野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

キタキチョウ

2018-10-16 | フィールドガイド-昆虫編--

ミネラルを補給するキタキチョウ

チョウは花ばかりではなく土からミネラルも補給します。

古い図鑑には「キチョウ」、いまは「キタキチョウ」と呼ばれています。

2005年、キチョウには2つのタイプがあり、本州から南西諸島まで分布するタイプと、南西諸島にのみ分布するタイプに分けられました。

南西諸島にのみ分布する種を「キチョウ(ミナミキチョウ)」、本州~南西諸島に分布する種には「キタキチョウ」となったのです。

土手の草地でよくみられ、春から夏にかけても見られるが、特に秋はみつけやすい。


2018年猪名川で見られる帰化アサガオ

2018-10-16 | フィールドガイド--植物編--

猪名川で見られる帰化アサガオ
2018年10月14日 猪名川の観察会でみつけたもの
アサガオは夏の風物詩であったものが、10月秋になってもたくさん見られるようになった。


ホシアサガオ
1年草。熱帯アメリカ原産。北アメリカ、オーストラリア、東南アジアなどに広く帰化している。
葉は卵円形から心臓形。花は、直径1.5cmほどで星型、ロート形の淡紅色の花をつける。
第二次世界大戦後に帰化した。花期は夏〜秋。


マメアサガオ
1年草。北アメリカ原産。関東地方以西で道ばたなどにやや普通に見られる。
花は直径1.5cmほどの淡紫色から白色をしている。花期は夏〜秋。

マルバルコウ(丸葉縷紅)
1年草。熱帯アメリカ原産。中部地方以西に帰化している。
葉は卵形で先はとがり、基部は心形。
花は直径1.5〜2cmほどで朱赤色で中心部は黄色。上から見ると5角形をしている。花期は8〜10月。

アメリカアサガオ
1年草熱帯アメリカ原産。江戸時代の末期に観賞用に日本に入ってきたが、広まったのは第二次世界大戦後。
葉は心臓形。葉が3〜5裂するものはアメリカアサガオで、しないのは、マルバアメリカアサガオ。
花は、直径3cmほどの紫色から紅色のロート形。
花期は夏〜秋。


2004年 福地渓谷

2018-10-15 | 野生生物を調査研究する会歴史

毎年11月には秋の紅葉を訪ねていろいろな場所へ

2004年が最初だったと思います。

兵庫県立森林林業センター→福地渓谷→家原(えばら)遺跡公園のコースでの観察会でした。

2004年11月14日 福知渓谷に秋をたずねて

兵庫県立森林林業センターで兵庫県の森林・林業のお話を伺う。手前の顕微鏡では松を枯らす「マツノザイセンチュウ」を見せていただきました。「マツノザイセンチュウ」は「マツノマダラカミキリ」の体の中に入り、松を移動して枯らしていくそうです。

 森林林業センターの前で見つけた秋。のどかな秋の風景とともに、、台風の被害によって大きな杉の木が何本もなぎ倒されているのを目にし、、自然の凄さにも触れることができました。

 

福知渓谷の紅葉。燃えるような赤が見事ですね。 

福知渓谷にはこのように大きな岩がごろごろしています。水量も豊富で流れ落ちる水が紅葉とともにすばらしい眺めを見せてくれます。

 家原(えばら)遺跡公園の竪穴住居。

この遺跡公園には縄文時代から中世にかけての住居跡があり、各時代の住居が復元されています。

 

竪穴式住居の中。正面にかまどが見えます。
入り口は腰をかがめないと入れませんが、中は広くて天井も高く、意外と居心地がよさそうでした。

(ナチュラリストクラブHPより)

エコツアーを兼ねての観察会でした

 


トノサマバッタ

2018-10-14 | フィールドガイド-昆虫編--

トノサマバッタ
トノサマバッタは、ススキやエノコログサ、ムギの葉を食べる。
また、大発生して農作物に甚大な被害を与える飛蝗(ひこう)をおこなうことでも有名です。
そんなトノサマバッタの話をニュースで知ることがある。
大被害はアフリカ大陸で、大移動して瞬く間に農作物を食いつぶし大変なことがおこっているトノサマバッタのニュースを聞いたことがある。
それで、日本ではと調べてみると日本ではそんなことをみたことないが、大量発生が起こる可能性がある昆虫だそうだ。

