Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

娘への異常なまでの母親の愛が衝撃と恐怖を生み出す『RUN/ラン』

2021年06月19日 21時00分52秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:22/118
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
スリラー
サイコパス
歪んだ母親の愛
毒親

【あらすじ】
郊外の一軒家で暮らすクロエ(キーラ・アレン)は、
生まれつき慢性の病気を患い、
車椅子生活を余儀なくされている。
しかし、常に前向きで好奇心旺盛な彼女は、
地元の大学進学を望み自立しようとしていた。

そんなある日、
クロエは自分の体調や食事を管理し、
進学の夢も後押ししてくれている
母親ダイアン(サラ・ポールソン)に不信感を抱き始める。

ダイアンが新しい薬と称して差し出す緑のカプセル。
クロエの懸命の調査により、
それは決して人間が服用してはならない薬だった。

なぜ最愛の娘に嘘をつき、
危険な薬を飲ませるのか。
そこには恐ろしい真実が隠されていた。

ついにクロエは母親から逃れようと脱出を試みるが……。

【感想】
全編PC画面で進んでいく
『search/サーチ』の監督と製作チームが放つサイコ・スリラー。

予告やあらすじからわかる通り、
母親がやべえです。。。
毒親を通り越してサイコパス。。。

話自体はシンプルではあるものの、
ラストが近づくに連れて、
だんだん真実が明らかになっていく過程が
ハラハラして面白かった。

母親に違和感を抱く娘。
外との限られた連絡手段。
与えられていないスマホ。
リビングにしかないパソコン。
近くに頼れる人がいない孤立感。
そして、自由の利かない体。

この状況でクロエがどういう行動を取るのかが、
常に興味深かった。

この映画はストーリーだけじゃなく、
母娘共にキャストの演技もすごい。
娘に異常な愛を注ぐ母親の執念から生まれる怖さ。
そんな母親から逃げるため、
動かない体にムチを打つ娘の必死さ。

特に、娘のクロエを演じたキーラ・アレンは
実生活でも車椅子を使っているようで、
さすがのドリフトさばき!(笑)
そこもひっくるめて、
まだ19歳でここまでの演技ができるのは圧巻!

ネタバレしたら終わりなので、
内容には触れられないけど、
これは映画館で観てこそ。
BGMも無駄に怖さを煽ってきて
メチャクチャビビるから。
あと、90分という尺の短さも気軽に観れるからいいよ!

ちなみに、アメリカではコロナ禍のため、
昨年11月にHuluでの配信がスタートしたらしいけど、
配信初週における同サービス最高視聴者数の記録を更新したらしい。

映画『RUN/ラン』公式サイト 6月18日(金) TOHOシネマズ 日本橋他全国ロードショー

『search/サーチ』の監督・製作チームが放つサイコ・スリラー。母の愛からは逃れられない、溺愛する車椅子の娘に、毒母の狂気が暴走する―

映画『RUN/ラン』公式サイト 6月18日(金) TOHOシネマズ 日本橋他全国ロードショー

 

戦犯扱いされていた原田選手に金メダルを取らせた25人のテストジャンパーたちの物語『ヒノマルソウル ~舞台裏の英雄たち~』

2021年06月19日 20時15分20秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:21/117
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
スキージャンプ
1998年長野オリンピック

【あらすじ】
長野オリンピック・ラージヒル団体で、
日本初の金メダルを狙うスキージャンプチーム。
そこに、エース原田のジャンプを複雑な想いで見つめる男―
元日本代表・西方仁也(田中圭)がいた。

前回大会・リレハンメルオリンピックで、
西方は原田と共に代表選手として出場するも、
結果は銀メダル。
4年後の雪辱を誓い練習に打ち込んだが、
代表を落選。
失意の中、
テストジャンパーとしてオリンピックへの参加を依頼され、
屈辱を感じながらも裏方に甘んじる。

そして迎えた本番。
団体戦の1本目のジャンプで、
日本はまさかの4位に後退。
しかも、猛吹雪により競技が中断。

メダルの可能性が消えかけたとき、
審判員たちから提示されたのは、
「テストジャンパー25人全員が無事に飛べたら競技を再開する」
という前代未聞の条件だった…。

命の危険も伴う悪天候の中、
金メダルへのかすかな希望は、
西方たち25人のテストジャンパーに託された―。

【感想】
日本人として観ておいた方がいい映画。
これ、原田選手と船木選手がね、
本当に原田と船木だった!
まずはそこを推したい!

