The 理科ロマンスカー

人生を振り返りつつ見過ごしては禍根を残すであろう事柄に着目。
日本の正義・倫理・規範・疑惑等々婉曲的に発信。

理科の言語活動の教育技術ーー授業中の投げ掛ける言葉

2014-11-27 17:42:18 | 日記

1、教師の投げかける言葉・「指導言」について

 授業は普通、何らの教師の投げ掛ける言葉や事象の提示で始まり、学習の展開にも投げ掛ける言葉が重要な位置を占める。教師の投げ掛けによって、子どもの発言や行動が始まり、それを受けて、教師の新たな投げ掛け、それが子どもの新しい行動や発言を誘引していく。教師の投げ掛ける言葉を括って「指導言」と名付けたい。

 

①「発問」

②「質問」

③「指示・(命令)」

④「助言(ヒント)・示唆・補足」

⑤「説明・解説」

⑥「評価(称賛・認め)」

 

 指導言には、①「発問」②「質問」③「指示・(命令)」④「助言(ヒント)・示唆・補足」⑤「説明・解説」⑥「評価(称賛・認め)」の6つのカテゴリーに分けられる。その具体的な中身をつぎに記す。子どもが何を要求されているのかが分からないことのないよう、目的を考えて適確な指導言の内容と表現を工夫したい。

 

 


「学習・指導方法」が新学習指導要領に記載されるー新しい教育課程の在り方を諮問

2014-11-26 08:34:38 | 日記

「教育目標・内容ー学習・指導方法ー学習評価」一体型を目指すのか。グローバル化の教育の在り方を検討・構築へ。

文部科学省のホームページに、過日文部科学大臣より中央教育審議会へ諮問内容が掲載されています。次の学習指導要領が動き出したようです。諮問内容構成は、「7つほどの理由」と「3つの審議内容」になっています。

 

初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問)

26文科初第852号 平成26年11月20日 中央教育審議会 次に掲げる事項について,別添理由を添えて諮問します。

初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について

                    文部科学大臣  下村博文

 

私の諮問理由分析。

1、 未来の地球社会の概観

2、 未来に生きる子どもの教育課程の在り方構築の必要性

3、 現行の教育課程の評価

4、 国際的に見て日本の子どもの劣るところの分析と今後の人材作りへの学習指導要領の改訂

5、 未来に生きる子どもの資質能力育成取組みの現状

6、 未来に生きる子どもの必要な知識・能力の国際的な共通性

7、 学びの質や深まりを重視する授業・教育及びその評価の在り方

8、 これらの問題意識の下、中央教育審議会に審議をお願い

 

審議内容お願いの関係図 その1のみ

 


第3章 小学校理科授業の絶対三条件

2014-11-02 08:25:55 | 日記

1、理科授業に欠かせない条件は三つある

1、「超具体」=実物(事物・現象・映像等)を用意すること

 理科は、本物の事物・現象、不可能な場合は絵や写真、動画等の映像等を用意し、そこから触ったり、いじったり、詳しく観察したりして疑問や問題を見出して、追究させる。どのような実物や現象を発想、準備し、子どもに提示できるかで「授業成功の八割方が決まること」は過言ではない。

 

2、「実体験と時間をたべる」=観察・実験の場と時間を確保すること

 観察・実験、ものづくり・理科工作、スケッチなど実際に取り組む場を設けることは、「なぜ、どうしての不思議や疑問を持ち、調べたい問題を見出し、仲間と協力しながら観察や実験を通して、その結果を考察し解決を図っていく」、これが理科授業の基本である。

 

 加えて、観察・実験をたっぷり行わせるために時間を十分に確保すること。特に自然体験遊びが不足している子どもたちには試行錯誤の場を意図的に設けること。子どもたちに観察や実験の準備、器具の操作などの指導を必要に応じて繰り返し、実際に取り組ませることによって、その後の学習の流れがスムーズに展開できる。

 このために4月より細やかな指導を続けることが、育ちを約束できる。時間配当が当初の計画より多くなっても、予定がのびてしまっても止むを得ないことを念頭において指導に当たる。

 

3、「思考とその交流」=思考場面と交流場面を用意すること

 パスカルは、随想録「パンセ」に「人間は考える葦である」と記している。

 

