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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

まさに"サークル・オブ・ライフ"だった『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』

2020年03月15日 21時31分06秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:10/49
驚き😳:★★★★☆
感動😭:★★★☆☆
自然🌲:★★★★★
動物🐕:★★★★★

『ライオン・キング』以上のサークル・オブ・ライフ。
『ドクター・ドリトル』以上の動物たちのバリュー。
人間社会じゃ到底なしえないダイバーシティ。
ドキュメンタリーゆえの驚きと感動。・゜・(ノД`)・゜・。

とにかく、自然界における人間のちっぽけさと、
動植物の力強さを目の当たりにする映画。

事の発端は、ジョンとモリーが殺処分直前の犬を保護したことに起因する。
その鳴き声が原因でアパートを追い出されてしまうのだけど、
料理家だったモリーの意向で、体にいい食べ物を作るために郊外へ移り住むことに。
しかし、そこは200エーカー(東京ドーム約17個分)もの荒れ果てた農地。
果たして、緑豊かな地へと蘇らせることができるのか。

とにかく苦難の連続。
農薬を使用しない伝統農法を目的として投資家を募り、
上記の土地を手に入れるのだけど、あまりの広さと荒れ加減にお手上げ状態。

農業に詳しい人や手伝ってくれる仲間を集めるところから始め、
井戸を直し、ため池を作り、土を耕し、植物を植え、様々な動物を放つという、
都会暮らしだった2人がイチから農事を作る過程は実に興味深い。

それは気の遠くなるような作業なのだけど、
予想外の出来事や人間の手に及ばないことが次々と起こる中で、
長い間伝統農法を提唱してきたアランの
「正しくやる時間はないけど、やり直す時間はいくらでもある」
という言葉を信じて、時間をかけての観察とトライアンドエラーの繰り返し。

そして、この映画の一番の見どころは、
農場で起こるトラブルを自然の力を使ってのみ解決していくところだ。

ある程度環境が整って来ると、野生の動物も交じり始めるのだけど、
一番厄介なのがコヨーテ。

やつらは飼っている鶏を何百羽と食い殺すのだが、
コヨーテを駆除しすぎてしまうと、
ホリネズミ(モグラみたいなやつ)も増えてしまい、
彼らが増えると木の根が食べられ、被覆植物が育たず、
その植物がないと雨が降ったときに
地面に水が吸収されづらくなるというデメリットがある。

なので、飼っている番犬を訓練して鶏たちを守り、
コヨーテのターゲットをホリモグラに移すことで、
結果として土地を守ることに繋げるという機転の効かせ方がすごいなと。

さらに、コヨーテだけでなく、フクロウやヘビも放つことで
空と陸両方からホリネズミを減らしていくのだけど、
ぎゃぃも逆に減りすぎると土の中に空気を送り込むことができなくなるので、
数のバランスが非常に難しい🤔

他にも、大量に発生して木の葉を食い散らかすカタツムリはアヒルに食べてもらい、
果物を食い散らかすムクドリは鷹に食べてもらい、
牛の糞に産み付けられるウジ虫は鶏に食べてもらい、
アブラムシはてんとう虫に食べてもらうという、
科学や化学の力での解決ではなく、
すべてを自然の力をもって解決していくところが圧巻だよね。

しかも、その動物たちが死ぬと、
この農場の土壌に生息する90億もの微生物が死骸を分解し、
また土に還すってんだから、
『ライオン・キング』でムファサが言ってたことまんまじゃん!って。
“サークル・オブ・ライフ”ここに極まれり!

今でこそ自然の循環が出来上がってはいるものの、
ここに到達するまでは全然その循環する未来が見えていなくて、
みんなお先真っ暗という感じだった。

それをね、日々の作業を根気よく続けていくことで、
あの荒れ果てた不毛の土地を、
多様な動植物が共存する緑豊かな土地へと変えていったのが、
あまりにも感慨深くて涙出たよ。

すぐ結果なんて出ないから、自然なんて。
長く観察して初めてわかることばかり。
何かとすぐに結果を求められる都会に住んでいる人は一度観てもいいかも。
この循環の中での人間の「生かされている」感は一見の価値あり。

映画『ビッグ・リトル・ファーム』オフィシャルサイト

映画『ビッグ・リトル・ファーム』オフィシャルサイト

 

仕事もプライベートもきっちり向き合ってた『トップナイフ ー天才外科医の条件ー』

2020年03月15日 00時53分50秒 | ドラマ
『トップナイフ』は"脳神経外科"に特化した医療ドラマ。

脚本が『医龍』や『コード・ブルー』などを手掛けた林宏司さんなので、
専門的でありながらも小難しい内容に終始することなく、
登場人物の人間ドラマもしっかり描かれていたのがすごくよかった。

このドラマの面白さは、人類未踏の地である脳を扱っていること、
そして、メインキャスト3人の濃さだと思う!

