憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

笑う女・・15

2022-08-19 20:54:10 | 笑う女

笑子を抱くことも
あと、何度あるだろうか?

患者達が寝静まった廊下を
さかのぼり、笑子の部屋にたどり着く。

宿直の当番が俺たち3人の誰かだと
どうやってわかるのか?
あるいは、この時間まで焦がれる欲情に
眠れぬまま、俺たちの誰かが来るのを待ち続けているのか・・・。

笑子の部屋の電気をつけると
笑子が笑子のごとくに、
微笑んでいる。

それも、あと、何度あることだろう。

俺の後釜に入るだろう男もいずれ、笑子の渇望に飲まれ
笑子との交渉は
ひそかな3人の男の独占行為。

かすかな、嫉妬は
いつでも、自由に女を抱ける男たちへのうらやましさ。

それでも、
もう、こんな繰り返しにピリオドを打たなきゃ
あるいは、俺は笑子の従属的なしもべ。

『江崎や徳山に・・そして、俺の後釜に・・・』
下げ渡し、手放すに惜しいのは、まだ、俺の欲望が熱いせい。

「笑子・・」
呼べば
甘い咆哮が鼻にかかり、
笑子の腕が再び空中にゆらめき、
俺の物が再び笑子をうがってゆく。

ひそかな時間をおえると、
俺は宿直室の仮眠ベッドに身を横たえる。

目をつぶり、
浅い覚醒を共に何度かまどろみを繰り返すと
朝がやってきていて、
交代の時間までに、日誌を書く。
施設全体の入園者の様子を簡単に書くと
笑子の所見を書く。

微かに熱っぽいが、
微熱というほどでもない。
排便も正常。
食事もちゃんと食べた。
いつもとかわらぬ笑子である。

職員が出勤し始めると
俺に残った仕事は日誌を園長の元にとどけ
判をついてもらうだけ。
今、一切の責任は俺に掛かっているが
園長の承認により、
責任の所在が園長に移り
俺は仕事をきちんと終えたとみなされ
管理責任を問われることは無い。

だが、かすかな熱が気になった俺は
交代人員である徳山の出勤を待ってから
留意しておくようにじかに伝えてから
帰宅しようと徳山を待っていた。

ところが、
徳山の出勤を待つどころでない。
俺が日誌をとどけに行くより先に
園長から、呼び出しが掛かった。

事務室のドアを開けた正面の机から
園長が俺を見つめると
傍に来るようにと手をこまねいて見せた。

一礼を返しながら
「おはようございます」
の、口上をのべ
俺は園長の机の前にたった。



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