女性への恐怖心を取り払わなければ、
笑子はおかしな状況であるといえる。
なぜなら、
女性を恐れる笑子も女性でしかないのだ。
笑子の中で自分を女性であると、認識し始めることが
あったとしたら、
笑子の精神は自己崩壊をおこさないとも限らない。
とは、いうものの、笑子が精神的に成長するということは
まず、ありえることではないが・・。
が、逆に女性を恐れるあまり
笑子が女性であるという自覚を排除しようとすることはありえる。
狂った精神で
性別のない自我は
無色透明な世界を構築してゆくのだが、
はたして、それで、笑子はしあわせだといえるであろうか?
肉体があるばかりに人間はその性に自分を左右される。
肉体の性別によって、
精神や感情や感性、その他もろもろのことが
形をつくってゆく。
男も女も後天的に性に見合った人間になってゆくとするなら、
性別の自覚をなくしてゆく笑子は
なにになるのだろう?
性別への意識がない存在。
それはそれで、かまわないことであろうが、
笑子の外面が女性である以上、
自然がまわしてくれた差配に乗ずるのが、
本来ではないかと
俺はとりとめなく、
根拠もなく、
考えていた。
そんな俺が笑子が女であることを
目撃することになる。
神が仕組んだ罠は
狂った精神の笑子にも、
きちんとしかけられていた。
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