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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

まさに"サークル・オブ・ライフ"だった『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』

2020年03月15日 21時31分06秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:10/49
驚き😳:★★★★☆
感動😭:★★★☆☆
自然🌲:★★★★★
動物🐕:★★★★★

『ライオン・キング』以上のサークル・オブ・ライフ。
『ドクター・ドリトル』以上の動物たちのバリュー。
人間社会じゃ到底なしえないダイバーシティ。
ドキュメンタリーゆえの驚きと感動。・゜・(ノД`)・゜・。

とにかく、自然界における人間のちっぽけさと、
動植物の力強さを目の当たりにする映画。

事の発端は、ジョンとモリーが殺処分直前の犬を保護したことに起因する。
その鳴き声が原因でアパートを追い出されてしまうのだけど、
料理家だったモリーの意向で、体にいい食べ物を作るために郊外へ移り住むことに。
しかし、そこは200エーカー(東京ドーム約17個分)もの荒れ果てた農地。
果たして、緑豊かな地へと蘇らせることができるのか。

とにかく苦難の連続。
農薬を使用しない伝統農法を目的として投資家を募り、
上記の土地を手に入れるのだけど、あまりの広さと荒れ加減にお手上げ状態。

農業に詳しい人や手伝ってくれる仲間を集めるところから始め、
井戸を直し、ため池を作り、土を耕し、植物を植え、様々な動物を放つという、
都会暮らしだった2人がイチから農事を作る過程は実に興味深い。

それは気の遠くなるような作業なのだけど、
予想外の出来事や人間の手に及ばないことが次々と起こる中で、
長い間伝統農法を提唱してきたアランの
「正しくやる時間はないけど、やり直す時間はいくらでもある」
という言葉を信じて、時間をかけての観察とトライアンドエラーの繰り返し。

そして、この映画の一番の見どころは、
農場で起こるトラブルを自然の力を使ってのみ解決していくところだ。

ある程度環境が整って来ると、野生の動物も交じり始めるのだけど、
一番厄介なのがコヨーテ。

やつらは飼っている鶏を何百羽と食い殺すのだが、
コヨーテを駆除しすぎてしまうと、
ホリネズミ(モグラみたいなやつ)も増えてしまい、
彼らが増えると木の根が食べられ、被覆植物が育たず、
その植物がないと雨が降ったときに
地面に水が吸収されづらくなるというデメリットがある。

なので、飼っている番犬を訓練して鶏たちを守り、
コヨーテのターゲットをホリモグラに移すことで、
結果として土地を守ることに繋げるという機転の効かせ方がすごいなと。

さらに、コヨーテだけでなく、フクロウやヘビも放つことで
空と陸両方からホリネズミを減らしていくのだけど、
ぎゃぃも逆に減りすぎると土の中に空気を送り込むことができなくなるので、
数のバランスが非常に難しい🤔

他にも、大量に発生して木の葉を食い散らかすカタツムリはアヒルに食べてもらい、
果物を食い散らかすムクドリは鷹に食べてもらい、
牛の糞に産み付けられるウジ虫は鶏に食べてもらい、
アブラムシはてんとう虫に食べてもらうという、
科学や化学の力での解決ではなく、
すべてを自然の力をもって解決していくところが圧巻だよね。

しかも、その動物たちが死ぬと、
この農場の土壌に生息する90億もの微生物が死骸を分解し、
また土に還すってんだから、
『ライオン・キング』でムファサが言ってたことまんまじゃん!って。
“サークル・オブ・ライフ”ここに極まれり!

今でこそ自然の循環が出来上がってはいるものの、
ここに到達するまでは全然その循環する未来が見えていなくて、
みんなお先真っ暗という感じだった。

それをね、日々の作業を根気よく続けていくことで、
あの荒れ果てた不毛の土地を、
多様な動植物が共存する緑豊かな土地へと変えていったのが、
あまりにも感慨深くて涙出たよ。

すぐ結果なんて出ないから、自然なんて。
長く観察して初めてわかることばかり。
何かとすぐに結果を求められる都会に住んでいる人は一度観てもいいかも。
この循環の中での人間の「生かされている」感は一見の価値あり。