脳の障害が引き起こす症状というのは実に様々。
人の顔が認識できない、3分しか記憶が残らない、
麻痺した腕が他人に見えるなど、
他のドラマと違って特殊なものが多いんだよね。

骨折や癌といった聞き慣れているものと比べると、
「現実にこんなことが起こりうるのか」という驚きが大きい。
そういう意味では、不謹慎ではあるけれど、
これまでの医療ドラマと比べると新鮮に映るのは確か。

そして、その難解な治療にあたっていくのが
東都総合病院に集う3人の優秀な脳神経外科医たち。

脳動脈瘤のスペシャリストでありながら
以下2人をまとめる深山瑤子(天海祐希)。

最も模範的な脳外科医に与えられる
トップナイフ賞を日本人で初めて受賞した黒岩健吾(椎名桔平)。

外科もカテーテルもこなせる二刀流の西郡琢磨(永山絢斗)。

彼女ら3人が集まった理由は第9話でわかるんだけど、
これがまたいろいろ抱えててね〜。

深山先生は、トップナイフを目指すために家族を犠牲にし、
夫と娘と別れることに。

黒岩先生は、孤高の独身で女性関係が派手だけど、
ある日突然「あなたの子よ」と小学生の子供を押し付けられ、
関わり方にとまどうことに。

西郡先生は、女性心臓外科医の第一人者だった母親の影に怯えることに。

患者の治療を行いながら、
彼らがどうやって自らの抱える複雑な事情と向き合っていくのか
というのが毎週とても楽しみだったんよ。

最終回まで観て思ったのが、
結局優秀な医者と言えどもひとりの人間であるということ。
それぞれの葛藤や悩みとの向き合い方は、
普段の生活の中でも見習うべきところはあるように思える。

トップナイフを目指すことは誰にも譲れないという強い信念を持ち、
でも娘に対する愛は変わらないということを言葉と行動で証明した深山先生。

自分の子供ではなかったけど、
少年がいじめられていることから幼き日の自分と重ね合わせ、
人になめられない強さを身に付けることを伝えた黒岩先生。

自分には才能がないことを認め、
何者でもないことを受け入れることで、
母親の呪縛から解放された西郡先生。

10話という限られた話数の中で、
3人が目の前の現実から目を背けずに
しっかり正面からぶつかった(ぶつからざるを得なかった)姿勢は
共感できるところもあった。

こう見ると、全体的にシリアスな雰囲気のように思えるけど、
それをいい具合に崩してくれるのが新人の小机幸子(広瀬アリス)。

医学部を首席で卒業する頭のよさがありつつもどこか抜けており、
仕事での失敗やバーの店長との恋路など、
笑える要素があったのもこのドラマの魅力。
もちろん、彼女にも葛藤があり、それを乗り越えて行くんだけど。

あと、手術シーンがリアルだったのも見逃せないポイント。
脳だからさ、頭皮はがして、ドリルで頭蓋骨削るんだけど、
粉が舞ってしまうので、
それを抑えるために水を垂らしながら進めているところが臨場感ある。

あくまでも素人目だけど、人間模様から手術現場に至るまで
物語内のいろんな要素が作り込まれていて、
とても見ごたえのあるドラマだったんじゃないかな。

トップナイフ-天才脳外科医の条件-|日本テレビ

日本テレビ2020年1月期土曜ドラマ「トップナイフ-天才脳外科医の条件-」公式サイト。主演・天海祐希。患者を救うために天才医師たちは何を手放...

