The 理科ロマンスカー

人生を振り返りつつ見過ごしては禍根を残すであろう事柄に着目。
日本の正義・倫理・規範・疑惑等々婉曲的に発信。

2、「B生命・地球」区分

2014-10-30 06:43:46 | 日記

1、「生命」関係

私たちは地球上の生物である。加えて、植物も動物も生物である。(図表2-3)

 

 

(図表2-3)

①  生物学習の特徴について

生物の学習では、人及び親しみやすい身近な動物・植物が取り上げられる。その特徴や生活は様々な要素が複雑にからみ合うので、学習に困難なことが伴うこともある。主な事項と学習の要点をあげる。

 

1、個々の生物の観察をする(自然観察)

・生物の特徴を掴むには全体的、直覚的なとらえ方をする。さらに、細部を分析的にしかも正確に観察すること。観察を様々な観点から行う必要が多いので、観察の仕方について十分な指導をする(観察の観点など)。

 

・観察を文章・絵及び工作的な製作物などで表現させ、それを通して観察を深める指導をする。スケッチは、全体と部分の2種類を描かせる。観察の記録であるので、正確さが求められる。観察のスケッチは、「ゆっくり1本の線で描かせる」ことがコツ。ゆっくり線を描くことによって、じっくりと観察ができる。

 

2、つくりとはたらきを調べる(生物の構造と機能)

・複雑なものを分析的に要素に分けて見たり、各部分のつながりを関係的に見たりして、簡単な実験を試みて調べる。

 

3、多様性と共通性の考察をする(生物の多様性と共通性)

・生物という概念を理解する

子どもにとっては個々の草花、草・木の別があるが、植物という概念がない。また、動物と言えば、犬・猫・うさぎ・牛・馬などを指すことが多い。身近な生き物、鳥、魚などについては概念がまとまっているが、虫は非常に広い範囲の動物を指している。

○草花・木……植物

 

○身近な生き物・鳥・魚・虫……動物

 

○植物・動物(人を含む)……生物

 

と次第にまとまるように指導していく。

 

4、成長・生殖・発生の観察をする(生命の連続性)

①四季を通した動物の活動や植物の成長の観察等、飼育・栽培を通して長期にわたっての継続的な取組みになる。

 

②目的に応じて観察記録のフオーマットを工夫する(自然観察、継続観察、発芽やつくりの観察等)。

 

5、環境への適応と保全を学ぶ(生物と環境のかかわり)

生物を扱う際には、常に環境との関係に目を向けさせたいが、子どもには分りにくいことが多いので、はっきり分かるものから考えるようにさせる。

①生物の学習では、からだや運動・食べ物・すみかなどの生活の要素と環境の要素との関連を関係的に見るように導く。

 

②環境要素を比較して生物の成長などを調べる場合、他の要素は同―の条件にして実験する。

 

③複雑な要素を持つ生物関係の事実を単純に関連づけて結論を誤ることのないように注意し、環境保全の意識を育てる。

 

6、生物愛護の精神を育てる

・生物の学習には、いつでも生命を尊重し生物を愛護することを念頭において指導を行う。人も生物の一員であり、人は他の生物を食糧として生命を維持し発展している。このことが「生物愛護と矛盾する」と子どもが考える場合も多い。生物が全体として調和のとれた生活を発展させていることを理解させ(食物連鎖など)、必要以上に生物を損なうことのないように配慮する。


(1) 物質的な見方や考え方を育てる

2014-10-30 06:31:53 | 日記

①物の質的な見方を育てる

釘もクリップも磁石に吸いつけられるし、電気も通すので、同じような性質のものから作られていると子どもは考える。この性質のものを鉄と名付けていることを教える。

「はさみ」など子どもは形や用途から物品名を知っているが、柄のところは磁石に付かず、刃のところが磁石に付くことから鉄で作られていることを知る。

 

②物質の調べ方を身につける

物質(粘土・木片・空気・水・鉄・アルミ・食塩・塩酸・水酸化ナトリウムなど)には色・形・大きさや重さがある。一定の性質をもった物質は形が変っても重さは保存されている。物質を調べるには感覚(五感)を通して調べるが、併せて、五感の延長としての道具や器具の使い方を学び、いろいろな場面で使用させることが習熟になる。

