The 理科ロマンスカー

人生を振り返りつつ見過ごしては禍根を残すであろう事柄に着目。
日本の正義・倫理・規範・疑惑等々婉曲的に発信。

OECD加盟国の中で32番目の順位の教育予算額の日本である。だから教員の成り手は現れません!。

2023-10-31 19:20:35 | 日記
教員の成り手不足の主原因を上げる。それは教育予算を増額しないで安上がりに次世代の人材育成を図り、そのおおもとの担い手である文部科学省や政府、行政等が日本の教育や学校を毀損、荒廃、疲弊させていると、厳しいが思わざるを得ない。併せて保護者の理不尽な要求の増大等々が教育活動をゆがめ、教員の負担多忙過多に陥りさせているといえる。

このことは、①教員志望者の激減や教員の休職者増加が年々顕著になり、しかも②不登校児童生徒の減少が見られないことが証左になる。加えて、③学校が面白くない、授業が分からない、もっと練習時間が欲しいなどの児童生徒の声から学力の確保がままならない児童生徒が増加していることにも危機感を強く抱いている。これも極めて由々しきことである。この原因として文部科学省作成の学習指導要領の内容の多さや教材や電子機器やソフトなどの十全な整備確保不足などで授業に支障をきたしていると踏める。

今まで述べた原因の最適改善策を挙げると、教育予算の人件費と教材・教具費等の抜本的な増額、これしか手がない。それもチマチマした予算額ではなく、まずは学校規模にもよるが、1校に小学校なら正規教員4名ほど、中学校なら正規教員5名ほどの増員が可能な人件費を確保することになる。このことにより20人学級は可能になる。これを実現できなければ、日本の教育現場はさらに沈滞が加速し、学校に教員がいなくなる。

大多数の社会に役立つ次世代を育てているのは公立学校であることを忘れていてはお仕舞いである。私立学校の教育に頼っていては取り返しがつかない日本になることは議論の余地がない。誰もが使う言葉である「国家百年の計は教育にあり」を実現できなければ明日の日本はないと悲観的にならざるを得ない。


ビックリだ、目からウロコですよ!!!!!騙されちゃいけない!! 「消費税」から「インボイス制度」を知る

2023-10-23 13:26:54 | 日記
「インボイス」。聞きなれない言葉がテレビのコマーシャルから流れる。私にとっては初めて耳にする言葉。「はてな???」が続いていたぁーーー。

弁護士である郷原信郎氏のユーチューブを視聴していたら自著『「”歪んだ法”に壊される日本」――事件・事故の裏側にある「闇」――』に消費税やインボイス制度のことを詳しく説明されていることを知り、早速アマゾンにポチリ。

著書の「はじめに」に目を配ると、著作の意図が理解できる。(以下引用)。【細かい条文や解釈は別として、法律が何のために定められ、どのように運用されているのかを知ることは、国民にとって避けては通れないことのはずだ。しかし、実際には、法律の内容や運用は一般人にはほとんど理解されていない】。
このような問題意識に立って著作され、わかり易く正しく法を理解してもらうためにまとめられた著書といえる。目次を見ると社会問題になった事件や事故等を取り上げ、著者の解釈や考察や法的理解が詳しく述べられている。

第4章『「消費税は預り金」という”虚構”が日本経済を蝕んでいる』には、消費税に関して詳しく記述されている。今回初めて「消費税法」をネットで閲覧した。何度読んでも私には具体的なイメージは浮かんでこない。著者の解釈によると『「消費税法の規定からは、消費税は「取引の対価」の一部であり「預かり金」ではない」と捉え、消費税の納税義務を負うのは事業者であり、転嫁できない分は事業者の負担になる』とのことであり、「法律の誤解」が日本の経済社会に大きな歪みをもたらしてきたと述べている。であるので商品の価格表示は内税で表すのが妥当のように感じる。
例えば、駄菓子屋で50円表示の飴は消費税を含めての値段であり、あえて消費税を表記するとすれば4円(飴は46円)という具合。このことから消費税は「預かり金」でもなく「益税」でもないと踏める。

「インボイス」とは売上金額や税額が明記された伝票を指すようで、今回の「インボイス制度」は「登録番号・適用税率・消費税などを伝票に記載する制度」であり、日本語では「適格請求書制度」と表記。インボイス制度自体には問題がないようだが、消費税の税としての性格が誤解されている現状では、小規模事業者等が厳しい状況に追い込まれることになるようだ(同書P197)、と著者は危惧している。反対の声が増幅してきていることと符合する。

