(写真は中国の陽朔。
素手で鴨をぶら下げる女性の姿が、カッコイイ・・・この女性は下記とは無関係です。
スリの女性たちに囲まれたのは、この道。この写真のすぐ後です。)
陽朔でスリに囲まれる
桂林漓江下りの船を下りると、陽朔。
「ここは物売りと見せかけたスリが多いので、気をつけるように。」
と、あらかじめ桂林のガイドから聞かされる。
日本人の私たちは、
「そんなことはないだろう・・・」
たかをくくっていた。
しかし気を取り直して、『念には念を』の精神で、とりあえず用心してバックはたすきがけ、カメラは首からかけて歩くことにした。
スリらしき 物売りの女性は、思いのほか 多い。
念には念をで、格好の悪い思いまでして用心していたのに・・・
物売りに辺りを囲まれる。
品物は恐ろしく安価で言い寄ってくる。
私は大きな声で
「不要!!」(日本語とも中国語とも憑かない奇声或いは悲鳴)
と怒鳴る。
彼女たちはいくら断っても言い寄ってくる。
私はバックもポケットもガードしたので、彼女たちは怒りのことば?を投げ捨てて、離れていく。
助かった・・・
ふと前を見ると、家族Aは女性たちに囲まれている。
主犯格の女性は左で家族は右。
せかせかと歩いている。
彼女は左手に写真集。
安い値段で言い寄っているようだ。
家族Aはにこやかに笑いながら、左手を天高くぴらぴらさせていた。
「要らない、要らない・・・」
『ぴらぴら』は優しい『要らない』とともに、和やかな雰囲気に・・・なんていっている場合ではない。
主犯格の女性の右手は、家族Aの上着の左ポケットに突っ込もうとしていた。
ダッシュ!
私は、これ以上出せないといった大声で、
「ダメ!!!」
と怒鳴った。
彼女たちは営業妨害の私に、明らかに敵意のまなざしで怒鳴り返した。
「ダメ!!!」
「ダメ!!!」
は渦となって、彼女たちの仲間で連呼した。
「ダメ!!!」「ダメ!!!」「ダメ!!!」
怖かった・・・・・・
日本ではなかなかできない経験をした。
ふと見ると、家族Aの上着の左ポケットは、財布やら小銭やらチケットの切れ端やハンカチで膨れ上がっていた。
ご本人だけが、私や彼女たちが何故怒っていたかを知らない様子。
『君が一番悪いのだよ・・・』
私は、内心家族Aを叱った。
家族Aのぴらぴらは行き場を失い、彼女たちが去った後も、少し寂しそうな表情を見せていた・・・