また、物質同士や物質に力・熱・光・電気・磁気などをはたらかせたり、はたらかせる条件を変えて物質を変化させたりして調べるなど、ある範囲内での観察・実験を通して認識させる。

 

例1 物と重さ

3年の子どもは、見た感じで重さを判断する。大きいほうが重い。数が増えると重くなる。細長くすると軽くなる、など見た感じで決めている。また、体重は理解しているが、体重計に載って片足を上げると軽くなる、しゃがみこむと重くなるなどと考えている。

粘土やハッポースチロール、アルミ箔など見た感じではわかりにくい素材を使い、両手で重さを判断させたり、電子ばかりで測定させたりして、多くの操作を通して実感することが正しい概念形成を定着できる。

 

例2 水溶液

石けんはとけてドロドロになり水に入れると白く濁る。食塩や砂糖は水に入れると粒が見えなくなり、水は透き通っている。食塩や砂糖の粒はなくなって見えなくなるが、なめるとそれぞれ固有の味がある。

このことより、食塩や砂糖はなくなったのではないことが分かる。

さらに、多量の食塩や砂糖を水に入れ、溶かそうとしていくらかき回しても底の方にたまることがある。たまった食塩や砂糖の量は、それぞれ違っている。また、食塩を湯に入れて多量に溶かそうと試みても水に溶かしたときと殆ど変わりがない。砂糖は水よりも湯の方が速く溶け、しかも多量に溶ける。

このように、それぞれの物質には固有の性質があるとともに、物質に共通な性質があることを理解する。

 

(2)、エネルギー的な見方や考え方を育てる

① エネルギーは目には見えないもの

力・熱・光・電気・磁気などは物質ではないもので、形も重さもない。目に見えないもので手に掴むこともできない。また、豆電球を乾電池につなぐと点灯したり、電熱線につなぐと発熱したりと、電気が明かりや熱に変換される。目に見える現象からその存在やはたらきを推論し、解き明かしていく。

 

例1  力

荷物にひもをつけて手で引きあげる。私たちは手の感じで重い軽いという。重い荷を引き上げている人を力持ちという。この力は筋肉感である。この重い荷物を壁の釘にかけると釘は手と同じ働きをしている。この時、釘は荷物の重さにつり合う力を出していると考える。

力の大きさは重さとつり合っていて、下に落ちようとする荷物を釘が上に引いていると考える。私たちは重さから力を考えるが、その力の大きさは重さで何kg重の力と表わす。

力は目に見えない働きであるが、重さからその大きさを考えることができる。

 

例2 熱と温度

「熱」とは、温度の高い部分から低い部分に流れるエネルギーのこと。健康な人(体温37度)が風邪をひいて体温が39度ある人に触れると、熱が流れて熱があると感じる。熱の大小を表す熱量(熱を量と考える)はジュール(記号J)が単位。

日常生活では、温度は暖かさの度合いを示す指標として使われている。しかし、理科の考え方で「温度」とは、物質をつくっているとても小さな粒子の熱運動の激しさが表されている。熱運動が止まったと仮定した温度が絶対零度(約-273℃)。絶対零度より低い温度は理論的に存在しないが、高温は可能である。


日本は教育への公的な資金は、OECDの中で32番目

2014-10-23 17:11:17 | 日記

 財務省35人学級「効果なし」の新聞の見出しに目が点。公立小学校1年生に導入されている「35学級」を教育上の明確な効果がみられないとのことで、人件費86億円程をけちり、他に財源を振り分けたいとのこと。

 

 過日の「13年度文科省問題行動調査」により、いじめも暴力行為も不登校も改善が見られなかったことが根拠らしい。どだい40人から5人を減らしただけで、問題行動が顕著に減少するはずがない。

 

 教師に要求されている役割はいま激増している。「教育者」は勿論、子どもたちへの対応や内面理解、並びに教材研究やわかる楽しい授業づくりのための「研究者」。

 

 子ども達をどのように引き出しいかに活躍させるかなどの「演出者」。教室を舞台として子どもにどう演じさせ、教師もどのように振舞うかの「役者」。子ども達の個々の能力や得て不得手などを細かく観察し、指導・助言の手立てを考え個に合った指導を考える「医者」。