日本テレビ

 

今観てもこの未来感に興奮できる『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』

2020年03月13日 23時42分38秒 | 映画


「午前十時の映画祭10-FINAL」にて。
1989年のアメリカ映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』。

相変わらず圧倒的に面白すぎて、今まで観た映画1377本中4位。

これすごいのが、キャストは前作とほぼ同じで、
今度は未来に行くってだけなのに、とんでもなく興奮できるところ。

未来つっても2015年で、今となっては5年も昔のことなんだけどw
いまだに空飛ぶ車もホバーボードも自動靴紐もまったく一般化してないけど、
1989年の時点でそれらを見せてくれる未来感に対する憧れと、
練られたストーリーの面白さが凄まじい。

しかも、未来に行くだけじゃないからね。
ビフの企みで1985年の世界が変わり、並行世界が生まれてしまったから、
また1955年に戻って、まさに前作の裏側ですったもんだするっていう
過去と未来を行き来するのが楽しい!!
またもや泣くところないのに面白すぎて興奮して涙が出る。・゜・(ノД`)・゜・。

なお、キャストが前作と“ほぼ“同じというのは、
前作でジェニファー役を演じたクラウディア・ウェルズが
母親の病気を理由に降板したのでエリザベス・シューに変わっていたり、
マーティの父親を演じたクリスピン・グローヴァーも
出演を辞退したためにジェフリー・ウェイスマンになってるから。

また、当時6歳のイライジャ・ウッドも出てる。

そして、本当は続編を作る予定がなかったっていうエピソードが面白い。
前作がビデオ化されたとき、ラストシーンに「TO BE CONTINUED…」っていうテロップが入ってたらしいんだけど、
これは「マーティたちの人生の旅はこれからも続く」という意味も含めたジョークだったのに、
これを見た人たちによる続編希望の問い合わせが殺到したから、
急遽シリーズ化されたとのこと(笑)
結果、よかったと思うけどw

設定の秀逸さとコミカルなキャラが最高だった『ケイジとケンジ 所轄と地検の24時』

2020年03月12日 23時42分44秒 | ドラマ
これは個人的に推せるドラマだった。
設定がよかったのと、登場人物の掛け合いの圧倒的な面白さがその理由。

捜査上ではパートナーと言えども責任の重さが決定的に違う刑事と検事が、
お互いの社会的立場や個人的理由を交えながらやんやしていくっていうのを、
面白おかしく描いているのが魅力なんだよねー。

大体のドラマって刑事同士の凸凹コンビっていう設定が多いと思うのだけど、
これは職業が違う2人の組み合わせってのが新鮮だったといえる。

しかも、桐谷健太が演じた仲井戸豪太は元体育教師で新米刑事という
これまた珍しい設定で、その教師っていうのが
ちゃんとドラマで活きていたのがグッドポイント。

犯人が元教え子だったり、若い子だったりすると、
教師時代の知見を活かして犯人逮捕に繋げていたからね。

前やってた『SUITS/スーツ』のように、
鈴木大貴(中島裕翔)が"何でも記憶できる"という設定がありつつも、
そんなに使われていなかったことを踏まえたら、
人物の特技をしっかり取り入れてるなーって。

で、この仲井戸豪太にはね、仲井戸みなみ(比嘉愛未)っていう妹がいて、
彼女は事務官として検事の真島修平(東出昌大)をサポートしてるんだけど、
この真島がみなみに惚れちゃってるからまた話が面白くなるんだよね。

真島は仕事で散々「この刑事めんどくせーなー」って思ってたのに、
「え?!みなみさんのお兄さん?!」っていう、
まるで『SLAM DUNK』のゴリと晴子を見たときのような
リアクションするからおかしかった(笑)

しかも、そのみなみがまたいいキャラしてて!
最初は大人しめだったのが、
回を追うごとにだんだん真島の扱いが雑になっていくというか、
ツッコミが激しくなっていって、
こんな綺麗な顔してバリバリの関西弁で
ズバッと言っちゃうギャップがたまんねえなと。

メイン以外の登場人物もみんなコミカルなところがキュートに感じられて、
僕は何かと真島に敵対心を燃やす日下直樹(渋谷謙人)と、
『踊る大捜査線』の室井さんを彷彿とさせる柳葉敏郎が推しだったw
(なお、渋谷謙人は『知らなくていいコト』にも出てた)

刑事モノなので、基本は1話完結型なんだけど、
コメディ路線を保ちつつ、
捜査や取り調べなどの刑事ドラマの基本はしっかり抑えていて
バランスがいいドラマだったように思う。

これは続編を希望したい!


