The 理科ロマンスカー

人生を振り返りつつ見過ごしては禍根を残すであろう事柄に着目。
日本の正義・倫理・規範・疑惑等々婉曲的に発信。

齋藤 孝著 新刊「思考を鍛えるメモ力」より

2018-07-19 16:50:18 | 日記
「ソ連侵攻を25年前も前に提言」という小見出しで齋藤 孝著「思考を鍛えるメモ力」に書かれている。
以下引用

≪余談になりますが、実際のレーニンの主張も少し見ていきましょう。『レーニン全集』(マルクス=レーニン主義研究所・レーニン全集刊行委員会、大月書店・1959年)を読むと、彼はとても知的な人で、世界の歴史情勢に対して的確な認識を持っていたことがわかります。

『レーニン全集 第31巻』には私が「ほう」と思った一文があります。1920年12月6日、ロシア共産党・モスクワ組織の活動分子の会合での演説で、レーニンは次のように言っています。
 
「こんにちの資本主義世界には、利用すべき根本的対立はあるであろうか? 三つの基本的対立がある。私はそれをあげてみよう。第一の、われわれにもっとも近い対立―――それは、日本とアメリカの関係である。両者のあいだには戦争が準備されている」。
さらに、
 「共産党主義政策の実践的課題は、この敵意を利用して、彼らをたがいにいがみ合わせることである。そこに、新しい情勢が生まれる。二つの帝国主義国、日本とアメリカをとってみるなら―――両者はたたかおうとのぞんでおり、世界制覇をめざして、略奪する権利をめざして、たたかうであろう」
 とあります。両国が戦って疲れたところにつけこんで共産主義社会をつくっていこう、とレーニンは言っているわけです。
 
 この講演はソ連の新聞に載っていたらしいので、日本人でもロシア語のできる人が読んでおけば、終戦直後にソ連が日ソ中立条約を破棄して攻め込んできて、シベリア抑留で多くの犠牲者が出ることも予測できたでしょう。
 1945年8月9日、広島と長崎に原爆が落ちた直後にソ連は日本に侵攻してきました。そのときレーニンはとうに死んでいたのですが、日本の敗戦の25年も前、1920年に「日本とアメリカがいがみ合っているから戦争させ、その隙を突こう」と考えていて、その教えを受けたソ連の人たちは虎視眈々とねらっていたわけです。
 
 しかしながら日本はお人よしにも、戦争をやめるに際して、ソ連に仲介を頼もうとしていたのですから、がっくりきます。これは単なる余談ですが、私たちにとって教訓的なエピソードなので、紹介しておきました。(齋藤 孝著 『思考を鍛えるメモ力』149~150ページ ちくま新書2018年7月10日発行)≫


 メモ書きの重要性や達人のメモ力を紹介している書物です。レーニンの本の読み方やメモの取り方などを調べる中で、上記の文章を発見したようです。日本が戦争に至った一つの見方や考え方ができる情報に新たに加えられそうです。
 

学校理科4学年で育てる資質・能力。その4 「既習の内容や生活経験を基に根拠のある予想や仮説を発想する力」

2018-07-14 08:48:41 | 日記
5、 予想や仮説から実験方法へ

予想や仮説が成立するためには、どんな事実が認められればよいのかを考え、「子どもの言葉では「○○○なのだろう」「○○○だから△△△になると思う」「○○○とすれば△△△か□□□となるはずだ」「なぜ○○になったか。それは□□だからだろう」「○○は□□だった。これはおそらく△△だからだろう」と表現できるように働き掛ける。

観察や実験のための諸用具の準備は、本来は子どもが考えた予想や仮説に基づいて、 自分達で揃えるのが望ましいが、教師の援助なしにはできないこが多い。それは住んでいる学区の状況や家庭環境に大いに影響されるので、教室や理科室に段ボールやペットボトル等を確保できる場を設定しておきたい。

子どもたちには身近にある材料を用意させ、自分の予想や仮説を実験や観察によって確かめるよう働き掛ける授業づくりが理想とされるが、環境によっては次善の方法を取る事になる。

6、 4学年指導の重点は、ここが肝

3年生で1年間をかけて疑問や不思議よりみんなで取り組む学習問題を自力で創り出す資質や能力を培う。これらを活かして、4年生では設定した学習問題より、どのような結果になるかの予想や仮説等の見通しを自力で考えられるように学習を設計する。

4年生の3学期ごろまでには「学習問題」と「予想や仮説」を先生や友達の力を借りなくてもできるようにすることを理科授業の重点に据えることである。調べ方などの実験や観察の方法は、教科書や先生が用意した資料などを参考にして取り組ませることである。5学年に進級したら、解決の方法を自力で発想できるように育てるのである。





学校理科4学年で育てる資質・能力。その3 「既習の内容や生活経験を基に根拠のある予想や仮説を発想する力」

2018-07-14 08:44:04 | 日記
4、 予想や仮説を成立で配慮することは
 
予想や仮説を考えるには、次のステップを踏むことが大切である。
㋐ 問題場面の分析と問題の解決に役立ちそうな先行経験が想起される。経験の種類としては、「解決に役立ちそうな知識」と「解決に役立ちそうな方法」である。
㋑ 問題と既有の知識とのすり合わせをして、問題とそれを解決するために役立ちそうな方法を考える。
㋒ 問題についての最も確からしいと思われる知識、方法との関係付けを行う。
㋓ 問題に対する考えられる結果や解決方法が想起できる。

当然であるが、「これまでの経験に関連のない事物現象に対する問題やその解決法については、予想も仮説もできない」ということである。また、「役に立つ経験はどれもが確かなものとは言えないし、その経験の範囲は狭い」ということであり、予想も仮説も必ずしも正しくはできないことがある。
予想や仮説を考えさせる場では、次のことに留意したい。

① 子どもの一人ひとりの考えを出し合わせてペアやグループや全体で交流し、考えを練り合わせる場をもつこと」
② 教師にとっては突飛に思えることでも、一応取りあげてみること」
③ どのような先行の経験や体験から、その予想や仮説をしたかの根拠を記録させ、はっきり言わせること」
④ 予想や仮説の立てにくい場合は、関連のある経験や体験の想起に力を入れた働き掛けをすること」など