The 理科ロマンスカー

人生を振り返りつつ見過ごしては禍根を残すであろう事柄に着目。
日本の正義・倫理・規範・疑惑等々婉曲的に発信。

3、「指導言」を考える指導技術

2014-12-26 10:30:00 | 日記

 本時の展開案を考えるときに悩ましいことは、指導言である発問や質問など具体的な言葉を考えるときである。

 

 阿川佐和子氏著「聞き力」―― 心をひらく35のヒント――には聞き方の極意として「そう」「それで!」「面白いねぇ」「どうして!」「それから」などの言葉を「対話時に発する」とのことが述べられている。

 

 授業においても次から次へと意見や考えなどが子どもたちから途切れなければ、「そう」とか「それで!」「よく考えたねえ!」「面白い。なかなかやるねえー。すばらしい」などと展開できるので教師にとっては有難い。が、現実には授業展開案を作成するとき、幾つものの候補を挙げ、それらを精査吟味し、その中からベストの発問や質問、指示などを選び、授業に臨んでいる。

 

 発問や質問などの「問う」内容を考える目安を1から5レベルまでに分けてみる。

1レベル「事実や経験を問う」・・・「何を知っていますか」「何をしましたか」

 

2レベル「感情や印象を問う」・・・「何を感じましたか」「どう感じましたか」

「どんなイメージですか」

 

3レベル「思考や考察を問う」・・・「どのように考えましたか」

「どう思いましたか」

 

4レベル「よさや価値を問う」・・・「何が大切ですか」「参考にしたいところは

どこですか」「何を学べましたか」

「真似したいところはどこですか」

 

5レベル「行動や決定を問う」・・・「これから何をしますか」

「実行することは何ですか」

 

 発問や質問の言葉を考える時、学習内容や単元の進捗状況などを考慮して、①「事実や経験」②「感情や印象」③「思考や考察」④「よさや価値」⑤「行動や決定」などを目安の一つと捉え、指導言を編み出したい。

 

 まずは、知っていることや事実を問うと、必ずや答えが返ってくる。そこで「どのように感じたか?」を次に聞いてみると、「○○○が面白かった」とか「△△△が楽しかった」などの感情面を表出する。

 

 「なるほど、そう感じたのー」と合いの手を入れ、「考えことや思ったことは?」と畳み掛けると、何らかの思いが語られる。「そのように考えたことで、大事なことや参考にしたいこと、真似したいことは何ですか?」と質問すると、若干の間を置いて答えが返ってくる。

 

 頷きながら聴き「良いことを思いつくねー」などと称賛し、「これから何をしますか。これからどうしたいですか」と行動を促す発問が、子どもたちに「やってみたいこと」を刺激し、話し始める。

  

 私と学生との実況中継。

私「昨日何をしましたか?」・・・「事実や経験」を問う

  

学生「専修教科の模擬授業をしました」

私「模擬授業をして感じたことは何ですか?」・・・「感情や印象」を問う

  学生「サンザン、メタメタでした」

私「そうでしたか。じゃ、考えたことや思ったことはありますか?」・・「思考や考察」を問う

  学生「次にやるときには教材研究をしっかりして、詳しい指導案を作りたい」

私「指導案を作るときにはどんなことを大切にしたらよいですか?」・・・「よさや価値」を問う

  学生「色々なことを細かく調べ考えたい。そして、児童の立場になって見方や考え方を想定したい」

私「それは大事なことを実感できましたね。いつ模擬授業をしますか?」・・「行動や決定」を問う

  学生「リベンジに向けて、すぐに指導案作りに取り掛かります」

 という具合に会話が弾みます。

 


2、教師の投げかける言葉・「指導言」の解説について

2014-12-25 16:07:04 | 日記

ア、「発問」とは・・・「考えさせる・追究をいざなう」ために

 教師が「問いを発する」こと、「問い掛ける」こと、「問題を出す」ことなどであり本時の展開を貫く内容でありたい。また、「子どもに調べたり、考えたりさせる」ための発問を計画する。45分間の授業では、3から4つくらいの発問が妥当である。

 学習問題(課題)を詳しく調べる場合や既習の経験を思い出す必要がある時、または資料や材料や方法を探す必要がある時などには、経験した場面や調べ方など既習を想起できる発問内容を考える。

 発問に対して子どもの反応がないときや、難しすぎると思われる場合など、補う発問として「補助発問・助問」を行う。その時は「発問がおおざっぱすぎて、問われている内容がわからない」などの発問は避け、発問の内容やどのように問うかの表現を常に吟味したい。

 また、「全員の思考が促されるような発問の内容」「気付かせたい内容を直接に問うのではなく、別の角度から間接的、婉曲的な発問の内容」「子どもが意外とわかっていない内容、勘違いしやすい内容を問う発問」など配慮したい。

 

イ、「 質問」とは・・・「知識・気付きを惹きだす」ために

 質問は「知っていること」「分からないこと」を聞くことで発問につなげたり、授業展開の方向を微調整したり、学習問題に向かわせたりとつなぎ的な意味合いをもつ。

 「関心や興味を抱かせる」「知っていること」を聞くこと、「既習内容を尋ねる」「分からないことを問い資す」ことなどであり、「質問を介在して本時の学習問題(課題)に導く」ことなどをねらって興味を喚起したり、発したり、気付かせたりするときに使う。