主人公の人生が忙しすぎな『知らなくていいコト』

2020年03月11日 23時55分29秒 | ドラマ
今期一発目の最終回。

週刊誌記者の真壁ケイト(吉高由里子)が、
殺人犯とされていた父親の真実を追及していく親子物語だったね。
最後まで観たからこそ、タイトルの重みがわかる。

このドラマは実にいろんな要素を含んでいたのが魅力的なところ。
日々の仕事と父親のことに加えて、、、
かつての恋人との不倫っていう男女の情愛も。
みんなリアルの不倫は叩くのに、
尾高由一郎(柄本佑)の沼にはハマるんだからねぇ、もう。

それにしても、普通に考えてケイトの人生は
かなりハードモードじゃなかろうか。
人に嫌がられることも多い記者の仕事だけでも
肉体的・精神的に激務だと思うのだけど、
父親が殺人犯(とされていた)という状況に加えて、
不倫まで付いてくるなんて、
なんかそういう星の下に生まれたよね絶対
っていう運命の持ち主。

しかし、だ。
僕だったら即効詰んでますわっていう状況の中で、
すべてにおいて逃げずに向き合っていくのが
真壁ケイトの見習うべきところだと感じた。

仕事においては、基本スタンスはひょうひょうとしていて、
流れるように「行ってきまーす」と
取材に赴くフットワークの軽さを持ちつつ、
対象となる事件や関係者には
徹底的にへばりつく姿はプロ意識の塊。
時に無茶もするけれど、
圧倒的な行動力の裏には取材対象となる人の気持ちを考え、
切り口を変える柔軟さも持ち合わせているので、
頭のいい人なんだなって思う。

父親にしたって、出所した後にまず会いに行き、
その後も尾高さん(なんか、さん付けしてしまうw)
の後押しがあったとはいえ、きちんと話そうとしてるからね。
自分の社会的立場を危うくするような父親、
普通だったらなかなか会えるもんじゃないけど、
彼女の行動力が成せる業だろうな。

そんな仕事と父親のことでだいぶ振り切った日々を過ごしている
ってのもあるんだろうか、
恋愛も理性うんぬんよりも心が命じたことに従ってるのかなと思った。

だから、妻子がいるとわかっていながらも、
溢れる想いを留めておけずに尾高さんを求めちゃう。
求めちゃう。
最終回ではすごい踏みとどまり方したけど、
あれはケイト自身が「親」という存在に並々ならぬ想いがあったからだろう。
彼女の人生があってこその選択だね。

そんな尾高さんもね、いけないことをしつつ、
実はすんごい気遣い屋だなーと思ってて、
第6話で「さりげなく両立なんてできない」なーんつって、
ケイトの気持ちを弄ぶようなことはしないところがナイスガイ。

最終回でちょっと暴走気味だったけど、
それだけケイトといっしょにいたかったというこの裏返し。
冷静を装ってはいるものの、
内に秘めた熱い想いがとろっとろに出てるから、
いつもケイトとキスするときは、
カメレオンが獲物を捕らえるかのようにシュバって抱き寄せる(笑)

そして、このドラマで重要な役割担ってるのが、
僕は岩谷進(佐々木蔵之介)編集長だと思うんだよねー。
ケイトが仕事に打ち込めるのは、彼の力が大きい。
どーんと構えて、「何かあったら何とかしてやる」というオーラ全開で、
やっぱ上司の存在って大きいよなー。

しかも、仕事だけじゃないんだよね。
ケイトと尾高さんのこともちゃっかり気にかけてるところが、
もう“イ ケ オ ジ“かと!

第8話で「尾高が"両立ができない"と言ったのは、
どっちつかずの方が不誠実だとアイツは思ってんだよ」
とかしれっと男心をケイトに伝えつつ、
「奥さんと子供に同情するなんておこがましい」
「ケイトらしくまっすぐ尾高を追い求めろ」
なんてお叱りまで。

いや、それ不倫の助長ですから!と思ったものの、
まあ彼も『黄昏流星群』でバリバリ不倫してたからね、
経験者かく語りきなのかなと(笑)
僕は仕事関連の人に身の上のことはあまり知られたくないけど、
あんな編集長みたいな人がいたら、
そりゃ「どこまでも付いて行きます!」と思うわ。

あと、推したいのが野中春樹(重岡大毅)!
ケイトの元恋人なんだけど、
こいつのクズっぷりとキモっぷりの怪演がすごくよかった!!
ジャニーズなのにこんな役やるんだと意外だったけど、
あの不気味さがまたクセになるわwww
途中までそんなに目立ってなかったのに、
終盤で一気にアクセルふかしてきたね~。

