第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

教科書代はLow Risk, High Returnの最強の投資です。

2015-05-14 00:08:06 | 総合診療
皆様こんにちわ。

勉強するのにもお金が必要です。

勿論、中学や高校生時代から受験勉強にお金がかけられる家庭の子息とそうでない家庭の子息を見ても分かるように。
(タテマエでは平等を訴える日本ですが)
残念ながら、世の中はもっともっと不平等にできていると感じます。

日本であれば、それは感じる事も少なかったのですが、
色々な人種、国、文化の医師達と話していると、自分が全く意識しなかった問題があったり、考えもしない苦労があったり、
そもそも経済やインフラが整っていない為に抱えているどうしようも無い事があったりと・・

自分が日本人として日本という国に当たり前のように生まれてきた奇跡的な幸せを自覚しました。
それは日本人である自分の強みでもあり、弱みでもあると思います。

良く勘違いしてしまう事もありますが、自分が大学を出て、勉強をさせてもらって、医師の資格を取り、
それがまるで何か優れた能力があったかの様におごってしまう。そんな不快な気持ちを時に感じます。

個人的な経験でも、医師になってそれがすごい事だとか、偏差値がどうだったとか、給料が幾らだとか、そんな勘違いしている方々を見ると非常に残念な気持ちになります。
多くの場合は、偶々両親が裕福だったり、受験勉強を乗り切るための金銭をかけてもらっていたり、小さい頃から【育った環境が偶々適していたにすぎない】事が殆どであるかと思います。

MahidolのDTMHの学費は4000USDです。MCTMで修士学位までとなると合計9000USDとなります。
年間120万円近い金額がかかる事になります。
欧米と比較すると確かに3分の1程度ですので安いのですが、世界的にみてこれは特別安くはありません。
むしろ高い、たとえ世界の現役の臨床医でも。私もこの金額と様々な生活費を貯めるのには1年を要しました。

フィリピン、ミャンマー、カンボジア、バングラディッシュ云々の医師達と話しをしていて、
裕福な国に育ち、衣食住にこまることがなかった日本人医師とは根本的に「学び」への欲望やスタンスがまるで違う様な気がします。


貧乏根性丸出しの自分にとって、高額な教科書や、授業料など、ついつい打算的に考えてしまいます。
大人の悪い癖かと思いますが、そんな時に師に言われた言葉があります。
『学問の為に払う金銭は、何より利益になる自己投資です。必ず数倍になって帰ってきます』

教科書代はLow Risk, High Returnの最強の投資です。
以降、考え方を意図的に変えるようにしております。
自分が学ぶ事への費用は決して出し惜しみせずにその分を学び続けようと。

青木眞先生のブログでもこんな記事を見つけました。
「若い時の節約は禁忌」であると。


若い時の節約は禁忌