千葉大学の若きカリスマから献本いただきました。
せっかくなので、ドドドと小一時間で読ませていただきました。読みやすいです。こんなイイ本をもらってしまっていいのでしょうか?
感想:さすがですね。もう同じ診断学を専攻する医師だけあって、全て納得の一文字でした。診断困難例への情報の集め方も普段行わないで紹介ばかりされている方はきっと生涯に渡って武器になると思います。診断エラーも僕はよく表・裏の診断学的に使い分けている表現がここではとてもNaturalに美しく解説されています。
またアニキ太郎先生のPivot & cluster診断戦略論文をすでに外来で言語化して使われていることに驚きました。これは絶対太郎先生喜ぶと思います。
さて、この本は研修医の先生と言うよりも、多くは診断学的に偏ってしまったベテランの先生の方が役に立つのと思います。特にDifficult patient Encounterだと思うのですね。よく遭遇するのが、色々なところでひたすら検査をするけれども「はっきり原因がわからない」、「画像や内視鏡では異常がなかった」、などの理由でグルグル色々な診療科を回っている患者さんへの効果的・効率的な外来診療ですね。
僕の外来にはそう言う方が本当に多いのですが、不思議なことにあるやり方を使うと多くの方が「涙」を流されます。
それは*BATHE法のEです。型のように決まっているのですが「それだけ検査を行っても、原因がわからないと言われてしまうと何か他に悪い病気があるのではないかと誰でもすごく不安になりますよね。大変でしたね。」的な共感姿勢をするだけ圧倒的に外来がスムーズになる瞬間、山が動く一瞬があると思います。
このように少しの工夫が、圧倒的に初診外来を楽しくスムーズにする話が満載です。ぜひ同志であるSHIKINO先生の本を手にとっていただければと思います。
*BATHE 法について
Background 背景
Affect 気持ち
Trouble 困っているところ
Handle 対処
Empathy 共感
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