でも、僕はゆとり全開でいっつも怒られている
福西彰(渕野右登)のスタンスが一番共感できたw

ずーっと思ってたけど、
尾高さんみたいに、集中して何かできるスタジオいいな。

日本テレビ2020年1月期水曜ドラマ『知らなくていいコト』公式サイト

「信じられないスクープは、私自身のことでした」社会の真実を暴いてきた週刊誌記者が自分の真実を知ってしまった時、果たして彼女は―!?主演「吉高...

日本テレビ

 

今の平和があるのは誰のおかげか考えたい『Fukushima 50』

2020年03月08日 15時27分25秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:10/47
⠀ ⠀ ⠀ 感動😭:★★★★☆
⠀ ⠀ 悲しみ😢:★★★☆☆
歴史的意義🧐:★★★★★★★★★★

これは日本人として観ておかなければならない映画だと思う。

2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震が起きたとき、
福島第一原子力発電所にいた人たちに何が起こって、どう行動していたのか。

命を懸けて福島を、日本を守ろうとした現場の人たちの責任感と勇気の強さや、
指示を出すだけの政府や電力会社本店の人たちとの軋轢など、
当時起こっていたことを知ることができる貴重な内容。

自分が住む同じ日本で実際にあったことかつ、
記憶に新しい内容だから、
他の実話ベースの映画と比べると、とても身近に思える。

しかも、描かれているのは原発の直接的な対応だけではない。
水が出ないことによるトイレ問題や、
避難民たちの様子についても触れられているので、
当時の生活感を窺い知ることもできる。

また、始終ずっと張り詰めた空気でもなく、
わずかながら場がほっこりするようなシーンもあったので、
そこがまたリアルだなーと感じるところ。
人間常に同じ感情でいられるわけではないから。

僕も当時のことはニュースで報道されていることぐらいしか知らなかったのだけれど、
この映画を観ると、彼ら現場の人たちのおかげで、
いま平和に暮らすことができているんだということを痛感する。

数多くのベテラン俳優が勢ぞろいし、セットも忠実に再現され、
邦画史上初めて在日米軍が撮影に協力するという重厚な仕上がりで、
ハリウッド映画のような雰囲気があった。

まだ9年、もう9年、感じ方は人それぞれだと思うけど、
第二次世界大戦以降最悪の自然災害として後世に語り継ぐために、
これは観ておくべき作品だろう。

【3/9追記】

本作はいろいろ事実と異なる部分があり、物議を醸しているようだけれども、
実際体を張って作業に当たった人たちがいたのは確かなことで、
それがわかるだけでもよいのではと個人的には思う。
あくまでも、「事実を元にしたお話」なので、フィクションではあるのだから。
少なくとも「映画としては」面白かった。

ただ、記憶に新しい分、事実とは違う描かれ方をしていることに
異を唱える人が多くいるのもわかるので、
ここはもう各々の感じ方を大事にした方がよいかなと。
とはいえ、この映画の内容がそっくりそのまま現実にあったわけではない
という認識は持っていてもいいかもね。

映画「Fukushima 50」公式サイト|大ヒット上映中!

映画だから語れる真実。2011年3月11日午後2時46分。あの時、福島第一原発に残った名もなき作業員たちは、Fukushima 50と呼ばれ...

映画「Fukushima 50」公式サイト

 

母親とハリウッドに殺された女優『ジュディ 虹の彼方に』

2020年03月07日 21時45分51秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:23/46
⠀ 感動😭:★★★☆☆
悲しみ😢:★★★☆☆
⠀ ⠀ 歌🎤:★★★★★

Somewhere over the rainbow way up high.
There’s a land that I heard of once in a lullaby.

