第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

最後の回診と症例カンファ DTMH Day 158

2015-09-04 16:26:26 | Mahidol University編
DMTH最後の病棟回診とケースディスカッションでした。

30代男性:1年前からの全身性の一部痂皮化した皮疹、数ヶ月前から微熱が間欠的に出現。一ヶ月前から全身の関節痛が出現。Vital は特に問題無く、身体所見では、肝臓脾臓を触知、右鼠径部に軽度のリンパ節腫脹と軽度の圧痛を認める程度。Terry's nailあり。Peripheral signは無し。
Labでは汎血球減少を認める➠診断は内蔵リーシュマニア症でした。





40代男性:数影ヶ月前からのSpike fereverと四肢の関節痛、1周間前から頸部などの軽度のリンパ節腫脹のみ。熱帯病を考慮して転院。マラリア・ブルセラ・結核・チフス・含めた通常の検査は陰性。腹部に帯状疱疹様の皮疹ができた。➠診断はなんと成人スティル病との事でした。

総合内科医としては、Intravascular lymphomaやその他の血液疾患や、IgG4関連疾患などあぁだこうだ意見を述べましたが、臨床熱帯学の先生方にはあまり精通されていないと思いましたのでやめておきました。

フェリチン異常高値の鑑別を教えた所、他の国では全く言われていないらしく皆の食いつき方が半端無かったです。
Adult onset Still病の診断はGeneralistとしての診断力の見せ所でしょうか。直ぐに飛びつかず慎重に詰将棋を行うという意味で。
(Rheumatol Int. 2012 Apr;32(4):1091-4. doi: 10.1007/s00296-011-1834-x. Epub 2011 Feb 26.)






そもそも日本だけ?で行われている様な診療の型が如何に多いか。

世界中の医師と話していると驚く事も多々あります。これがまた本当にClinical questionに成るために非常に楽しいです。
私は超急性病院の叩き上げの代表みたいな人間で、大学で診るようなゼブラ疾患が弱いと感じた為にこちらに渡って来たのですが、半年経過した今、強くなったかと言うと。。。

残念ながら指導医の先生方とは研修医と10年目位のレベルの差が依然としてあります。







とは言え、これは私のバイアスですが、最近の卒後臨床教育のおかげかPhysical力だけは他の国よりも鍛えられきているのではないか?
と思います(全く根拠の無いバイアスですが。。私の周囲だけ?)。