大阪府立環農水研報 2:1~8(2015)「トノサマバッタの生態と防除」(田中 寛)によると、
台風であの被害のあった関西国際空港で
「 1995年5月下旬に当初予想した南東側エリアでなく,北西側エリアの建築物の間の草原でトノサマバッタ幼虫が大発生した.総個体数は北西側エリア1,246万個体,南東側エリア92万個体,計1,338万個体であり」駆除をおこなったとかいてある。
「2007年にも二期島でトノサマバッタが大発生し,危機管理として空港での飛行機事故を防止するために,調査と防除の基本戦略を設定した上で防除を行った」
とある。
日本でもひょっとすると飛蝗(ひこう)があるかもしれない昆虫なのだ。


10年の歩み-1999~2009-櫻守の会

2018-10-13 | 資料を読む

資料を読む 10年の歩み-1999~2009-櫻守の会

櫻守の会の10年史をいただいた。
里山活動では先駆的な活動されている。宝塚市を中心に数か所の里山での活動を続けておられる

「武田尾桜の園「亦楽山荘(えきらくさんそう)」は、笹部新太郎氏の没後、一時有志の方々が手入れされていたが、長らく放置され荒れ放題の状態であった。
 その後、ご遺族からのご寄付と宝塚市の購入によって市有林となり、'99年3月「桜の園」での兵庫県里山林整備事業完了により、'99年4月17日宝塚市の里山公園としてオープンした。
このオープン行事に合わせ、'98、'99年の3月に行われた市民による山桜の植樹会参加者を中心に、「桜の園」を愛し、自然に親しみながら里山整備作業・管理活動し、会員の親睦・健康維持を目的とし、市内の「緑の応援団」
のボランティアグループとして「櫻守の会」を設立した。」
と会の創設の経緯を話しておられる。

設立の経過と現在の参加者の感想があと述べられている。

現在、武田尾から武庫川沿いに旧鉄道路線がハイキング道になり、より一層貴重な里山の場所となっている。

 


大和川 いきものウォチングVol .5 しょうどうぶつ

2018-10-13 | 資料を読む

今回で「いきものウォチング」最後

ポイントでの観察の良い資料に 5冊は簡単な小冊子になります。詳しくまとめたものだと「生きている大和川」がおすすめ(ちょっと宣伝)

大和川 いきものウォチングVol .5 しょうどうぶつ
大和川の小動物たちの紹介。平成9年と10年の春から夏までの調査報告
18種類を確認(平成9年度大和111河川水辺の国勢調査(小動物)業務報告書)

大正橋
トノサマガエル、ウシガエル、クサガメ、ミシシッピアカミミガメ、イシガメ、シマヘビ、コウベモグラ、アカネズミ、イタチ など

石川合流点
ヌマガエル、ウシガエル、クサガメ、ミシシアカミミガメ、イシガメ、カナヘビ、コウベモグラ、アブラコウモリ、アカネズミ、カヤネズミ、テン、イタチなど

亀の瀬橋
アマガエル、ヌマガエル、クサガメ、ミシシッピアカミミガメ、カナヘビ、シマヘビ、テン、イタチ など

初瀬川合流点
ヌマガエル、ウシガエル、クサガメ、ミシシッピアカミミガメ、コウベモグラ、ノウサギ、アカネズミ、ハツカネズミ、イタチなど

寿橋
アマガエル、ヌマガエル、ウシガエル、クサガメ、ミシシッピアカミミガメ、カナヘビ、コウベモグラ、アブラオウモリ、キツネ、イタチなど
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その後、小動物類(両生類・爬虫類・哺乳類)28種(平成27年までの河川水辺の国勢調査)、
河川敷の水たまりなどを好むヌマガエル、
水深がある止水域を好むウシガエル、
浅い池沼やゆるやかな川にすむクサガメ、
川近くの湿地にすむ外来種のミシシッピーアカミミガメ。
堤・草原・やぶなどにすむカナヘビ、
人家の近い水辺に多くみられるアブラコウモリ、
草地にすむコウベモグラ・アカネズミ、
高茎の草地にすむカヤネズミ、
水辺を好むイタチ。
それぞれの環境に適した生き物がみられます。種類が増えたのは生きていく環境の多様性によるものです。


