「ノブレス・オブリージュ」は武士道につながる
戦争を経験していない私が大口を叩くことを憚らなければいけないと肝に銘じつつ、でも書いておきたい。
1945年の終戦から現在76年間を経ている。私の高校時代は戦後20年ほど経過した頃だが「既に戦後は終わった」と巷間言われていた。高校生であった私はその言葉の意味を理解できなかった。社会科は日本史、世界史、倫理社会等全必修であり、日本史の教科書は2㎝程の分厚さであった。その教科書の五分の二程を残して学期末を迎えていた。試験範囲が狭くてラッキーと当時は喜んでいたが、学校教育で近代史を学んだ記憶がない。近代史の生徒への指導を意図的に避けていたと卒業後何年か経て覚知した次第。
敗戦後サンフランシスコ講和条約を締結するまでの6年間あまりの日本は連合国(アメリカ)により占領されていた。日本は独立国として国際社会に復帰できたのは1951年9月ことである。その間に作られた戦後の制度は様々なところで歪みや綻びが見え始め、特に21世紀に入っていろいろなところで顕在化しているように感じる。
想像するとその頃は、食べることさえもままならない時であり、敗戦という虚脱感に襲われ国のかたちをじっくり議論してそれらを自ら構築されたとは考えられない。連合国の指導や命令の下、どさくさの中で見切り発車的に作られたものと推察される。制度同様、道徳性のあやふやさや風俗としきたりなどの社会規範等も大きく変化してきている。
法律を改定したり作成したりする仕事はご存じの通り国会であり、政治家の重要な任務である。大志を持ち公に徹し大局観を備えた人財の政治家が希求されることは、国の行く末を握っているからである。さらに私欲を捨てて国民のために仕事をしていくことによって国民の協力を得て世の中がより良くなっていく。個々の担っている分野の仕事を分担して社会全体が信頼で成り立っているが、いまそれが極めて怪しくなっている。多忙な生活をしている中でも、気になることや疑問なこと、不明なことなどは発信し、納得や解決することによって信頼感や紐帯が太くなり、国力が増幅し豊かになる。
ここで思い出される言葉は、「ノブレス・オブリージュ」。フランス語で直訳すると「高貴なる者の義務」。身分の高い者はそれに応じて果たさねばならない社会的責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳観。もともとはフランスにおける貴族に課せられた義務を意味する言葉のようである。当時の貴族には多くの特権が与えられていたものの、いざ戦争となれば率先して戦う義務も課せられていた。日本の武士道精神にもつながる。
戦争を経験していない私が大口を叩くことを憚らなければいけないと肝に銘じつつ、でも書いておきたい。
1945年の終戦から現在76年間を経ている。私の高校時代は戦後20年ほど経過した頃だが「既に戦後は終わった」と巷間言われていた。高校生であった私はその言葉の意味を理解できなかった。社会科は日本史、世界史、倫理社会等全必修であり、日本史の教科書は2㎝程の分厚さであった。その教科書の五分の二程を残して学期末を迎えていた。試験範囲が狭くてラッキーと当時は喜んでいたが、学校教育で近代史を学んだ記憶がない。近代史の生徒への指導を意図的に避けていたと卒業後何年か経て覚知した次第。
敗戦後サンフランシスコ講和条約を締結するまでの6年間あまりの日本は連合国(アメリカ)により占領されていた。日本は独立国として国際社会に復帰できたのは1951年9月ことである。その間に作られた戦後の制度は様々なところで歪みや綻びが見え始め、特に21世紀に入っていろいろなところで顕在化しているように感じる。
想像するとその頃は、食べることさえもままならない時であり、敗戦という虚脱感に襲われ国のかたちをじっくり議論してそれらを自ら構築されたとは考えられない。連合国の指導や命令の下、どさくさの中で見切り発車的に作られたものと推察される。制度同様、道徳性のあやふやさや風俗としきたりなどの社会規範等も大きく変化してきている。
法律を改定したり作成したりする仕事はご存じの通り国会であり、政治家の重要な任務である。大志を持ち公に徹し大局観を備えた人財の政治家が希求されることは、国の行く末を握っているからである。さらに私欲を捨てて国民のために仕事をしていくことによって国民の協力を得て世の中がより良くなっていく。個々の担っている分野の仕事を分担して社会全体が信頼で成り立っているが、いまそれが極めて怪しくなっている。多忙な生活をしている中でも、気になることや疑問なこと、不明なことなどは発信し、納得や解決することによって信頼感や紐帯が太くなり、国力が増幅し豊かになる。
ここで思い出される言葉は、「ノブレス・オブリージュ」。フランス語で直訳すると「高貴なる者の義務」。身分の高い者はそれに応じて果たさねばならない社会的責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳観。もともとはフランスにおける貴族に課せられた義務を意味する言葉のようである。当時の貴族には多くの特権が与えられていたものの、いざ戦争となれば率先して戦う義務も課せられていた。日本の武士道精神にもつながる。