Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

究極の勘違い映画『チャンス』

2019年01月12日 15時04分18秒 | 映画


「午前十時の映画祭9」にて。
1979年のアメリカ映画。

知的障害があって読み書きもろくにできないおじさんが、
ひょんなことから大統領に助言するぐらいのポジションになってしまう映画。

とにかく、「しゃべらない美学」を痛感する内容だった。
ピーター・セラーズ演じるチャンスは庭師(ガーデナー)。
それをまわりが勘違いして、チャンシー・ガーディナーという人物として認識。

大した会話もできないため、相手からの返答にゆっくり答えるのみ。
さらに自分は庭のことしか話せない。

それをまわりが勝手にいろいろ解釈して、
彼の庭の話を、経営や政治における比喩だとして、
「彼の言うことは非常に興味深い!」
と一気に有名人になってしまう過程は面白かった。

グウィネス・パルトロウを彷彿とさせる綺麗な熟女が出ていて、
誰だろうと思ったら、当時45歳のシャーリー・マクレーン。
昨年とても面白かった『あなたの旅立ち、綴ります』に出ていたクソババアである(笑)

昔の映画を見ると、今高齢の人たちの若かりし頃を見れるから楽しい。

おじさんと若い女の子の牧歌的な刑事モノ『メゾン・ド・ポリス』

2019年01月12日 01時45分34秒 | ドラマ
おお、これ面白い!
シェアハウスに住む警察OBのおじさんたちと
若手警察官である高畑充希のドタバタポリスドラマ。

1話完結型で事件解決していく流れは、
普通の警察モノって感じなんだけど、
普段ゆるゆる生活しているOBのおじさんたちが、
それなりにエキスパートだったり、
コネがあったりするので、
いざというときにその力を存分に使う気持ちのよさがたまらない。

特に、第1話から高畑充希が早速命の危険にさらされるものの、
おじさんたちの力で事なきを得るというね。

何かと目の上のたんこぶ的な扱いで、
おじさんには生きづらい世の中な気もするけど、
おじさんだってやるときゃやるよ!みたいな、
ある意味エールみたいなものを感じる。

それにしても大きなシェアハウスである。
ひとりひとりの部屋が広すぎる(笑)
てか、あのおじさんたちのシェアハウスは
割とリアルだなと思っていて。
今後、中高年専用シェアハウスとか増えそうだし、
俺も孤独死する前に将来的に入る可能性ありだ(笑)

あと、個人的に気になったのは、
西田尚美が及川光博にしか見えなかったというのと、
『ストロベリーナイト』の名前が出たのは、
脚本家が同じだからだろうかということ(笑)

葛藤の行く末にあるものをかみ締めた『クリード 炎の宿敵』

2019年01月12日 00時54分54秒 | 映画


2019年1発目の映画。
新年の幕開けにふさわしすぎる。
1本中1位。
そして、『ロッキー』シリーズを初めて劇場で見た(笑)

1985年公開の『ロッキー4/炎の友情』の流れを汲むため、
それと前作の『クリード チャンプを継ぐ男』を見てからこれを見た方がいい。
(欲を言えばシリーズ1作目の『ロッキー』も)

本作はロッキーが1作目と2作目で戦った、
ライバルであり親友でもあるアポロ・クリードが、
4作目でロシア人ボクサー・イワンとの試合で命を落とし、
今回そのアポロの息子と、イワンの息子が戦うというもの。
(敵討ちというわけではなく、単に強い者同士が当たっただけ)

過去作を見るためにここ1週間『ロッキー』漬けだったから、
想いの丈を書き連ねるので長くなっちゃうけど、
今まで以上に、今作はスポ根というよりヒューマンドラマで感動した。

クリードの「なぜ自分は戦うのか」という思いや、
子供が生まれたことで背負うものが多くなった背景など、主人公の葛藤が多い

さらに敵対するイワンは、
4作目でロッキーに敗れたことで妻に捨てられ、
人々に見放され、かなり不遇な人生を送ったから、
その憎しみを息子に託し、
憎悪に満ち溢れて戦いに来るという、
ある意味悲しい人たち。
ゆえに彼らにも同情してしまった。

見た人ならわかるけどタオルのシーンとか
33年前のロッキーとの対比だよね。
うるっときた。

さらに、33年ぶりにイワン役のドルフ・ラングレンと
妻役のブリジット・ニールセンが出てきたのは
過去作見てる人なら興奮するだろうな。
(ちなみに彼女は私生活で
 シルヴェスター・スタローンとちょっとだけ夫婦やってたりw)

ラストもいい終わり方だったよなあ、あれ。
セリフと言い、カメラワークと言い、最高だよ。

今回、クリードの葛藤が強かったけど、
でもそれは、かつてロッキーが通った道とほぼ同じなんだよね。

結局このシリーズはロッキーの人生そのものなんだ。
1作目、30歳でひょんなことから世界チャンプと戦い、
コミュ障でメガネっ娘だったエイドリアンと愛し合い、
強敵と戦い続け、子供も生まれ、
老いてもなおボクシングと共に歩み、
そして『クリード』シリーズに入り、
弟子を取り、意志が受け継がれて行く。

ロッキー自身は、有名になっても偉ぶらないで、
妻と息子を何よりも愛し、
まっすぐ芯の通った本当にいい人で、
とても好感の持てるキャラクター。
ボクシングは強いけど、時に自分の進む道に思い悩んだり、
今あるものを失うことを恐れる弱さもあるけど、
その弱さを素直に認めることができるし、
そういうときは妻のエイドリアンが支えてくれるという
理想的な夫婦でもあった。

そして、同時にものすごく時の流れと哀愁を感じる映画シリーズでもある。
ロッキーは、ライバルで親友のアポロを若くして亡くし、
愛すべき師匠を亡くし、
最愛の妻にも先立たれ、
その兄ともずっといっしょにいたけどそれも他界し、
息子たちは離れたところに暮らしていて、
独り身のおじいちゃんになってしまう。
あんなに人々に愛されているのに、実は孤独なんだ、物理的に。
だからこそ、弟子のクリードは彼にとって弟子以上の存在でもあると思う。

いろいろ書いたけど、本当にいい映画シリーズ。
シルヴェスター・スタローンがまだ売れてないときに、
実際のボクシングの試合から着想を得て、3日で脚本を書き上げ、
「自分が主演じゃないと売らない」
という強気の交渉で何とか製作にこぎつけ、
それが42年経っても続いてるからね。
あのとき他の役者で作らなくてよかったと思うわ。

あと映画とは直接関係ないけど、
ずっとシルヴェスター・スタローンのセリフが聞き取りづらいなと感じてて、
調べたら、彼が生まれるときに医師が鉗子の操作を誤って、
顔の左側の神経を傷つけたせいで、
言語障害と顔面麻痺になったそうな。
それが原因でいじめに遭って、
いまだにトラウマがあるらしいってのを知って、
あんな肉体派俳優なのにそんな過去があったのかと驚いた。

今後は『ランボー』シリーズの最新作や『大脱出』シリーズの最新作、
また『エクスペンダブルズ』シリーズも続編あるというから、
シルヴェスター・スタローンを見る機会が増えそう。

72歳にしてすごい(笑)