○技法俳句44・比喩(直喩)=ごとく6・村上鬼城
○「水すまし水に跳て水鉄の如し」(村上鬼城3)
○季語(水すまし・夏)
【鑑賞】:水すましが水面上をすいすい泳いでいます。水の表面張力の上を跳ねるように。水すましの軽さに較べて、水面はまるで鉄の堅さです。
○村上鬼城(むらかみきじょう)(1865~1938)
○好きな一句「冬蜂の死にどころなく歩きけり」2
○季語(冬蜂)
【Profile】:江戸の生まれ。鳥取藩士の子。本名壮太郎。幼時、高崎に移り、以後没するまで住む。青年のころ耳を病み、父の職を継いで高崎裁判所の代書人になった。→大須賀乙字・→高浜虚子に認められ「ホトトギス」に加わりその地位を得た。耳疾のため裁判所を辞めさせられ、多くの子女を抱えて貧困と不遇の生活に甘んじた。動物に哀憐の目を注いだ句が多く「境涯の俳人」「現代の一茶」と呼ばれた。
村上鬼城掲載句
01さみしさに早飯食ふや秋の暮(秋の暮)〈方法・根源行動(飯を食う)〉2010/8/20
03水すまし水に跳て水鉄の如し(水すまし・夏)〈技法・比喩(直喩)=ごとく〉2011/6/10
04露涼し形あるもの皆生ける(露・秋)〈五感・涼感〉2012/9/17
05親よりも白き羊や今朝の秋(今朝の秋)〈色彩・白〉2013/9/17
06念力のゆるめば死ぬる大暑かな(大暑・夏)〈五感・第六感(念力)〉2017/7/23
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