2011年 湖北水鳥センターでの野鳥観察

2018-10-12 | 野生生物を調査研究する会歴史

年に1度は遠くのフィールドでの観察会を計画しています

●2011年11月20日(日) 「水辺の野鳥観察」
今月はミニバスで湖北野鳥センターに野鳥の観察に行きました。
長浜市湖北町の琵琶湖岸は1988年に今月はミニバスで湖北野鳥センターに野鳥の観察に行きました。
長浜市湖北町の琵琶湖岸は1988年に「湖北水鳥センター」として整備され「湖北水鳥センター」が併設されました。
1993年に琵琶湖がラムサール条約に登録され、1997年には環境省により「琵琶湖水鳥・湿地センター」が開設されました。
ここはコハクチョウや天然記念物のオオヒシクイの越冬地となっています。


7:30阪急宝塚駅集合、一路湖北へ。琵琶湖といっても長浜市は東側にあり、結構時間がかかります。到着予定は11時。途中菩提寺パーキングエリアで休憩。タヌキがお出迎え、早速なりきる人が。ここのパーキングエリアは最近改装されたのか、トイレがとてもきれいです!


渋滞もなく予定通り到着。まずは湖の東側の池周辺と田んぼを散策。この田んぼは水を引き込んであり、実験的にビオトープが作られています。さらに奥の田んぼはコハクチョウのエサ場となっています。池にはマガモ、コガモ、オナガガモなどがたくさんいました。


池の向こう側にたくさんのコハクチョウが見えます。田んぼにエサをまいてエサ場にしているそうです。早速行ってみましょう!


この日は雨が降ったりやんだり日が射したりで何度も虹が見えました。なんと二重の虹も!移動するメンバーの上にも虹がかかっているのが見えますか


いました、いました。たくさんのコハクチョウがエサをついばんでいます。器用に片足で立っている鳥もいました。後ろの方に足を伸ばしているんですがバランスを上手にとって結構長い間このままでの恰好で立っていました。


左の写真、後ろにいる顔がグレーの鳥が幼鳥。くちばしもまだ黄色い部分がありません。体にもグレーの色が残っています。みにくいアヒルの子のお話が思い出されますね。


マガンが一緒にエサを食べていました。右が成鳥で顔の部分が白く胸に黒班があります。左は幼鳥でまだ特徴が現れていません。マガンが飛ぶ時はI字型やV字型のきれいな編隊を組んで飛びます。


水鳥センターに到着。マルチビジョンに映し出される水鳥の自動撮影カメラで観察。下の写真はヒシの実。オオヒシクイはこんな硬くて大きい実を砕いて飲み込みます。大きい実を飲み込んで喉がプックリ膨らんでいる面白い映像も見せてい頂きました。


水鳥センターにはフィールドスコープが20台備え付けられています。これで見ると対岸の鳥が間近にいるようにはっきりと見えます。右の写真の木が生えている辺りが鳥のねぐらです。


フィールドスコープにコンパクトデジカメを押し当てて撮影してみました。遠くにある木がこんなにはっきりと見えます。白い鳥はコハクチョウで多分体調が悪いのでエサ場に行かなかったのでしょう、と言うことでした。コハクチョウは仲間意識が強く一羽が残ると必ず連れも残るそうです。はっきり見えませんが、2羽寄り添っています。


レクチャールームを借りて昼食を食べた後は各自で近くを散策。近くの川にオオバンがいました。とても用心深くて人が近寄ってくる気配がするとすっとヨシの中に隠れてしまい、なかなか写真がとれませんでした。やっと出てきたところをパチリ。


さらにここには天然記念物のオオワシが毎年訪れています。普通は北海道で越冬するのですがなぜか彼女は琵琶湖が気に入って毎年やってくるそうです。ただしかなりの高齢(?)とかで毎年その時期になると「今年は来るかな?」と空を見上げる日が続くそうです。今年はまだ来ていないとのことで残念。写真は実物大の模型です。羽根を広げると2.4mあります。


