瞳子の「基の傷」がどこにあるか、探す。と、いうことは
逆に、言えば、瞳子が『基の傷』を奥深くに隠しこんだという事でもある。
私は昨日の瞳子を思い返していた。
基の傷にふれる存在である父親を父親と認識しない事で、
基の傷にふれずにすむことになったのならば・・。
昨日の瞳子の教授ヘの態度。教授の存在が目にうつらなくなったかのような瞳子。
これは?
教授を父親と認識しない。
と、いうより
教授を認識しない。
え?
それは?
基の傷に触れるのは「教授の父親の部分」だけだったのが
基の傷に触れるのは「教授全部」と、かわったとかんがえられまいか?
それは?
それは?
一方で回復の兆しをみせながら、見えない部分、氷山の下では悪化している?
いや、氷山?
氷山自体が大きくなっている?
脳世界の海にうかぶ異常という氷山が大きくなっている。
水面に出た日のあたる部分が大きくなり、それが回復の兆しにみえた?
だが、水面にでる部分がおおきくなるということは、また、水面下の氷山もおおきくなり、
悪化の膿が底にたまる。
表面上に見える回復の兆しが大きいという裏側で悪化もまた進んでいる?
なおったと見えた人間がもとより、悪くなるしくみがこれか?
抑圧されたものが、氷山を作り出す。
だとしたら、たとえ、無意識であっても、何らかのガス抜きをする・。
それは、催眠療法?
女医は悪化を見抜いても居る?
だから、はやめに、催眠療法で氷山の発育を抑圧する?
そのためにも、急いだ?
女医に聞かされたことを念じながら、私の不安を吹き飛ばしたくもあり、女医を喜ばせたかったのかもしれない。
「瞳子は、快方に向かっています。昨日は退行現象のなかでしたが笑い声をあげたんですよ。
それに、今朝は私のお弁当を作ってくれたり・・ああ、でも、私の分しかつくらないので、教授が・・・」
私の言葉がとまった。良かったと喜んでくれると思っていた女医の顔が表情をかえまいとこわばっている。
「あ・・あの・・」
「あ・・ごめんなさい。あの・・」
女医も一瞬垣間見せた落胆はいまさら、ぬぐいきれないと私に向き直った。
「残念なことですが、それは、快方にむかっているとは、かんがえられないのです。催眠療法、急ぎましょう」
女医はすぐに、催眠療法の日程を提示した。
夕方4時。睡眠に向かって緊張曲線が下り始めるころが、一番、良いといわれた。
催眠療法は瞳子の「基の傷」がどこにあるか、探す。と、いうことだ。
それを早いほうが良いということは
逆に、言えば、瞳子が『基の傷』を奥深くに隠しこんだという事でもある。
女医の言う快方に向かっていないということは、それか。と、私は考え付いた。
私は昨日の瞳子を思い返していた。
いままで、基の傷にふれる存在である父親を父親と認識しない事で、
基の傷にふれずにすむことになったのならば・・。
昨日の瞳子の教授ヘの態度。教授の存在が目にうつらなくなったかのような瞳子。
これは?
教授を父親と認識しない。
と、いうより
教授自体を認識しない。
え?
それは?
基の傷に触れるのは「教授の父親の部分」だけだったのが
基の傷に触れるのは「教授全部」と、かわったとかんがえられまいか?
それは?
それは?
一方で回復の兆しをみせながら、見えない部分に傷を隠しこんで氷山の下では悪化している?
いや、氷山?
氷山自体が大きくなっている?
脳世界の海にうかぶ異常という氷山が大きくなっている。
水面に出た日のあたる部分が大きくなり、それが回復の兆しにみえた?
だが、水面にでる部分がおおきくなるということは、また、水面下の氷山もおおきくなり、
悪化の膿が底にたまる。
表面上に見える回復の兆しが大きいという裏側で悪化もまた進んでいる?
一方で笑い声をたてながら、もう一方で教授を隔離する。
いや?
逆だ。
表面上の意識が教授を隔離できたから、笑う余裕が出てきたのだ。
なおったと見えた人間がもとより、悪くなるしくみがこれか?
抑圧されたものが、氷山を作り出す。
基の傷にいっそう、触れないように、傷に触れる存在を遮蔽する。
表面上はそうだが、それは、瞳子からいえば、傷を奥深くにかくしこんでしまうということだ。
触れられないようにしようと傷を奥にかくしこむためには、傷に触れる人間を認識しない。
それが、形になっただけで、事実は奥深くに傷を押し込もうとしている。
それは・・・。
瞳子の傷が・・こらえきれない痛みを訴え始めているということになる。
このままでは、発狂する。
だから、傷を奥におしこめて、傷をかばおうとする。
そして、傷にふれる存在を認識すまいと、防御する。
それは、瞳子の中で、教授の父親の部分でなく、
教授全体、すなわち、虐待を与えた人間を瞳子が認識し始めているということだ。
だから、教授を隔離する。
それが、覚醒によって、教授イコール父親イコール加虐待者と解かる。
覚醒は真の発狂を生む。
覚醒すまいとする、瞳子の防御行動なのだ。
傷を奥に隠し、教授を排除し・・・。
こんなことをくりかえしていて、瞳子が回復するわけがない。
いや、それどころか、すれすれの防御壁が壊れたら、瞳子は・・・。
一刻もはやく、基の傷を知り、手当てしなきゃならない。
「いそぎましょう」
やっと、女医の意味が飲み込めた私は女医が急いだわけを理解した。
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