 理科は暗記科目ではなく、「方法を考える、理(ことわり)を考える教科」である。「知識は過去」「思考は未来」と言われているが、「思考する教科」である。子どもには、自分の考えをもち、進んで発表することを大事にさせたい。一人ひとりが考えることによって、より質の高い考えへとつながる。(図表3-1)

                                             (図表3-1)

 

思考場面としては、下に示すように幾つかがある。

1、   疑問や問題に気付く場面

2、   予想や仮説を考える場面

3、   解決方法を考える場面

4、   結果をまとめる場面

5、   結論を考える場面

 

 発問や質問を投げ掛けることによって子どもの思考を刺激する。そのときすぐに発言させるのではなく、まずノートに考えを書かせる(これは「見える化=視覚化」)ことであり、その後に発表させる。考えたことを書いたり、発言したりすることは、「出力」になる。まず書き記すことによって「出力」が確認できるので、考えたことの証拠を残すことにもなる。

 

 発表を苦手(真に苦手な子はいないが、発表の機会が少なかったり、発表に対するトラウマがあったりする)に感じている子どもには、書いたものを読ませることで発表になる。

 ○○さんと同じと応える子がいるが、確実にその子に言わせることによって、発表を苦手と捉えなくなる。

 

 


2、地球

2014-11-01 09:04:46 | 日記

 地球は大気に包まれ、太陽の光と熱の影響を受けている。地球を回っているのが月であり、地球は太陽の周りを回る惑星である。太陽系は広大な宇宙の一部である。

 

 このような地球や宇宙について初歩の認識を持たせるのがねらいである。この認識を育てるには、次のような見方や考え方を必要とする。

 

1、 現象相互のつながりを捉える

 この分野は、太陽や月、星の運行とその規則性であり、地球の自転や公転が最初に学習させる内容ではないことを肝に銘じておきたい。

 

 太陽の運行をベースとして日光の役割の大切さやその有り難味が意識でき、それが身近な自然の小さな現象と深くかかわりのあることや自然の営みはどんな小さなものでも規則正しく行われていることを理解させる。

 

 (あ)天体の動き、㋑地表の変化、㋒気象の変化の三者を、地球を中心とした考え方に統一し、常に私達の身近に起る生物の諸現象と関係づけて考察することが重要になる。(図表2-4)

 

(図表2-4)

 

 2、 地球関係の調べ方の特徴について

(あ)地球と宇宙における時間的な見方、考え方について

 地質の指導で、地質年代の数字(何億年前の化石、何億年の大昔など)が述べられるが、大昔を父や祖父の子ども時代と解してしまう傾向が子どもにはある。このようなことから地質年代の数字そのものよりも、数字を算出した考え方や地層の重なりの新旧などの比較対照のことが大切な学習内容になる。

 

 また、太陽や月・星などの運行はある時刻毎の変化を観測しなければならない。例えば、太陽は、朝東から出て上り、南に移るにつれて高くなり、さらに西に移って低くなり、やがて夕方西に沈む。

 

 これは、一日の見かけの運行であるが、時間の経過をたどって観測しなければ正しくは掴めない。それを、ある期間観測することにより、連続して規則正しいことから、周期性を捉えることができるようになる。

 

(い)地球と宇宙における空間的な見方、考え方について

 川の水の流れは、はるかな彼方の山中に始まり、天気は広い範囲の雲の動きと関係する。身近な自然の現象も広い地域との関係で考えることが大切である。

 

 空間的な見方には、方位がある。方位は、太陽の運行から東西南北など決めている。個人のいる位置によって決まり、特定の場所を指すものではない。

 

 太陽や月や星は非常に遠い所にあるということは、雲が出ると隠れてしまうことから推測できる。

 

 同じ天体を地上で見た後、屋上に上がってみれば、天体も上に上がって見えることなどから、その位置を方位とともに、地上からの角度で捉えることも重要な見方である。

 

 この領域は、新聞やテレビ、インターネットなどで最新情報が得られやすい。だが、学習ではそれらを鵜呑みにさせるのでなく、基本的な事項を観察や観測を通して掴み、科学的な見方や考え方を育てたい。