乱鳥の書きなぐり

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シルクロード交流館 / 奈良(二本足の壺の記入に訂正あり)

2006-11-20 | 美術・文様・展示物

 

   シルクロード交流館

 

 

 家族と日月亭で昼食を頂いたあと、シルクロード交流館に行く。

 入り口で入場料を払おうとすると、

「今日は関西文化の日ですので、無料です。」

と案内される。

 わたしたち夫婦はお礼を言ったあと、

『関西文化の日って一体なんなのだろう・・・』

と無言でお互いに目を合わせた。

 

 

 

 さて会場はというとあまり広くはないが、貴重な展示品の数々に目を奪われた。

 自分が見た各部屋毎の独断による好きな順で、印象的な展示品の一部を紹介したい。

 

 

 

 まず一つ目の部屋。

 

 

 真ん中のイランの大きな壺に目がいく。

 時代の乗り越えて来たペルシャンブルーの大壺素焼きの大壺はかけらがあるので馴染み深い。

 ペルシャンブルーは深みの或る緑がかった色彩の方だった。

 素焼きのとって部分の水玉模様はいつも見ているそれと同じで親しみ深い。

 風に晒された遺跡の前に残っている大量の小さなかけらを思うと、大きな壺がこんなにもいい状態で修理され残っていることに驚きを覚える。

 美しい・・・・・・

 

 

 

 壺の下が二本の足の壺(イラン)があったので、砂漠にさして固定させるのかと思ったら、ジョウロの役目をする壺との事で、片方は穴を手でふたせねばならないらしい。

 

 あくまでもわたしの推測だが 結構大きな壺だったので水を入れようとすると三人いるのではないだろうか・・・・・・

 ①穴二つを手でふせる人

 ②壺を倒れない朗に持つ人

 ③水を入れる人

 美しい形だが、もし自分の体に立てかけて一人で水を入れたとしても 少々ロスが多い。

 あたりは水びたしだ。

 

 

 だが 一晩たって考えてみると・・・・・・(訂正部分)

 二本の足部分を途中まで二重の構造ならば、水圧と外部の空気圧の関係で、水はこぼれないのかもしれない。

 ただ、かなり時代をさかのぼることから考えて、そのような構造の壺を土で作って焼く知識と技術があったのだろうか・・・・・・

 しかし、イラン人のことだから先祖がどのような高い技術と知能を持っていたとしても、不思議はないかも知れないと感じるから不思議だ。

 

 

 

 真ん中あたりにはシリアの犬のモザイクがあった。

 犬のモザイクは玄関などに飾るものらしく、この習慣はポンペイにもあったような気がする。

 確かポンペイには『番犬』があったように憶えている。

 イタリアとシリアは近いからこういう共通点があっても不思議ではない。

 民話や伝説、映画にもなっていたのではなかったかな・・・・・・

 

 

 

 シリアというと同室には頂いたパンフレットにも載っている『石製浅浮堀』の文様に興味を持った。

 館内の説明では女性とも書かれていたが、

 ①台座の上に椅子を置いて座る

 ②右手は(乳)胸部の上

 ③冠と着衣の様子

など三点を考えると、おそらく『王』と考えるのが妥当であろう。

 

 王が水タバコを吸っているのかと家族に問うと、紀元前800年頃にはタバコはなかったとのこと。重ねて『笛』だと説明。

 はは~~ん、納得。

 王が気持ちよく笛を吹いているその上に宿る幸福の鳥。後ろの丸は王の栄光を照らす太陽かな・・・・・・なんて一人重いの世界で遊んでいるとたちまち時間は過ぎてゆく・・・・・・この迷路のような時間が好きだ。

 

 

 

 二つ目の部屋に入ると感じはまたがらりと変わる。

 この部屋も先ほどと同様、好きな順に紹介したいと思います。

 

 

 パンフレットの左横にはイランの12世紀頃のガラス(ワインを入れる容器)が展示されていた。

 このガラスの色彩がまた美しい。

 時の流れによって透明度を失われ、ガラスは一部分が銀化していた。

 全体の色は薄いクリームのようなこもった黄色。

 このグラスでワインを飲むのは御免こうむりたいなどと大それた妄想に駆られたことはさておき、このガラスの色の美し過ぎた。わたしはその宝物の前から暫く離れることはできないでいた・・・・・・

 

 

 

 この部屋にはわたしの好きな『騎士獅子狩文様』(西トルキスタン又はアフガニスタン/7~8世紀)があった。

 この文様はいつ見ても惚れ惚れするお気に入り。

 この会館のものは騎士は髪型や着衣からみて女性のような感じのする騎士。珍しいなぁ。優しい表情と曲線の騎士とは裏腹に、獅子の口の中にまともに矢が刺さっているといったユニークさにたまらぬ魅力を感じる。

 

 

 

 部屋の入り口の対角線の位置にはイランの土製の土偶シリアの両方銅製の土偶があった。二つとも7~8センチ。この二点もとても素敵だった。

 特にイランのものは顔が立てにつままれていただけ。この指で単純につままれた素朴さが表情を一層豊かのしていて、見飽きない。

 独特の造形美にため息をついていた・・・・・・

 

 

 

 部屋を入ってすぐ左には『印章』の数々。

 ここはわたしの質問に対して、家族がいろいろと説明してくれたのでわかりやすかった。

 あ、たまたまこの時はわたしたちの他に人がいらっしゃらなかったことを付け加えておきたいと思います。

 

 

 

 左印章の次を折り曲がったところには小さなお守りが多く展示されていた。正式には『動物形護符』という。パンフレットの中央上のこまごまとした六個の犬などの形のものがそれだ。

 これらは前1500年頃メソポタミアやシリア、イランのものだと説明が載っている。

 せいぜい3~7センチくらいの小さなものの数々だったが、アクセサリーのトップのように穴が開けられていた。

 やはり首からかけるものらしい。

 この一つ一つをゆっくりとみていると、なじみの土偶の形状と共通点のあるものがあった。

 素晴らしい。美しい。欲しい・・・・・・。

 

 イミテーションでこんなアクセサリーは土産にないかとたずねてみたが

「みたことがない。」

の一言でかたづけられてしまった。

 楽しくて、このコーナーもみるのにとても時間がかかった。

 

 

 

 真ん中のガラスケースにはパンフレットの乗っている『金製首飾り』の左に木目のようになったイランの『縞瑪瑙の首飾り』があり、家族がかなり気に入っていたようだ。

 もしかして・・・・・・次回に期待。

 

 

 

 

 最後に中国の帯止め。 

 これは部屋を入って右手を突き当たったガラスケースの一番左に飾られている。

 14センチくらいだったように思うが、緑青と元に色彩との調和が見事である。美しい。

 8センチくらいまでの太い部分までにすれば、たいへん品の良いバレッタになるなぁと一人阿呆の妄想にかられながら、見入っていた。

 

 

 

 なんだかんだとバカなことを考えながらみていると、さほど広くない二つの部屋で構成されている『シルクロード交流館』を一巡するのに一時間三十分を要しまった。

『シルクロード交流館』も貴重な美しい展示物が数多くあり、とても楽しめるものでした。

 

 

 最後に・・・・・・

 ここで紹介いたしました展示物は わたし個人の特に印象的で好きなものだけに絞っていますので、『シルクロード交流館』の素晴らしい展示物のごく一部であることを最後に付け加えさせていただきます。

 

 

 

 


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