 

 子どもの見えないところで教室の学習環境を整え、教材や教具などを作る「忍者」。さらに温かい心で包んであげる「母親・お母さん」的な役割。集金などの学級事務も加わる。

 それこそ七変化、八面六臂の日々。日本は教育への公的な資金は、OECDの中で32番目。心が満たされていない子どもが増えている。


第2章 小学校理科で教える内容をこう捉える

2014-10-19 13:42:15 | 日記

 理科の学習内容はその対象とする範囲が極めて広い。自然を調べる知識や技能を育てることは理科の重要なねらいであるが、はたらきかける対象の違いによって、それを調べる観点や方法が異なってくる。

 小学校学習指導要領理科では内容区分として、「A物質・エネルギー」、「B生命・地球」に分けられていて、それぞれの特質に応じた学びが大切になる。

 この区分については子どもに教える必要はないが、指導に当って教師が十分配慮すべきことである。なお、学習の内容によっては他の区分とかかわり合うことも出てくる。

 

1、「A物質・エネルギー」区分

 この内容は、物質的な見方や考え方、エネルギー的な見方や考え方を育てようとするものである。(図表2-1)

 

(図表2-1)

 物質の状態や性質の変化に伴う現象やはたらきを追究し物質の性質を理解するとともに、力・熱・光・電気・磁気など、やがてエネルギーとしてまとまる初歩的内容の考察を扱う。

 物質の性質やはたらき、規則性などを調べるには、物質と物質を触れ合わせたり、力を加えたり、熱したり、光をあてたり、電気を流したり、磁界で試したりなどして追究する。それを通して力・熱・光・電気・磁気などの性質やはたらきを考察する。

 物質的な見方や考え方とエネルギー的な見方や考え方とは互に関連し合っている。そのことを図表2-2に表した。

 

 

(図表2-2)


情報が多いほど、より正しい判断ができるか

2014-10-19 12:35:14 | 日記
 近藤誠先生のがん関係の書物をがっつり読んでいる。「がんには『本物』と『もどき』」に分かれる。本物は治療しても治らない、もどきは放置しても命を奪われないから、治療は無意味」と、1996年より主張されているお医者さん。最近発刊された「近藤先生、『がんは放置』で本当にいいんですか?」(光文社新書)も一気に読了。事例を交えながら、病状や治療法など具体的に述べられている。
  ここ数年は精力的に自らの主張を肉付けする事例を著し数多く出版している。わたしはほぼ全ての著書を読んでいる。
 
 近所のおばさんが20年程も前に卵巣がんとのことで全出手術された。ご主人はがんと聞いて、強烈に落胆されていた。その奥様は5年経過しても、10年くらい経っても、首は痛い、腰は痛いとの訴えはするが、朝夕愛犬の散歩で元気な姿を現在も見せてくれている。
 
 このことより、かねてからがんとよばれるものにはある範囲を占めていて、命をとられないがんもあるのではないかとのイメージを抱いていた。私の素人目でも、近藤医師の主張は「がんには『本物』と『もどき』」に分かれる」がある程度頷けていた。
 
 この度、がん患者3万人と向き合った医師が語る「正直ながんのはなし」(西尾正道著・旬報社)を読んだ。著者は北海道がんセンター名誉院長であり、かつては北海道地方がんセンター放射線科に勤めていたお医者さんである。
 
 著書には、がんという病は、ある程度進行した場合は治るかどうかは、”オンリー・ワン・チャンス”と語っていて、「1回目の適切な治療で完全に治してしまわなければ、命を落とすことになる」と述べている。
 
 併せて、「近藤医師の書物を多くの国民が読む理由のひとつに医療不信がある」とも付け加えられている。この書物は近藤医師の主張の誤りを指摘しながら、がんという病とはどのようなものかについて書かれていると言えよう。
 著者はがんの状況によって手術、抗がん剤、放射線など最適な治療によって治療がされていない現状を憂い、がんは「早期発見、早期治療」である、強調されている。
 
 近藤フアンの方々もぜひ西尾正道医師の書物を手にされることをお勧めします。がんに対する考えが広まりますね。