映画『ビッグ・リトル・ファーム』オフィシャルサイト

映画『ビッグ・リトル・ファーム』オフィシャルサイト

 

仕事もプライベートもきっちり向き合ってた『トップナイフ ー天才外科医の条件ー』

2020年03月15日 00時53分50秒 | ドラマ
『トップナイフ』は"脳神経外科"に特化した医療ドラマ。

脚本が『医龍』や『コード・ブルー』などを手掛けた林宏司さんなので、
専門的でありながらも小難しい内容に終始することなく、
登場人物の人間ドラマもしっかり描かれていたのがすごくよかった。

このドラマの面白さは、人類未踏の地である脳を扱っていること、
そして、メインキャスト3人の濃さだと思う!

脳の障害が引き起こす症状というのは実に様々。
人の顔が認識できない、3分しか記憶が残らない、
麻痺した腕が他人に見えるなど、
他のドラマと違って特殊なものが多いんだよね。

骨折や癌といった聞き慣れているものと比べると、
「現実にこんなことが起こりうるのか」という驚きが大きい。
そういう意味では、不謹慎ではあるけれど、
これまでの医療ドラマと比べると新鮮に映るのは確か。

そして、その難解な治療にあたっていくのが
東都総合病院に集う3人の優秀な脳神経外科医たち。

脳動脈瘤のスペシャリストでありながら
以下2人をまとめる深山瑤子(天海祐希)。

最も模範的な脳外科医に与えられる
トップナイフ賞を日本人で初めて受賞した黒岩健吾(椎名桔平)。

外科もカテーテルもこなせる二刀流の西郡琢磨(永山絢斗)。

彼女ら3人が集まった理由は第9話でわかるんだけど、
これがまたいろいろ抱えててね〜。

深山先生は、トップナイフを目指すために家族を犠牲にし、
夫と娘と別れることに。

黒岩先生は、孤高の独身で女性関係が派手だけど、
ある日突然「あなたの子よ」と小学生の子供を押し付けられ、
関わり方にとまどうことに。

西郡先生は、女性心臓外科医の第一人者だった母親の影に怯えることに。

患者の治療を行いながら、
彼らがどうやって自らの抱える複雑な事情と向き合っていくのか
というのが毎週とても楽しみだったんよ。

最終回まで観て思ったのが、
結局優秀な医者と言えどもひとりの人間であるということ。
それぞれの葛藤や悩みとの向き合い方は、
普段の生活の中でも見習うべきところはあるように思える。

トップナイフを目指すことは誰にも譲れないという強い信念を持ち、
でも娘に対する愛は変わらないということを言葉と行動で証明した深山先生。

自分の子供ではなかったけど、
少年がいじめられていることから幼き日の自分と重ね合わせ、
人になめられない強さを身に付けることを伝えた黒岩先生。

自分には才能がないことを認め、
何者でもないことを受け入れることで、
母親の呪縛から解放された西郡先生。

10話という限られた話数の中で、
3人が目の前の現実から目を背けずに
しっかり正面からぶつかった(ぶつからざるを得なかった)姿勢は
共感できるところもあった。

こう見ると、全体的にシリアスな雰囲気のように思えるけど、
それをいい具合に崩してくれるのが新人の小机幸子(広瀬アリス)。

医学部を首席で卒業する頭のよさがありつつもどこか抜けており、
仕事での失敗やバーの店長との恋路など、
笑える要素があったのもこのドラマの魅力。
もちろん、彼女にも葛藤があり、それを乗り越えて行くんだけど。

あと、手術シーンがリアルだったのも見逃せないポイント。
脳だからさ、頭皮はがして、ドリルで頭蓋骨削るんだけど、
粉が舞ってしまうので、
それを抑えるために水を垂らしながら進めているところが臨場感ある。

あくまでも素人目だけど、人間模様から手術現場に至るまで
物語内のいろんな要素が作り込まれていて、
とても見ごたえのあるドラマだったんじゃないかな。

トップナイフ-天才脳外科医の条件-|日本テレビ

日本テレビ2020年1月期土曜ドラマ「トップナイフ-天才脳外科医の条件-」公式サイト。主演・天海祐希。患者を救うために天才医師たちは何を手放...

日本テレビ