たくさんの水鳥を観察して2時半過ぎに帰路に。車内で手作りのガマズミ酒をいただきました。とってもきれいな色です。ガマズミの赤がそのまま出てますね!今回は焼酎ではなくいいちこに漬けこんだとのこと、そのせいか色が出るのが早かったそうです。ごちそうさまでした!として整備され「湖北水鳥センター」が併設されました。1993年に琵琶湖がラムサール条約に登録され、1997年には環境省により「琵琶湖水鳥・湿地センター」が開設されました。ここはコハクチョウや天然記念物のオオヒシクイの越冬地となっています。

2011年度ナチュラリストクラブhpより

 


2006年--奈良公園の自然-春日原生林を訪ねて--

2018-10-11 | 野生生物を調査研究する会歴史

最近、外国人が多くなった奈良公園
2006年の観察の時は秋の行楽でも、人が多くて困ることもなかったように思う。昔日の感がある。
生きてる大和川をもとに観察会を行った。
ナチュラリストクラブのホーム

2006年 10月15日(日) 奈良公園の自然-春日原生林を訪ねて--


今回は奈良の春日原生林を訪ねました。快晴に恵まれ、奈良の自然を楽しむことができました。
10時に近鉄奈良駅に集合。今回の参加者は20名。
野生生物を調査研究する会で調査を行ない本にまとめた「生きている大和川」の紹介をしていただき、大和川付け替え工事の資料をいただく。

興福寺境内を通り飛火野へ向かう。興福寺は中金堂を興福寺創建1300年に当たる平成22年完成を目標に再建中。

奈良公園には野生のシカが約1200頭。公園内の芝生は格好のえさで、鹿に食べられいつも刈り取ったように整然としている。
 指差しているのはイワヒメワラビ。奈良公園の植物はシカとの共存。毒があるため鹿に食べられずに残っている植物が多く見られる。
 また後ろにある木の下枝も一定の高さまで鹿に食べられ見通しがよい。(ディアラインというそうです)

15日はちょうどシカの角切の最終日。園内には角を切られたシカが何頭もいた。シカの角は毎年生え変わり角の形で年齢がわかる。
 写真は泥浴び(ヌタうち)をしている角を切られたオスジカの写真がとれました。


ナギの木。やはりシカが好まないのでそのままの樹形を保っている。
 春日大社の神事にはサカキの代わりにこのナギが使われることが多い。


春日大社には釣燈籠、石燈籠合わせて約3000基があり、節分とお盆にはずべての燈籠に火がともされる「万燈籠」の行事があり、とても幻想的。
 ここで昼食を取る。

昼食後、春日原生林で植物の解説をしていただきながら妙見宮まで歩く。春日原生林は現在世界遺産に登録されている。春日山原生林には、1,100年以上も人の手が入っていないそうです。


イチイガシの大木。1100年以上も手を加えられていない原生林にはスギやイチイガシの巨木がたくさんある。 その他、ナギ・ヤマモモ・シイノキ・アラカシ・ツクバネガシ・イチイガシ・カゴノキ・アオガシ・イスノキ・サカキ・クロバイなどがみられる。


 (ナチュラリストクラブのHPより)


大和川いきものウォッチングvol.4  しょくぶつ

2018-10-11 | 資料を読む

資料を読む**
大和川いきものウォッチングvol.4
 しょくぶつ(大和川クリーンキャンペーン)大和川工事事務所河川環境課発行

平成8年の13か所で調べたさ植物の調査報告をこどもむけにまとめたもの
367種類の植物が見つかった。

1、明治橋
スギナ、カラムシ、オオイヌタデ、ミゾソバ、イタドリ、セイヨウカラシナ、アレチヌスビトハギ、ヤハズソウ、
クズ、ナヨクサフジ、ヤブガラシ、セリ、ヘクソカズラ、セイヨウタンポポ、ツユクサ、ススキ、ウキクサ など

2.河内橋
カナムグラ、イヌタデ、スイバ、ミドリハコベ、マメグンバイナズナ、クズ、アメリカツノクサネム、オッタチカタバミ、セリ、ヒルガオ、ハッカ、ヘラオオバコ、オオブタクサ、ヒメムカシヨモギ、セイヨウ
タンポポ、ニラ、ヒガンバナ、ケイヌビエ、ネザサなど

