御蔵島うつぼ記

うつぼとこつぼの島暮らし

黄楊背負い

2015-02-11 20:02:05 | 御蔵ことば

「あ~、午後はダメよ。黄楊背負い行くから」

籠編みに使う竹の切り方を教えてもらおうと「た」さんの所に行ったら、こう言われました。

 

つげしょい@@?

描きについて行ってイイ@@?

 

黄楊山について行きました。

島の西側、エビネ公園周辺には「八十年間山」という面白い名前の地名があり、

村が80数年前に村民に貸し出し、黄楊を育てさせている場所が広がっています。

 

あらかじめ『たまぎった』←御蔵ことば 黄楊を背負子に乗せます。

昔、御蔵に嫁に来る時には必ず持たされたという背負子。

なるべく上の方に材を乗せ、紐で括りつけます。

一本だいたい1m 、鉛のように重たい黄楊。

 

それを背負って山を登る。

切った重い黄楊材を運び出す用に、その辺りはモノレールの線路が設置されているので、

運ぶのは楽・・・な、はずだったのでしたが、

肝心のモノレールがタイムリーに壊れ、人力で運ぶことになったらしい。

そのおかげ?でリアル黄楊背負いをスケッチ出来るうつぼ ♪

 

 これは置いてくの?

「細いのは安いのよ。もったいないけどな」

 ふーん。。。

 

月一回各戸に配布される「広報みくら」。

その12月号に『黄楊・桑原木の購入について』というお知らせが載っていました。

 

なんでも『御蔵島産業センター原材料購入価格基準』に基づいているらしいのですが、

・黄楊は総重量2t、桑は4㎡で引き取り停止

・林業農家一戸あたり黄楊150Kg程度の引き取り

購入の期間と末口(円周なのかな?)cm、それとKgあたりの価格が記されていて、

多量に超過すると引き取り出来ないこともある・・・らしい。

どのくらいが集まるのか?確認していませんが、

そこに『末口5cm未満は受け取り不可』と、ありました。

なるほど・・・それで、枝は置いて行くのだな。

 

黄楊の育ちは遅いです。

80年間育てても、やっとこ20cmになればいいほうで、ほとんどは10cm以下、

虫やウィルスにやられ、葉が枯れ白く立ち枯れしてしまう木も多いと聞きます。

温暖化も影響しているらしい。

 

『御蔵の民は山の民。

 そんな時代もありました』

 

そんな台詞を言われる日が、近い将来来ませんように。