 

ウ、「指示・(命令)」とは・・・「次への視点を示す」ために

 「観察や実験等の活動や作業のとき」「行動や発言を促すとき」「危険を回避させるとき」などであり、例えば「先生が演示を見せます。教卓にソーと集まってごらん」など「これこれをしなさい」などと言いつけることを指す。その際、「何をどうするのか、具体的にはっきり分かること」「作業などでは時に実際に示範を示すこと」などに配慮する。

 多くのことを一度に指示すると子どもが混乱することがあり、子どもの能力や学年を考慮して順序を踏み、段階的に行うことが肝要であり、「一時に一事」を短く話すことがポイント。この時、全体の方向を明らかに示してから行うことが重要になる。

 「危ない。どけなさい」「アルコールランプは机の真ん中に置きなさい」などと危険を回避させる場合は、命令調に発するようになる。

 

エ、「助言(ヒント)・示唆・補足」とは・・・「学びを補う」ために

 「思考を誘ったり、補ったり、子どもの舌足らずな発言に付け足してあげたり」などを行い、思考を誘い深めたりさせる。[花]とか名詞や単語のみでいう子どもに対して「花の何を指していますか」などと問うて、文で言わせるときなどにも助言を行う。

 

オ、「説明・解説」とは・・・「学びの肉付け」のため

事柄の内容や意味などを話し、理科用語を教えたりする。また、子どもの質問に対して対応することも含まれる。授業では、「説明・解説」はできるだけ少なめにして、子どもに言わせたり、惹き出すようにしたりすることが、よい理科指導につながる。

 

カ、「評価」とは・・・「学びのスパイス」のため

 「それは面白い。よくできましたね」など授業中の子どもの学びへの認め等の言葉が該当する。子どもの見方や考え方の発言で素朴概念的な内容であっても、「豊かな発想だね」などのことばを投げ掛けることが、子どもの意欲に点火できる。


健康寿命をのばす

2014-12-14 12:19:54 | 日記

 「健康寿命 浜松市1位(男性72.98歳、女性75.94歳)」(14年5月)。厚生労働省研究班より出された。「健康寿命」とは、生活に支障なく過ごせる期間の平均を表していて、厚労省は平均寿命との差を縮めることを目指している。それは平均寿命がいくら伸びても、寝たきりでベットから離れられない生活なら、健康寿命は短いということだ。

 

 70代、80代でも活動できることが健康寿命をのばすことになる。活躍している方々のみなさんは、野菜中心のバランスのよい食事をとり、よく噛んで長時間かけて食べる。毎日1万歩を歩くなど、適度に運動をし、酒もタバコもやらずに、規則正しい生活リズムでストレスの少ない生活を送っているからでしょうか。

 

  元気な方々の一般的な特徴や傾向として、何か目的があり、期待されている、何かに役立っている、などの想いが元気につながっているようです。好きなことを仕事にしていたり、ボランティアをしていたり、夢中になれることを仲間と続けていたりして常に動き回り、思考停止にも陥っていない。

 

 元気の源は、やりたいことをやって、言いたいことを言って、決して思考停止することなく、チャレンジを続けることで、身体も脳も常に活動させているからでしょうか。

 


石油の埋蔵量のナゾ

2014-12-11 11:22:41 | 日記

「石油の『埋蔵量』は誰が決めるのか?――エネルギー情報学入門――」(岩瀬 昇著 文藝春秋新書)を読んだ。

 

40年程前には石油の埋蔵量はあと30年位といわれていた。その30年はとうの昔に過ぎている。今では50年強になっているようだ。埋蔵量とは「技術的に回収可能な資源量」のうち通常方法で経済的な採掘が可能なものをいうらしい。

 

現在、経済性がないと判断して開発しなかった油田、ガス田の価値水準が上がり、最新の技術を利用して開発や生産しているところも多くあり、埋蔵量が増えている現状があるそうだ。また、回収率が向上し、当初の確認埋蔵量以上の生産を実現しているケースもあり、回収率が2割から4割に改善されると埋蔵量は2倍になる、とのこと。であるから、数百年は大丈夫なのだろうか。

 

地下資源のない日本には極めて大事である発想。それは石油や石炭、天然ガスに続く「第5の燃料という名の『効率』」である。エネルギー効率では、スイスやドイツに続いて上位にあるようだが、「発送電ロス」「輸送ロス」を少なくする効率化を進めると、首位を達成することも可能になるらしい。技術革新が更に求められている。

 

私たちが「家庭」で使っているエネルギーは、電気を中心にしてたったの14.2%しかないそうだ。節電、省エネの対象としているエネルギー量はほんの一部である。

一次エネルギーは、石油、天然ガス、石炭、原子力、水力、太陽光や風力などの再生可能エネルギー。私たちが描くエネルギー像は、電気などの二次エネルギーである。しかも、再生エネルギーの期待は高まっているが、電力用としての役割のみで、全ては賄えないのである。石油は化学製品等の原料、石炭は鉄鋼製品生産に欠かせない。だから石油と石炭は代替不能といわれている。

 

一次エネルギーの長期的確保は、国家の安全保障問題と直結するそうだ。

他にもたくさん情報が満載、目からうろこか落ちることばかりでした。