邦画の伝記映画って、
けっこう実在の人物と演じている役者の見た目が違うことがあるけど、
この2人はハマり具合がすごくて。

特に、原田選手を演じた濱津隆之(『カメ止め』で監督役をやった方)は、
表情の作りがうまくて、
あの有名なインタビューのシーンとか、
まんま原田選手。

さて、この映画は1998年長野オリンピックの
スキージャンプの舞台裏を描いた作品。

当時、僕は観てなかった。
あんまり興味なかったってのもあるけど、
競技中は普通に学校あったし
(でも、クラスメイトが授業中にイヤホンでこっそりラジオを聞いていたのは覚えてるw)。

だから、あの原田選手のインタビュー映像ばかりが独り歩きして、
みんなモノマネするし、
僕の中ではお笑い要素が強かった。

ところが、だ。
この映画を観ると、
そんな自分を恥じたくなる。
本作のメインは25人のテストジャンパーたちなんだけど、
同時に原田選手の辛さを描いた作品でもある。

1994年のリレハンメルオリンピックで、
彼の失敗により、
金メダル確実と言われていた日本が銀メダルになった。
原田選手はメディアに叩かれ、
1年以上も嫌がらせされたよう。

そんな中での長野五輪だから、
本人のプレッシャーは半端なかっただろうし、
インタビューでの「またみんなに迷惑かけるんじゃないか」
っていう言葉が重かった。

その状況をリアルタイムで観てきた人は、
なおさら感慨深く感じる映画じゃないかなー。

で、テストジャンパーなんだけど、
そこでの西方選手の気持ちもすごく共感できるものがある。

彼は原田選手と同い年で、
小さい頃からバンバン記録を出す将来有望な選手だった。
それが、リレハンメルで金を取れるはずだったのが銀に終わり、
さらにケガも重なって長野五輪では代表に選ばれず、
裏方にまわる。
表舞台で金を取れるはずだった人が、
裏方にまわらざるを得ないときの悔しさときたら。。。

そもそも、ジャンプ団体戦って、
水泳や陸上のリレーと近いものがあると思う。
個人種目の連帯責任というか。
だから、余計に共感できる部分があった。

チームプレーならね、
よほど決定的なものでない限りは、
ミスの責任の所在はある程度分散されるイメージはあるけど、
この個人種目の団体戦って、
結局ひとりひとりのミスはその人にすべての原因があるから、
ミスした自分も責任を感じるし、
他の人からしても
「自分はちゃんとやったのにあいつのせいで」
となりがち。

西方選手は、
自分のせいじゃないところで銀メダルになり、
しかもその原因となった原田選手は
次の長野五輪で代表に選ばれた。
自分はそこに至れなかった
悔しさや嫉妬は想像を絶するものがある。

それを乗り越え、
「原田に金を取らせます」
と気持ちを切り替えて、
日本の金メダルへとつなげた西方選手の想いや、
テストジャンパーたちの努力は、
単なるスポ根の域を超えた感動があった。

映画『ヒノマルソウル 〜舞台裏の英雄たち〜』公式サイト

ヒノマルソウル 〜舞台裏の英雄たち〜 2021年6月18日公開 長野オリンピック悲願の金メダルに隠された感動の実話! 出演:田中圭 土屋太鳳...

 

メイン2人よりもその両親の離婚ドラマの方がよかった『リコカツ』

2021年06月19日 00時16分55秒 | ドラマ
【個人的な評価】
2021年春ドラマで面白かった順位:5/7
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ラブコメ
離婚

【あらすじ】
水口咲(北川景子)と緒原紘一(永山瑛太)は、
運命の糸に導かれるように結婚した。
出会いは3ヶ月前。
雪山で遭難した咲を、
航空自衛隊航空救難団の紘一が救助したのがきっかけだ。