ところで経団連会長が消費税15%などと発言しているが、輸出品に対しては消費税が免除され(「消費税法」第四条 国内において事業者が行った資産の譲渡等・・・。第五条 事業者は、国内において行った課税資産の譲渡等・・・)、逆に税務署から輸出業者に還付されるようである。輸出大企業の場合、納入する消費税より還付を受ける消費税の方が多く、還付金が巨額に上がることもある(同書P191)。だから消費税率を上げる発言を積極的にしているのかなと、邪推したくなる。

終章には「法の基本的内容運用に対する関心とリテラシーを高めていくことが必要である。法は、国民のためのもの、国民を守るものである。しかし、その内容と運用如何によっては、恐ろしい「凶器」になることもあり得るのである(同書P266)」と綴られていた。
著書表紙の帯には、「”法意識”なき国民は権力にひれ伏す」と表示されている。法律を少しでも優しくわかり易く国民に伝えたいという著者の強い魂と真心が本書より伝わってきました。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」は原文をかなり意訳したもの        ベストセラー作家百田尚樹著 新版「日本国紀」より

2023-10-01 12:37:33 | 日記
 幻冬舎文庫 百田尚樹著新版「日本国紀」上下を読了。百田尚樹氏は新しい政党をいま立ち上げるために多忙な日々を送っている有名な作家である。

 狩猟生活の縄文時代より平成から令和まで、まさしく日本の通史。歴史本は筆者の切り取りの視座により保守側かリベラル側、支配者側か被支配者側か、などなどの立ち位置によって真逆に歴史事実を捉え表現される傾向があり、少なくとも複数の著者の歴史本に目を通すことが、その時代の真実をより明確に認識できる。

 日本の国は連綿と続いており、革命らしきものが起こっていない国なのでドラスティックに変化してきたとはいえない。通史を学ぶ意味は、事が起こる原因を把握理解でき、事の結果の必然認識が容易にできること尽きる。通史は総論であり、各時代や個々の事件などは各論に当たるともいえる。
夥しい数の参考文献を読破され具体的で平易な表現に記述していて、史実を俯瞰的に捉えることが可能となる書物に仕上がっている。是非読まれることを勧めたい。

 その著書の次の一文に心を鷲掴みにされた。
 「『日本が戦争(太平洋戦争)への道を進まずに済む方法はなかったのでしょうか』ーーーーー。私たちが歴史を学ぶ理由がここにある」。
先人が汗水そして血を流した歴史を現代に生きる人々も真剣に真摯に向き合い深く考察することが新しい知見を生み出し良い方向に導くようになる。

 21世紀に入って予想さえできなかったロシアによるウクライナ侵攻が勃発したいま、アジアのきな臭い情勢が気がかりになる。煽っている政治家もいるようだが、日本国紀を読み解くと、いくつかの判断ミスが傷口を広げ、戻れないところに達して戦争に至っているようだ。
個人と個人の関係も国と国との関係も同様であり、いくつかの不具合や齟齬が端緒になって修復不可能な状態に至って個人なら喧嘩や暴力事件、国家間なら戦争に発展するのである。国家間の交流や政治的な交渉などを担うのは政治家や外務省等の官僚等々であるので、これらの方々が認識・理解している歴史的知識や情報が、いろいろな段階での判断や決断に活かされることになる。日本史のみならず世界史の歴史認識も当然保持しておくことが国を正しい方向に導くことになる。

 ところで表題に記述されている言葉が、ドイツ名宰相、鉄血宰相オットー・フォン・ビスマルク、プロイセン国首相で初代のドイツ首相が言ったといわれている。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」はご存じの方が多いと想像できるが、これは原文をかなり意訳したもので、正確に訳すと次のような文章になる。
「愚かな者は自分の経験から学ぶと信じているばかりだ。私は最初から自分の過ちを避けるために、他人の経験から学ぶことを好む」。これが文章に忠実に翻訳したもののよう。(新版「日本国紀」下202頁)
 
 このことは、歴史本に学ぶことは当然であるが、そのなかでも先達の経験から学ぶことであり、小説や人物論、映画等々からも学んで理解し、知識として悲劇を避ける術や方策を会得しておくことが国民の犠牲を避けることができるのである。教養の高い政治家や国民が求められる所以でもある。