第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

病院総合診療専門医プログラムワーキンググループ活動ほぼ終わり

2020-03-11 06:57:20 | 総合診療

病院総合診療専門医プログラムワーキンググループの活動の山場を超えました・・

議論に議論を重ね、時には笑顔で殴り合い、

夜も眠れず、

全ては患者さんのためという志で

みなさん忙しい中、一円にもならないExtra effortをしてくださったのだと思います。

僕は横で吠えていただけで、素晴らしい知性と人格と行動力を持った仲間に加えてもらって感謝に絶えません。

本当に、みなさまありがとうございました。

 

この機会に、ふと大学人としての総合医学の講座の発展しているところをしていないところを振り返ることができました。

これまで大学で総合医の講座がうまく行かなった大きな理由に下記のようなGeneralistのスキルがないままポジションが合いているからといってGeneralへ転向した人が多かったということがあげられます(当時は総合医のトレーニング自体がありませんでしたので仕方ないです、責めてはなりませぬ)。でも耳鼻科医が呼吸器内科の教授選に出る以上に、内視鏡をトレーニングなしに実施するように、実は下記のスキルをトレーニングなしに身につけることはとても難しいという実情があります。それを見える化したことはとても自分の中で有意義でした。

*あまりにもよく質問されるので・・島根大学の総合医学講座の教授選がどうなるかこうなるかは、僕は全く知らず関与すらしていないのですが、少なくともこの1-10全てに【浅くてもいいので】理解していて実施欲しいです。。これは、Society of Hospital Medicineのプログラムでもコアな部分であります。周囲と円滑なコミニュケーションがとれ、下記が理解と実施できなければ今後15年停滞します。

1.どのような疾患・病態の患者でも断らず、全人的医療を実践するマインドを持ち診療できる
2.地域包括ケアの要としてコミュニティとつながり、患者やその家族の生涯やそれをとりまく地域を見据えた病院診療を実現することができる
3.病歴、身体診察、基本手技全般に長け、病院の外来、救急、病棟、集中治療室において標準知識に基づき診断・治療・予防・患者説明の実践と教育を遂行できる
4.診断困難な症例では戦略的思考を駆使して最適解を追求し、マネジメント困難例では院内の各専門科、各医療職と緊密に連携して弾力性の高い医療を提供できる
5.医療チームにおけるリーダーシップに長け、その能力を適切に発揮できる
6.様々な部門や階層での組織マネジメント技術に長け、院内診療の最適化に貢献できる
7.医療の限界と医療資源の有限性を理解した医療の質を重視する診療を実践し、それに準じた組織運営を行うことができる
8.保険診療を理解した医療経営の視点を持ち、所属組織における最適なチーム運営を実践できる
9.次世代の病院総合医を育成する心に溢れ、俯瞰的な視野で卒前・卒後教育を指導できる
10.アカデミックジェネラリストの視点で、臨床研究を通じ日本・世界の病院総合診療分野の発展に寄与できる