伝説のミュージカル女優であるジュディ・ガーランドの晩年を描いた伝記映画。

ラストで号泣。
なんだけど、そのラストシーンのためだけにすべてがあるような構成で、
世間的な評価はものすごく高いものの、
個人的にはちょっと期待しすぎた感は否めない。

とはいえ、歌しかない彼女が、愛する子供たちとも引き離され、
歌を唄うこともままならない状況に陥りながらも、
必死に舞台に立ち続けようとする姿が胸に響くし、
レネー・ゼルウィガーの歌声に魂を揺さぶられる。

本作の歌は吹き替えなしですべて彼女本人が歌っており、
歌手が本業じゃないにも関わらずあの歌唱力なので、
それだけでも観る価値はあるだろう。

また、この映画は女性や母親の方が感動しやすいかもしれない。
子供たちとのやり取り、僕は特別何も感じなかったけれど、
他のお客さんで泣いている人がけっこういたので。
(決して僕の心が冷たいわけではありません。
 単にそのシーンの共感度が低かっただけですw)

僕にとってこの映画が「ちょっと期待しすぎてしまった」
と言うのには2つの理由がある。

ひとつは、予告のせい。
『ボヘミアン・ラプソディ』や『ロケットマン』と並べているテロップがあったのだけれど、
その2つとは性質が異なるので、想定していたものと少し違った印象を受けた。

もうひとつは、ジュディ・ガーランドについて予備知識を持ちすぎてしまったこと。
波乱万丈な彼女の人生をある程度知っているがゆえに、
この映画に物足りなさを感じてしまった気もする。

ジュディ・ガーランドはまさに“母親とハリウッドに殺された女優”
と言っても過言ではないような人なのだ。

そもそも、彼女の名前を聞いてパッとわかる人は、
映画好きじゃなければほとんどいないだろう。

1939年『オズの魔法使』のドロシー役で人気を博し、
以降も1954年『スタア誕生』などで抜群の歌声を披露して人々を魅了した女優。
(なお、『スタア誕生』は2018年にレディー・ガガが出たやつの大元の作品をリメイクしたもの)

しかし、若い頃から薬物に悩まされ、47歳で人生を終えるまで、それは治らなかった。
あの純粋で優しいドロシーも裏ではあんなことになっていたと思うと心が痛い。

映画では描かれないけれど、
ジュディがそうなってしまったのには
母親であるエセル・ミルンの影響が大きかったらしい。

母親は貧しい幼少期を過ごしたためか、
とにかくお金に対して執着があった様子。
自身もピアノで生計を立てていた流れで、
歌手のフランク・ガムと結婚(しかし彼はゲイ)。

ジュディが生まれた後は、
彼女が2歳の頃から2人の姉といっしょに舞台に立たせ、
稼がせるために仕事をさせまくった。

ジュディはハリウッドの汚い大人たちに翻弄され、
思春期ゆえのふくよかさでさえも「デブ」と罵られ、
痩せるために13歳からアンフェタミンを服用。
(ここは映画にもあるけど、食べたいものを食べることができず、
 何かと「元気が出る薬」を飲まされていた)

母親はそんな彼女を守ろうとはせず、
むしろショービズ界で成功するには必要なことだと捉えていたようだ。

そこからジュディは薬漬けの人生となり、
自殺未遂を起こしたり、
複数の結婚や離婚を繰り返したりと、
私生活はボロボロになっていった。

さらに、ジュディの娘であるライザ・ミネリもまた、
アルコールと薬物に悩まされたそう。

もし母親がジュディを守っていたら、
もしハリウッドにジュディを思いやる人がずっといてくれたら
(実際にはいたそうだが、引き離されてしまったらしい)、
彼女はもっと楽しく女優業をこなし、もっと長く生きていたかもしれない。

映画『ジュディ 虹の彼方に』公式サイト

47歳で散った伝説のミュージカル女優ジュディ・ガーランド 『オズの魔法使』で始まった波乱の人生。ラスト7分――魂の「オーバー・ザ・レインボー...

映画『ジュディ 虹の彼方に』公式サイト

 

タイムトラベル系映画の金字塔『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

2020年03月07日 21時40分11秒 | 映画


「午前十時の映画祭10-FINAL」にて。
1985年のアメリカ映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。
映画館で観るなら今しかない!
この3部作を1週間ずつ上映して、10年続いた「午前十時の映画祭」も終わっちゃうからね!!

