第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

東京城東病院の今 その4 ティアニー先生・青木眞先生ティーチング

2015-11-15 20:52:31 | 総合診療

皆様こんにちわ。

私は、明日より恐怖のData collectingが開始です。土日無く、朝から夜までやって1月半ばまでに終わらせる事ができるかどうか?

狸の皮算用では1日20症例が必要で萎えます。

そんなこんなで時折流れてくる、東京城東病院の仲間達の写真が、何やら(というか非常に)楽しそうなので、羨ましくなりチョコチョコ

連絡を取ってみたりしています。

 

昨日はローレンス・ティアニー先生が訪問されたそうで、いつも御指導頂いている青木眞先生も一緒にこられており、非常に贅沢な時間を

過ごした様です!!羨ましいです!!本当に。。。また時間がある時に皆様に報告致します。

 

青木眞先生、ティアニー先生のダブル指導。

 

 

 

 


回診の風景 マラリア MCTM Day45

2015-11-15 00:07:45 | Mahidol University編

皆様こんにちわ。

MCTMはDTMHの時よりもMorning ward roundは多いです。

DTMHコースにて基本的な知識は能動的かつ受動的に習った事になっていますので、一つの症例に対する吸収がやはり良いと思います。

4月当初は全くその余裕が無くて、回りの医師の発言が全く聞き取れなかったり、そもそも内容や単語を全く知らなかったり・・

(ある程度、マラリア、デング熱、リケッチア感染症、寄生虫感染症などに経験がある方は別かもしれませんが)

そんなこんなで、慣れてきて惰性になってきた頃にトラベルメディシンでこの国のエース(だと思われます)のWacharapon先生から実際に先週来ていた患者さん達で

自分たちで考えて、自分たちで診断して、治療も決めて下さいという模擬訓練がありました。

患者はタイ北部のエリートサラリーマン達で6人でナイジェリアに水道開発のビジネスで2ヶ月前から出張、前地で一人発熱性疾患になって診断はわからなかったが死亡したので、緊急帰国して診て欲しいとの内容でした。その内二人は既に赴任地でマラリアを疑われて治療されたけれども、どの薬剤がどの量をどの期間使われたかも不明であるといった設定です。(でも、これ実症例です)

できるかぎりの病歴と身体所見の情報を合わせて、その地域の疫学をCDCのサイトと文献等から高速で調べる必要があります。

最終的にその地域で考えられる鑑別診断を出来るだけ早く想起しなければなりません。

また、唯一の手がかりはデジタルカメラです。これは偶々撮られていた薬の写真です。製薬会社とその薬が実在し、利益目的で作られていないFake drugでは無いことをホームページで確認。

またマラリアであったとしたら、薬剤耐性の問題は、Pf (日本語では熱帯熱マラリアの事です➠つまり重症化して死にます)の割合はどうかをCDCのサイトから調べます。

(CDCによれば、何とPf率 観測上は100%との事:軽症者は受診していない可能性や複数回感染しているので自然治癒もあるか?)



確かに末梢血スメアでは見事なdouble infection, ring from, normal size RBCからまぁ何となくPfである事は間違いなさそうではありますが、迅速抗原テストなどを使って確認も出来ます。

結果Pfと診断したのであれば、薬剤耐性がどうかを判断して治療を考慮する、もしくは治療が必要でないかを判断するなどなどです。

まぁこんな感じで色々と考えます。やはり、自分は臨床が好きなので、それ以外の鑑別や検査もあぁだこうだと幅広く考えてしまいますが、それはもう育った環境がそうなので変えようがありません。

結論からいって疫学が変わると自国での自分の経験が役に立たなくなります

だから可能なかぎりの有用な情報・リソースをできるかぎり早く手に入れる訓練が必要になると思われます。

統計学的にいって、どんな検査の陽性的中率と陰性的中率は有病率に大きく依存して変動するように、自分の診断学的なそれらも大きく変動してしまう為かと思いました。

マラリアを有するタイ国からのアフリカへの旅行者も黄熱病の予防注射は打つがマラリア予防までは意識しない人が多いとの事でした。

しいては熱帯病に縁が薄い日本、さらにグッと意識は低くなるかと思いますが、実際にはいかがなものなのでしょうか?一度調べて見たいです。

 


 

さて、この日はハウスメイトのドイツ人医師が誕生日でしたので皆でお祝いをしました。私の指導医のDr Supat先生も一緒に。