みなさまこんにちわ。
今日は自分が患者側となって経験した物語のオピニオン論文発射です。
ワクチン接種後に30分待つ??意味の考察してみました。短いですがぎゅーっと要約してます。
物語は冬のある日僕が子供三人を抱えて、インフルエンザのワクチン接種の場面から始まります。発熱の患児で混雑しまくりの中、接種後も隣の患児達の鼻水や咳嗽を気にしながら先生の指示通り3人分合計1時間以上滞在していました。
日本では毎年1700万人の方がインフルエンザのワクチンを摂取してくださっていますが、僕ら臨床家が悩むのは・・・「インフルが流行りだしてきた混雑した外来でインフルワクチン摂取後に30分待たせるべきかどうか」・・それを鳥取大学の朴先生がFBで質問してくださり機会を得ました感謝もうしあげます。これはもう山陰合同作業の結晶です。そもそも誰が30分(問題)を言い出したのか疑問でした。
レビューの結果は インフルワクチン111万本接種で17人がアナフィラキシー(様)症状が出現し、死亡数は0人でした。インフル111万を含む250万本の全ワクチン接種歴では、1/4の人が30分以内で発症でしたが、特に2-4時間後にIM/SCでは発症することが多いことがわかります。つまりあくまで確率論ですがワクチン接種後の30分以内にアナフィラキシー(様)症状の有無を確認するためであれば99.99%意義は乏しいと言えます。が、100万人に1~2人程度意味がある人がおられるかもしれないことは頭に入れておく必要があるかもしれません。重症になりうることもあるかもしれないからです。ちなみに100万人に1人という確率は東京中の人口全員にワクチンを摂取して8人くらい、逆にいえば宝クジの一等組違いが当たるかもしれない確率とのことです。
このあたりの確率の低さになると「何かあったらどうする!?」という誰の責任論で、ガチガチに身構えて効率を低下させるよりは、医療安全の中でのSafetyⅡのレジリエンス高い、柔らかい考え方が大事であると思います。
さて考察的にはアナフィラキシーはアトピー性皮膚炎の既往の人が8割もいましたので、むしろこちらを丁寧な問診でしっかりと探しだし、発熱患者などが多い混雑時は簡単なチラシなどで注意を喚起した上で、時間を有効に帰宅していただく(感染予防でも極めて重要です)かもですね、というオピニオン論文でした。よろしければご笑覧ください。。
*鳥取大学 朴先生に臨床家としての悩みを頂き調べるきっかけになりました。ありがとうございました! 来年からは我が国のインフルエンザ対策がきっと、劇的に変わるのではないかと期待しています。COVID-19よりも現段階3月18日では圧倒できにインフルエンザによる死亡数が桁違いに多いのは全く注目されていないという事実もあります。少しずつ日本がよくなっていっているのがわかりますね。
1) https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1002/jgf2.312