの形をした奉納絵馬には著名人のものもおかれている。
歌舞伎役者の名がずらり見て取れるのには参った。
私にとっては、心燃ゆる豊国神社であった。
今様妖怪 『まがいもの』
今こそ◯◯すべき時、と携帯電話からのテレビの声。
すっきりしすぎた部屋が居心地がいいとは限らない。
ひずみ・・・。
承知の上で、皆は口を閉ざす。
難しい事は、わたしにはわからない。
何も言うまい。
何も言えまい。
写真は去年、私が滋賀の信楽でつくったまがいものの抹茶茶碗。
ちょうど一年前の8月に土を捻り、9月初旬に自宅に送られてきたもの。
映画 『バベル (BABEL)』
お気に入り度 ★★★★★ ★★★★★
話の展開 ★★★★★ ★★★★★
映像 ★★★★★ ★★★★★
音楽 ★★★★★ ★★★★★
おすすめ度 ★★★★★ ★★★★☆
テーマ ★★★★★ ★★★★★
アメリカ 2006年
8月24日
家族三人でバベル (BABEL)』を見た。
この映画は以前から気にはなっていたが、劇場で見る機会を逃した。
今回テレビで放映という事もあり気楽に見る。
すばらしかった。
多分私が見た映画の中では、今年度最高の映画だったと感じる。
全ての人が善人。悪人は出てこない。
全ての人それぞれにドラマがあった。
そして一も私が感じている物事360度からの見方による人間の心を表していた。
すばらしい。
すばらしい映画だと感じる。
人々の心の空回りと釦の掛け違い。
地図をたどると、ニューヨーク、モロッコ、メキシコ、東京と一本の線につながれたそれぞれの感情と立場。
悲しい切ない人間の本性。
通じない。
通じない。
同じ人間であるのに通じないもどかしさ。
どうしてなんだ!
どうしてわかってくれないんだ。
今にも妻が死にそうなのに。
バスを発車させないでくれ。見捨てないでくれ。同じ、アメリカ人だろう。
⇅
上の裏返し。
それぞれの生き様がある。
今、バスをださねば、薬がないんだ!
バスには病人がいるんだ。
夜になると、おそらくテロの危険率が増すんだ。
アメリカからメキシコへ。
メキシコからアメリカの国境越え。
運転手には運転手のドラマが。
乳母には乳母のドラマが。
子どもたちには子どもたちのドラマが。
そして 父親には父親のドラマが。
それぞれのいい分には悪意はない。ただ それぞれの時の経過とともに、事は一人歩きをする。
善良なるモロッコの子、父、そして母。
モロッコの子、父、そして母に ライフルを譲った善良なるモロッコ人。
モロッコの子、父、そして母に ライフルを譲った善良なるモロッコ人に、好意でライフルを渡した日本人男性。
全てがよかれと思い、まじめに生きてきた人々。
好意でライフルを渡した日本人男性と娘。
娘は耳が聞こえない。
母がライフルで自殺してからというもの、二人の間に隙間風が流れる。
精一杯健常者女性と同様に生き、恋もしたいが、ままならない娘。
通じない。耳が聞こえない。
通じない。心が聞こえない。
通じない。耳が聞こえない。
通じない。心が聞こえない。
世界中で心が通じないジレンマ。
歯がゆいじれったさと腹立たしさ。
こんなはずではなかった。
こんなはずではなかったんだ。
映画が始まってすぐ、父親(ブラット・ピット)が息子に電話で話す場面があった。
息子が写る。
息子の無邪気なたわいない日常会話。
父親の声。
⇅
映画が終わる直前、息子と父の電話の場面の裏返しがあった。
父が写る。
息子の無邪気なたわいない日常会話。
泣きじゃくる父。
妻が(モロッコで)ライフルで撃たれ、一刻を争う事態。
アメリカは、モロッコは、それぞれの国状を一番に考える。
一個の人間の命をないがしろにしている。
どうして、どうしてなんだ。
同じ人間なのに、言葉が、心が通じない。
人間同士なのに、歩み寄ろうとしない。
どうしてなんだ。
なぜわかってくれないんだ。
一人の人間が死に直面しているというのに。
これが世の中なんだ。
人一人として悪意はないのに、一直線に人一人を救う事ができない。
見たい。
もう一度ゆっくりこの映画を観たい。
怖い。
砂漠を経験した人間にとって、どのくらいこの映画が怖い事か。
怖い。面白い。しかし危険が伴なわぬとも限らぬ異文化。
文明国と発展途上国。
裕福と貧乏。
権力と個人。
義務と権利。
本音と建前。
そして、全ての壁。
壁があって通じない。
悪意はないのに、通じない。
事は思わぬ展開をなし、一人歩きする。
とめようがない。
地球という自然の中で築き上げてきた人間の掟が人間を拘束する。
それそれの地でそれぞれの人々がそれぞれの立場に立って、たちはだかった苦悩に向き合う。
難しいテーマを一切合さいに引き受けて、一つの映画にまとめあげた秀作。
私はこの映画が好き。
相対的に考えて、モロッコの子どもたちに一番感情移入した私。
全体を考えて重苦しく、切なく悲しい時の流れ。
笑って過ごした時もあろうに。
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悲しく切ない時は流れ、塔は立ちはだかる。
人間を戒めるかのように、映画『バベル (BABEL)』は淡々と物事を描いていく。
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