Ⅲ、シニアのキャリアを還元する意義と構想のフレームワーク
2、いろいろなプラス面が想定できる
高齢者が増えることから「自分の面倒はつとめて自分で見る」文化を芽生えさせざるを得ない。それはお年寄りの「自立と独立と相互扶助」の精神醸成とともに、健康寿命を少しでものばすことにある。社会的に孤立を防ぎ社会参加の何らかの活動ができる受け皿となる場の構築が、喫緊の課題解決の一助になると確信できる。
それは「シニアのキャリアを地元に還元する」新文化を芽生えさせるゆえんでもある。軟着陸させ緒につくことにより、つぎのようなよさと価値をもたらす。
・国民健康保険や医療費の削減になる。 ・介護費用の削減にもなる。 ・健康寿命がのびることから、要介護の状態を短縮できる。 ・寝たきりになる期間を短縮でき、結果的には要介護の期間が短くなる。 ・自立や独立の期間の延長につながる。 ・税の有効活用が可能になり、市町村財政の幅広い活用オプションが広がり、強いては市町村民税の減税が可能になる。 ・人間は必ず枯れていく。「ピンピンコロリ」の実現に近づく。など |
3、ソフトインフラの確立と充実になる
社会の変化に対応することは、行政の重要な業務内容の一つである。
必要のない施設を造り「ハコモノギョウセイ」とマスコミなどによって揶揄されたインフラ整備だが、社会の人間の変化に対応する業務の立ち上げは「ソフトインフラ」の確立・整備にあたり、近未来に対する施策の先取りと実行そのもの。
社会が成熟にむかい、物的なことよりも、人間の精神的なことや人的なことなどに行政業務のシフトを俯瞰する必要性に迫られていることが見て取れる。
今後の人口動態の変化に対応する「ソフトインフラ」整備として、「高齢者いきいき課」(仮称)などの新設や、「老人福祉課」等に担当部署を増やすなど行政の受け皿づくりが、喫緊に迫っていることが伝わってきている。