いやー、まいった。。。
圧倒的に面白すぎる。。。
今まで観た映画1374本中3位。

。・゜・(ノД`)・゜・。
。・゜・(ノД`)・゜・。
。・゜・(ノД`)・゜・。

泣くところないのに面白すぎて興奮して涙が出ちゃう映画、
唯一このシリーズだけなんだよね。・゜・(ノД`)・゜・。
テーマ曲聴いただけで涙が出てくる。

キング・オブ・タイムトラベル。
夢がある。
というより、夢しかない。

設定もストーリー展開も完璧。
過去に行って未来に戻るために四苦八苦する中で、
若い頃の母親に惚れられ、
それでも何とか父親とくっつけなければならないという
自分の存在を懸けたミッションを背負いつつ、
ビフという悪役とも一悶着あるっていう、
スリルと興奮と笑いを兼ね備えた究極形。

キャラクター設定とその見せ方も秀逸で、
若い頃の父親とマーティの似ているところや、母親のギャップも、
冒頭の短い現代パートで2人のキャラを
きちんと印象づけたからこそ映える設定だと思う。

何回観てもセリフのひとつひとつがウィットに富んでて笑えるし、
最後の未来に戻るところは度重なるトラブルで
「いける、、、?本当にいける、、、?」って、
オチを知っててもハラハラする!

これを作った当時のメインキャストはまだ20代だし、
監督のロバート・ゼメキスや製作総指揮のスティーヴン・スピルバーグも30代なのだから、
若手でここまで作れることに尊敬の念しかない。

もうみんないい歳になってるけど、
マイケル・J・フォックスはレジェンド俳優の中で
唯一僕とほぼ同じ身長なので親近感わく(笑)

父親のジョージ・マクフライを演じたクリスピン・グローヴァーもね、
2000年の『チャーリーズ・エンジェル』で、
エンジェルたちを追い詰めた
“痩せ男”だと知ったのはつい最近のことだけども。

そういえば、最近、このときのマイケル・J・フォックスとクリストファー・ロイドの顔が、
トム・ホランドとロバート・ダウニー・Jrになった動画が話題になったけれど、
確かに2人とも違和感ない(笑)

トムホは声の感じも似ているし、
実際にリメイクの打診もあったようだけれど、
まあこれはオリジナルが完璧すぎて、
リメイクはやらなくてもいいと思う(笑)

とはいえ、トムホぐらいじゃないと、
このときのマイケル・J・フォックス感出せる人いないと思うけどw

世界は2つの点でこの映画に勝てない『プレーム兄貴、王になる』

2020年03月02日 23時38分10秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:9/45
感動😭:★★★★☆
笑い😂:★★★★☆
陽気🥳:★★★★★

バジュランギおじさああああん!!。・゜・(ノД`)・゜・。
もうね、インド映画最高かと。
ジャンプ漫画の主人公のような素直さを持つおっさんが、
圧倒的な情熱と陽気さで、ひとつの家族を救済する究極のファミリー映画でした。

主人公は貧乏役者のプレーム(サルマン・カーン)。
彼は、暗殺事件に巻き込まれ意識不明となった
ヴィジャイ王子(サルマン・カーン:二役)と瓜二つのため、
王位継承式までの間、王子の替え玉として過ごすことに!

しかし、元々の王子の頑固な性格が災いして、
婚約者のマイティリー王女(ソーナム・カプール)や兄弟とも仲が悪いため、
それを持ち前の人柄のよさで関係を修復していくという話です。

「これぞインド映画!」というぐらい陽気な歌と踊り、登場人物の滑稽さ、
男女愛、家族愛などが綺麗に詰め込まれていて、
笑いに涙にとバランスが取れてるところがとてもよかった。

特に、主人公プレームの圧倒的な人のよさが凄まじくて、
あんなに仲が悪かった婚約者や兄弟に何度冷たくされても、
諦めずに話しかけ、信頼関係を構築していくからね。
ある意味、営業の鏡(笑)

まあ、本人は王子の替え玉だから、
最悪責任取らなくていい分、
好き勝手できたってのはあるんだろうけど(笑)

お偉いさん方が集まる式典で、サッカー部の妹の気を引くためだけに、
「堅苦しい挨拶はなしにしてサッカーしようぜ!」と言ったところは、
こいつ完全にジャンプだわと思った。

あと、この映画を観て、世界は絶対勝てない要素が2つあるかなーと感じた。

ひとつは圧倒的な陽気さ。
あの歌と踊りのハッピー感は本当に常軌を逸していて、
呼吸するように歌って踊る彼らにはどんなミュージカルも追いつかない。

もうひとつは(完全に主観だけど)ソーナム・カプールの美しさ。
この女優さん、明日世界が終わってもいいやって思えるぐらい綺麗すぎる。
綺麗という言葉しか出ないことが申し訳ないぐらい綺麗。
思わず血吐いちゃう。