ファッション雑誌の編集者をしている自由奔放な咲と、
厳格な自衛官一家に育った生真面目な紘一。
性格は正反対だが、
2人で幸せな人生を築くと誓った。

ところが、結婚式の翌日。
咲は早朝4時に起床ラッパの音で起こされた上、
紘一から緒原家の家訓を唱和させられる。

休日の外食に行くときも、
紘一はファッションから店選びまで何もかもセンスが違う。
しかも、自分の考えを押し付けてくるため、
咲の不満が爆発。
紘一も「思っていた結婚生活と違う」と大喧嘩になり、
互いに離婚を言い放つ。

2人は離婚を考えていることを家族に伝えることにしたが、
それぞれの両親たちもまた離婚を考えており、
言うに言えない状況に。

とはいえ、離婚することで夫婦の意見は一致。
しかし、いざ関係性が終わるとわかると、
いまいち踏み切れない気持ちが芽生えてきて……。

【感想】
咲と紘一は本当に茶番で、
むしろその両親たちの話の方がいいなと思えるドラマだった。

いやだって、メイン2人はさ、
本当にオールオアナッシングの考えで、
口を開けばすぐ「離婚!」でしょ。
なのに、全然別れないから。。。

結局、別れることが決まってからお互いのよさに気づくって、
ある意味想定内すぎる展開(笑)
昔読んだ経済誌に、
「人はモノを失うとき、手に入れたときの7倍の価値を感じる」
と書いてあったけど、
そういう心理もあるのかな。
自分が離婚したことないからわからんけど。

そもそもは極限状態で知り合った2人が恋に落ちて、
交際ゼロ日で結婚。
人間性のすり合わせができていないんだから、
そりゃ後から不満もいっぱい出てくる。

でも、話し合いを重ねて解決できる問題もあると思っていて、
そういうお互いの歩み寄りがないまま、
いきなり離婚だからね。
互いに譲らないわがままっぷり。
でも、時折見せるお互いの優しさにキュンって。
メンヘラかって。
まあ、最終回になって
ようやく歩み寄りを学んだっぽいけど(笑)

咲が元カレと別れた当てつけ婚っていうのは、
もっと前面に出してもよかった気がするなー。
あと、咲も紘一もそれぞれ言い寄ってくる人がいたから、
ワンチャンあって「しまった、寝てしまった!!」
っていう展開の方がラブコメとして笑えたかも。

あと、小説家の水無月先生(白洲迅)。
「あんたたち夫婦の本物の愛を信じていたのに離婚とかしてんじゃねーよ」
とかいきなりキレるからね。
おいおいどーしたって。
もっと女関係が派手で、
咲のことを口説きに口説きまくるぐらいのキャラだったら、
そのキレ方にも納得感あったけども。

てか、咲と紘一よりも、
それぞれの両親の離婚の方が
人間ドラマとしてよかったと思うんだよ。
特に、紘一の母親の薫(宮崎美子)が
離婚するという結論に至った背景の方がわかりみが深い。
彼女は、自分のアイデンティティを持つための離婚だったんだよね。
ずっと「父の妻」であり、
「子供の母」っていう記号でしかなかった人生から脱したかった。
父親の正(酒向芳)が古い考えの人だったから、
余計にそう感じたのかもしれない。

咲の母親の美土里(三石琴乃)が
武史(佐野史郎/平田満)に離婚をつきつけた真相もよかった。
武史の若い女の子との浮気もわかりやすいんだけど、
それはあまり問題ではなくて。
本当は美土里が病気で、
いつ死ぬかもわからない状態。
だから、家族に迷惑をかけず、
自分は綺麗なままそっと死にたかったと。

いずれも奥さんの方から別れを告げ、
最終的に夫が自分の気持ちを伝えるって形で収まってたね。
男の方がだいぶ立場弱いなと男目線で思ったりもしたけど、
元をたどれば「夫に愛想を尽かした妻」
って構図からのスタートだったから、
そりゃそうか。

この両親ぐらいかなー、
夫婦という関係性にこだわらなかったの。
いろんな夫婦の形を肯定する感じがしてよかった。

だから、咲と紘一よりも、
両親たちのエピソードにグッとくることが多かった。

TBSテレビ「金曜ドラマ『リコカツ』」

TBSテレビ 金曜ドラマ『リコカツ』の公式サイトです。毎週金曜よる10時放送。主演・北川景子、共演の永山瑛太、平岩紙、宮崎美子、酒向芳、三石...

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