The 理科ロマンスカー

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4月より始まる小学校学習指導要領の資質・能力の一つの柱である「思考力・判断力・表現力等」の内容を掴んで自信をもって授業をしよう・・・理科では

2020-01-23 12:36:58 | 日記
 小学校学習指導要領解説 理科編P26(文部科学省)に、【思考力・判断力・表現力等で「育成を目指す力の主なもの」】として下記の表の通りに記載されています。(太字や赤字は筆者)(表1 下の表)
小学校学習指導要領解説 理科編P26引用

 第3学年を例にあげて文言の意味を分析します。「比較しながら調べる活動を通して、自然の事物・現象について追究する中で、差異点や共通点を基に、問題を見いだし、表現すること」が「思考力・判断力・表現力等」で育成すべき力の主なものと読み取れます。

 このことは、身の回りの事物・現象等の自然にたっぷり触れさせ、疑問なことや不思議なことなどから調べてみたいことなどを集約化して追究したい問題に昇華したり、さらには教室の友と調べてみたい問題にまで協働して焦点化したりなど、学習問題を絞り込み設定させることを狙っています。従って、授業展開における指導については、じっくり時間を確保して子どもの見方や考え方、発想などを活かし主体的に行わせ、個々の子どもが自力で疑問より追究したい学習問題を確実に気付けるようにします。もちろん五感を十分に活用させ、事物・現象等を差異点や共通点などの視点で比較しながら調べたり考えたりして取り組ませます(表2の緑色の矢印)。

 問題を自力で見いだす力が付いたその後の授業展開は、教師が指導意識を強め、教科書等の内容を参考にさせるなどの指導や助言を繰り返し、予想・仮説、観察・実験、結果・結論の問題解決の過程に沿って進めます(表2の黒色の矢印)。

 3年の理科授業では、自然にどっぷり浸らせ、何を調べたいか、何を解決したいかの問題を自力で見つけだせるように「思考力・判断力・表現力等」の資質・能力を定着させて4年生に進級させることになります。「問題を見いだす力」をどの子にもできるように身に付けさせることが3年理科指導の重点になると捉えることができます。

 同様に考察すると、4年では「根拠のある予想・仮説を発想する力」、5年では「解決の方法を発想する力」、6年では「より妥当な考えをつくり出す力」を自力でできるように重点的に指導し、資質・能力を育てることになります。

 これらのことと「理科授業展開の基本型」(縦軸)と「各学年の重点」(横軸)をマトリックスに表したものが表2になります。緑色の矢印は、学年で重点的に育てる「思考力・判断力・表現力等」を確実に身に付けさせる範囲(縦軸)を示しています。

 表3には、「学年で育成を目指す力の主なもの」を「各学年」(縦軸)と「思考力」「判断力」「表現力」(横軸)とで分析し、マトリックスで表したものです。