秋田県仙北市には玉川温泉と新玉川温泉があります。
両方の宿の距離は約2km離れていますが、ともに同じ源泉が引かれています。
かつてはこの温泉の泉質が塩酸を主成分とした強酸性なので、ここで療養すれば病気(癌)やケガに効果があると評判になり、全国から大勢の病気の人が押し寄せてきたこともありました。
実はこの2つの温泉の経営者は一緒なのです。
それぞれの温泉に特徴を持たせていて、玉川温泉は湯治が主流の施設で、新玉川温泉はで『温泉山岳リゾート』をコンセプトにした施設になっています。
今回、初めてこの温泉に行くに当たって、どちらの施設がいいのか迷ったのですが、「新玉川温泉」の方を選んでみました。
新玉川温泉に行くまでのこと
田沢湖駅前から玉川温泉行きの路線バスで約1時間、途中はほとんど乗降客もなく、新玉川温泉の玄関前に到着しました。
バスは満員状態でしたが、結局全員が新玉川温泉と玉川温泉が目的地だったようです。
山の中なのに、思っていたよりも大きくて立派な施設にちょっとビックリです。
温泉山岳リゾートと銘打っていますから、このようにおしゃれになっているのでしょう。
このバスの乗客はほとんどが「新玉川温泉」で降りました。
チェックイン時のこと
バス1台分のお客が一気に押し寄せたのでチェックインも混み合うのかなとも思いましたが、受付のスタッフの人数も多く、要領も良くて、さすがにこのような状態に慣れているといった感じでした。
フロントでは温泉の入り方や岩盤浴についての丁寧な説明がありました。
温泉は強酸性なため、入り方に注意がいるようなのです。
それを書き記したものは部屋にも浴室にも貼ってありました。
[広々としたロビー]
[ロビーから見た中庭]
ロビーは広々としていて、売店もありました。
今回の宿、写真はこれだけしかありません。
お風呂や食事など、あまりにも人が多くとても写真を撮れるような状態ではありませんでした。
それほど人気のある宿なのです。
室内岩盤浴のこと
この宿には室内の岩盤浴があって、それも楽しみにしていました。
ところが9月まで無料だったのですが、10月からは有料(800円)になっていました。
利用時にはタオルと作務衣も借りなければなりません、それは両方で700円でした。
それでもせっかくだからと、時間を決めて予約しました。
1回の利用時間は50分間です。
予約時間ちょうどに岩盤浴へ、とてもきれいな施設なのですが、誰もいなくてちょっと拍子抜けしました。
きっと有料になったので利用する人が減ったのかもしれません。
ここは温泉が素晴らしく、それで満足するからわざわざ料金を払ってまで岩盤浴をしなくとも・・・といった感じなのでしょうか。
それに本格的に岩盤浴をするならば玉川温泉の方を利用したほうがいいと思うのかもしれません。
この岩盤浴は熱い温度と低い温度の場所が選べるようになっていました。
一番低い温度の場所を選んだのですが、ジワジワと熱くなってくる間、つい眠ってしまいそうになるほど気持ち良いものでした。
部屋のこと
大きな施設なので、A館からD館まで分かれていました。
今回泊ったのがC館の和室でした。
部屋まではエレベーターを乗り継いで、最初はちょっとわかりにくかったけれど、すぐに慣れました。
部屋は広々した和室に次の間があって、既に布団が置いてあり、自分で敷くようになっていました。
アメニティ類も十分に揃っていて全く不自由はありませんでした。
温泉のこと
思った通り、『最高の温泉』でした。
この宿はやっぱり温泉がポイントで、人気があるのが分かります。
浴室は広く、雰囲気は東北地方の湯治場そのもの。
写真は公式ホームページよりお借りしました。
実際にはもっと暗いイメージです。
全部で14種類のさまざまな湯船がありました。
源泉100%、源泉50%、あつ湯、ぬる湯、気泡湯、箱蒸し風呂、座り湯、露天風呂、等々・・・
飲泉もできましたが、すご~く薄めないととても飲めたものじゃありませんでした。(38倍に薄めるのだとか)
温泉は 98°と高温でpH1.2の強酸性、日本一の強酸性泉のようです。
更に硫黄臭と微量のラジウム放射線が含まれています。
入った瞬間からピリピリとした感覚でした。
温泉の入り方は浴槽によって5分とか10分とかレクチャーを受けましたが、やっぱりそれ以上は無理。
想像以上に刺激的で、それでもピリピリが慣れてくると気持ちよくなってしまい、クセになってしまうのです。
各湯船には短い時間しか入っていないのですが、体が芯から温まったのが感じられ、湯上がりの肌はスベスベになっていました。
食事のこと
夕食、朝食ともにバイキング方式でした。
夕食は開始時間が15分ごとに細かく区切られていたのですが、広い食事会場なのにずっと満席状態。
決められた時間に行っても席が空いてなく、待たされたりしました。
人数が多いせいか、料理に群がったり、大声で話していたり、ウロウロしたりで落ち着いて食べることができません。
このような大型の宿ではしょうがないのかもしれません。
料理はきりたんぽ、いぶりがっこなどの郷土料理以外はそれほど特別なものはなくて、ありきたりの感がしました。
オープンキッチンのメイン料理は日によって違うようなので、当たり外れがあるのでしょう。
泊った日はキノコの天ぷらでしたが、次の日はステーキとなっていました。
場所の広さなどもありますが、料理の並べ方にももう少し工夫があれば、大勢の人が群がらなくともすむようになるかもしれません。
その他のこと
新玉川温泉と玉川温泉間の送迎バス「湯めぐり便」があるので、どちらかの宿に泊れば送迎バスで行き来して両方の大浴場が利用できるようになっています。
昔からの湯治宿を現代風にしたような感じで、思っていたよりも大型な施設でした。
日本一の強酸性の温泉は、想像以上に刺激的だったのですが、とっても良い温泉で、”クセになってしまうような”、”また来たくなってしまう”ような温泉でした。
温泉さえ堪能できれば、他のことはあまり気にしないというような人にはオススメの宿だと思います。