3 国豊橋
イタドリ、ギシギシ、シロァカザ、セイヨウカラシナ、ヘビイチゴ、ノイバラ、クズ、アメリカキンミズヒキ、マメアサガオ、ホトケノザ、
ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、アレチウリ、アレチノギク、セイタカアワダチソウ、メヒシバ、セイバンモロコシ など

4.亀の瀬
カニクサ、ネコヤナギ、ママコノシリヌグイ、イタドリ、ギシギシ、シロアカザ、アケビ、ヨウシュヤマゴボウ、ノイバラ、クサイチゴ、ヌスビトハギ、ヤブガラシ、カタバミ、ノブドウ、チドメグサ、メハジキ、クコ、ハルジオン、オニノゲシ、カンサイタンポポ、オオオナモミ、ヤマノイモ、
メヒシバ、アキノエノコログサ など

5.御幸大橋
カナムグラ、イシミカワ、イタドリ、スベリヒユ、ウシハコベ、シロアカザ、センニンソウ
ツルマンネングサ、ノイバラ、クサネム、クズ、シロツメクサ、ヒルガオ、カラスウリ、ノザサミ、ヨメナ、セイヨウタンポポ
オノドコロ、ススキ、ヨシ、セイバンモロコシなど

6.井筒橋
カナムグラ、カラムシ、イタドリ、ドクダミ、ツルマンネングサ、ノイバラ、ワレモコウ、
ツルマメ、クズ、シロツメクサ、ムラサキツメクサ、ヒシ、ガガイモ、ヒルガオ、ホシアサガオ、オオバコ
ノアザミ、ノビル、オギ、ススキ、アオウキクサ、ウキクサなど


猪名川野鳥

2018-10-10 | フィールドガイド--野鳥--

ジョウビタキ(ツグミ科)
全長は、約14cmで、地上では、両足をそろえて、はねるように歩きます。昆虫や木の実を食べます。翼には白斑があり、下面及び腰、尾は赤褐色で、全休に赤っぽさが目立ちます。雑木林や里山など、明るく開けた場所に生息します。冬鳥

ツグミ(ツグミ科)
全長は、約24cmで、上面は暗褐色、翼は栗色です。目の上に白色のすじがあります。河川敷や公園など明るいところを好みます。 4月末の渡去前には大きな声で美しい声でさえずりますが、それまでは目をつぐんだようにクイッ、クイッと鳴きます。冬鳥

キジ(キジ科)
全長は、オスは約80cm、メスは約60cmです。オスは、顔が赤く、首から腹 にかけて緑色で、鮮やかですが、メスは全休が茶色で、目立ちません。どちらも長い尾をもっています。山林や河川敷で見られます。オスはケーッ、ケーッと大きな声で鳴きます。挑太郎の話にも出てくる日本の国鳥です。留鳥


キジも鳴かずばうたれまい
 昔、吹田の垂水(たるみ)あたりにまだ海の水が打ち寄せていた頃、島(洲)を結ぶ橋は大水などですぐに流されました。人々が神様にお願いしたところ、「人を埋めて橋柱として、橋を架ければよい。」とお告げがありました。朝廷に申し上げて人柱を立てることになりましたが、誰にするか困っていました。
 通りかかったある人が、「袴(はかま)につぎがあたっている者を捕らえて人柱にすれば、成功します。」といいました。ところが、その人がはいている袴につぎがあたっていたので、人々は、すぐその人を捕らえて人柱にしました。橋は立派に完成して、もう流されませんでした。人々は心から感謝しました。
 人柱になったその人は、垂水の長者でした。長者には美しい娘さんかおり、河内の禁野(きんや)というところにお嫁にいきましたが、誰とも口をききませんでした。
おこった夫は実家へ返すことになりました。垂水あたりまで来ると、葦(あし)の繁みからキジが大きな声で「ケッ、ケーッ」と鳴きました。弓矢でそのキジを射た夫に対して、お嫁さんは思わず目を開いて、
 「ものいわじ父は長柄(ながら)の人柱 なかずば雉(きじ)もうたれざらまし」
と和歌を詠みました。夫は口をきかなかったわけを理解し、お嫁さんを許し河内へつれて帰って幸せに暮らしたそうです。
 (日本の民話:大阪編より)