藤ノ木古墳
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石室見学
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藤ノ木古墳 石室を見学させていただいた。
元閉塞壁のあった部分には、保護道が儲けられている。
両壁の自然石は比較的小さく感じられる物も積まれている。
天井部分石には大きな石が横たえられ、水が滴り落ちる。
触ってmiるとさほど冷たいという程でもない。
藤ノ木古墳内部は壁全面に水銀朱が施されていたはずだが、水滴落ちる部分は色は認められない。
それでも目を凝らす。
すると、ぼんやりとしたこなれた赤が浮かび上がってくる。
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上の写真は古墳の外側から離れて写した物だが、内部が赤く染められていたことが 部分的に感じ取れる。
石棺に至っては、かなりはっきりとした赤が見られ、当時の腐敗防止技術や赤に対する魔除けや境界といったことが肌で感じられた。
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わたし的に注目すべき点は赤を漆ではなく水銀朱画使用された点。
先日読んだ『漆の文化史』 四柳嘉章 著 岩波新書 2009年には水銀朱産出地は伊勢が主で、量が少なく、全国的には漆を使用したと書かれていた。但し、古墳や石棺内部や木簡などには水銀朱を使うのが主だったのかもしれないが。わたしには知識が無い。
奈良の生駒郡や北葛城郡では伊勢信仰が根強く、伊勢から水銀朱を運んだのかと思っていた。
しかし実際には藤ノ木古墳の水銀朱は奈良の二上山などで産出したものが使われていたという。
質問に答えていただき、目からうろこだった。
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江戸には近くにあった宝積寺(ほうしゃくじ 火災に遭う)から巫女が古墳にまいられ、鈴のついた石器を使用して祭儀を取りはからったと ご説明いただいた。
では、東寺入りギ値を塞がれていたはずの閉塞壁部分。一体巫女はどのようにして石棺まで近づいたのだろうか?
この疑問に係の方は丁寧に答えて下さった。それによると、積まれた石の上部分に空間があり、そこをはって前に進んだともこと。
距離にして数メートルはゆうにありそうな真っ暗な岩場の上を、匍匐(ほふく)前進するのは容易ではなかっただろうと感じた。
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石棺蓋には縄をつけて運ぶ突起部分(名前は知らない)が元は六つあったらしいが、初めは縦に入れて運んだ石棺を横向けるにあたり突起がじゃまになるので取り除いたと説明されていた。
なるほど。納得がいく。
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上二冊は今回購入した本と冊子。
『斑鳩町の古墳』斑鳩町教育委員会(1990年)と『斑鳩の古墳展』斑鳩文化財センター(平成22年11月)
充実していてそうだ。
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みなさま
最後までおつきあい下さいましてありがとうございます。
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関係者の皆様方には心から感謝申し上げたいと思います。
ありがとうございました。
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最後に、
わたしは古墳に関することを、全く知りません。
間違いやお気づきの点がございましたら、お教え下さいますようお願い申し上げます。
2010年11月6日7日
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺西
藤ノ木古墳 石室公開日