しかも、今回の映画ではキュートさも追加されちゃって、
僕は日本人ではデビュー当時の中山美穂が一番かわいいと思っているんだけど、
それを100としたらソーナム・カプールは66兆2000億ぐらい綺麗でした。

インド映画って他の映画と比べると尺が長くて(今作も164分)、
ちょっと体力いるし、中には間延びするようなやつもあるんだけど、
総じて尺の長さを感じさせないぐらいの魅力
(主にキャラクターの滑稽さと歌と踊りの陽気さ)があるから、
ぜひいろんな人にもっと観て欲しい。

ちなみに、この映画は2015年の映画で、
新宿ピカデリーでやるインド映画はちょっと前のものが多いです。

映画「プレーム兄貴、王になる」

これぞインド映画!「バジュランギおじさんと、小さな迷子」のサルマン・カーンが贈る、歌って、踊って、気分スッキリのハートフル・マサラムービー!

映画「プレーム兄貴、王になる」

 

遺族に疎まれ、警察に睨まれても、戦う覚悟があなたにありますか『黒い司法 0%からの奇跡』

2020年03月01日 20時47分33秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:28/44
⠀ ⠀ ⠀⠀感動😭:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀⠀怒り😡:★★★☆☆
社会的意義🧐:★★★★☆

「ワカンダフォーエバー!!」と、ちょっと言いたくなるキャスト陣(笑)
『ブラックパンサー』で敵役のエリック・キルモンガーを演じたマイケル・B・ジョーダンに、
『キャプテン・マーベル』のブリー・ラーソンだからね。
マーベル好きはそこにまず反応するだろう。

話としては、実話ベースの冤罪事件を扱った映画です。
とある白人女性が殺され、黒人であるというだけで容疑者とされた
ウォルター・マクミリアン(ジェイミー・フォックス)を、
ブライアン・スティーブンソン(マイケル・B・ジョーダン)が弁護するというもの。

舞台は1988年のアラバマ州。
作中では「『アラバマ物語』の舞台となった街だよー」と言っていたけど、
奇しくもその映画(公開は1962年)も白人女性への暴行容疑が
黒人青年にかかるというものなんだよね。

現在のアラバマ州がどうなっているかはわからないけれど、
1988年時点ではまだ黒人への差別が色濃く残っていて、
捕まったウォルターは大した捜査も行われず、法的支援もないまま死刑囚とされ、
執行日をひたすら待つというとんでもない状況なのが腹立たしくとても悲しかった。。。

ブライアン自身も黒人だから、様々な嫌がらせを受けるのだけど、
それに屈せず地道な交渉と証拠集めを繰り返していく姿が輝かしい。

しかし、この歳になると使命感だけでそこまで動ける人は本当に尊いと思う。
すでに死刑判決が出ている人を無罪にするとなると、
それ相応の証拠が必要だし、被害者遺族からは疎まれるし、警察からも睨まれる。
はっきり言って無理ゲーだ。
いくらハーバードを出ているとは言え、
新人でそこまでやるというのは、とても真似できるものではない。。。

最後に彼は言う。
「理想を掲げるだけではダメだ。強い信念も必要だ」と。
彼は10代のときに白黒テレビを巡って祖父が殺されたが、
誰からも支援はなく、白人社会においては気にも留めないことだと気づいたそうだけど、
そういった背景が彼の信念の強さや持続力に繋がっているのだろう。
やはり、衝撃的な経験がないと、人は大きなことを成し遂げられないのだろうか。

今作は、人種差別の壁を乗り越え、冤罪を晴らすというシンプルな流れかつ、
あっさりしたところもあるから、やや物足りなく感じる人もいるかもしれないけど、
実話ベースというのが大変意義深いと感じるのです。

ブライアンが立ち上げたEJIという団体は、
法的支援も受けられないまま有罪や死刑判決となってしまった
貧困層の人たちの手助けをしているとのこと。

作中で死刑が決まっていたレイという実在の人物は、
30年経って無罪が認められて外に出ることができたようで、
実際の映像が流れたときは目頭が熱くなった。

アメリカでは冤罪の死刑囚もけっこういるようで、
そういった人たちの人生を考えると心が痛いです。

映画『黒い司法 0%からの奇跡』公式サイト 大ヒット上映中

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