2022年12月 南座顔見世 第二部『恋飛脚大和往来』鴈治郎、扇雀、東蔵、愛之助、片岡亀蔵 『秀山十種の内 松浦の太鼓』片岡仁左衛門 中村歌六
左:『秀山十種の内 松浦の太鼓』右:『恋飛脚大和往来』
南座 顔見世 恒例のまねき上げ
もじは、勘亭流
まねき上げを南座の内側から見てみる。
余談ですが、
2022年顔見世恒例の竹馬がなかったのは、残念!
右端が京都南座 右横
コロナでとんとご無沙汰していたが、南座顔見世 第二部に行く。
二部は『恋飛脚大和往来』と『秀山十種の内 松浦の太鼓』
『恋飛脚大和往来』は「封印切」のみ。
後ろに座る観客二人ずれが恐ろしく騒がしく、始終マスクを外して話していたため、スタッフがなんども注意していた。
しかしながら芝居中も大声でたわいなく話す彼女らの話の内容は、私を十二分に楽しませてくれた。
「あれは誰だの、これは誰だの、、、」
はまだしも、
『秀山十種の内 松浦の太鼓』に至っては、「忠臣蔵違うのに、忠臣蔵みたいやな、、、」
また、中村獅童さんが出てこられると、なんだかただごとならぬ賑わいで、肩透かしを食わされたような気分を味わった。
(ここで付け加えておきたいが、中村獅童さんは仁左衛門丈にかなり教わられ頑張られたようで、歌舞伎本来の言い回しを忠実に守り、頑張って演じられていたことは付け加えておきたい。やはり仁左衛門丈の力は大きい)
『恋飛脚大和往来』「封印切」は、「切ないように思わせるけど、あれはシャレか?なんや、中途半端な終わり方やなぁ、、、」
(イヤイヤ、本来ならばまだ、道行がありますから、、、)
そして、女が座ったままよろけて、
「よよよよ、よぉ〜〜〜〜」
と泣くと、爆発して大笑い。
離されず、場違いに大笑いや爆発されないっ時は、水筒をカチカチ、お菓子の袋をガシャガシャされ、歌舞伎をみておられる時間がさぞや退屈であったのであろうとお察しした。
おかげさまで芝居をじっくり見ることはできにくかったが、いい体験をさせていただいた、、、ことにしよう、、、?、、、か
京都まで大福よ時間かけて久々に見た顔見世の今回座った席は、大はずれであった^^
『恋飛脚大和往来』は鴈治郎さん、扇雀さん、東蔵さん、愛之助さん、片岡亀蔵さんらが出演されていた。
誰とは言うまいが上記に書いてない贔屓客の年配の役者の言い回しが遅く、つられて、鴈治郎さん、扇雀さん、東蔵さんまでもが言い回しがスローで、芝居が止まりそうな出だしから始まったのが口惜しい。
しかし成駒屋さんや東蔵さん他ベテランの役者さんがしばらくすると場を盛り上げ、いつものテンポに戻された。
今回も『恋飛脚大和往来』『秀山十種の内 松浦の太鼓』を問わずおちゃらけというか、笑いを取るために力を注いでおられたきらいのある舞台であった。
最近の歌舞伎は、歌舞伎を広めよう、敷居を低くしようとするがためにか、必要以上に下品なまで笑いを取りに行く嫌いがある。
その点で、『恋飛脚大和往来』『秀山十種の内 松浦の太鼓』を通して、
扇雀さん、東蔵さん、歌六さん
は歌舞伎らしい素晴らしい演技を披露してくださった。
惜しいのが仁左衛門丈。
おそらく座長を務めておられるのであろうが、
あの!!仁左衛門丈!!までもが!!!大笑いを取らざるを得ない『秀山十種の内 松浦の太鼓』
であった。
仁左衛門丈の笑いをさらいに行く多少ぎこちないセリフが、多少痛々しかったし、また、お気の毒と言わざるを得なかった。
歌舞伎も、このように変化せざるを得ないのかと、暮れ行く時を、肌で味わったような気がした。
歌六さんの演技が、こだまするように私の心に響き、それが一つの救いであった。
端折って書きたいことを好き放題書いているが、最後に今回の鴈治郎さん『恋飛脚大和往来』のもろ、封印切の場について触れておきたい。
今回は、
切ってやるぞ型
ではなく
しもた!切れてしもた、、、型
で演じられた。
また、梅川役の扇雀さんはこれまで歌舞伎役者が演じられてこなかった細部まで、事細かに表現されていた。
裾をパラリと落とすその表現さえ、他では見たことがないほどに美しかった。
成駒屋さんは今後も注目に値すると、心から感じた。
今回も見たという簡単な記録のみにて失礼致します。
みなさま
ご来場に心より感謝いたします。
ありがとうございます。
第二部
恋飛脚大和往来
第一、玩辞楼十二曲の内 封印切(ふういんきり)
新町井筒屋の場 |
亀屋忠兵衛 傾城梅川 丹波屋八右衛門 肝入由兵衛 槌屋治右衛門 井筒屋おえん |
鴈治郎 扇雀 愛之助 寿治郎 片岡亀蔵 東蔵 |
第二、秀山十種の内 松浦の太鼓(まつうらのたいこ)
松浦鎮信 大高源吾 近習江川文太夫 近習渕部市右衛門 近習里見幾之丞 近習早瀬近吾 近習鵜飼左司馬 お縫 宝井其角 |
仁左衛門 獅童 隼人 虎之介 鷹之資 橘太郎 橘三郎 千之助 歌六 |
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