The 理科ロマンスカー

人生を振り返りつつ見過ごしては禍根を残すであろう事柄に着目。
日本の正義・倫理・規範・疑惑等々婉曲的に発信。

「新年度より昼食時間5分延長を議論」  横浜市立中学校

2019-03-30 04:53:31 | 日記
「そんなに急いで食べさせて、中学生をどこへ向かわせようとしていますか?」。こんな素朴な疑問が神奈川新聞3月6日付け社説での率直な思い。

 数人が昼食を囲むことによって、悩み事や勉強のことなど色々な話題の交流が自然に生まれる。昼食時の会話が多感な思春期の心のひだに共鳴することがあるだろう。

 昨今いじめ・自殺のニュースが後を絶たないし、増えているとの報道がある。昼食時のコミュニケーションが間接的な防止策に繋がることも考えられる。

 たわいない話題や内面の悩みなどをアウトプット。それに対する反応を受け止め、繰り返す会話は、授業では得られない思春期の心を満たすことにもなる。 
 
 児童・生徒の1日は学校生活が大部分を占め、学校は児童・生徒を人間らしく生きられる場にしてあげたいと日々願っている。
 5分を惜しんで、生徒の心や体などの健康を蝕んではいけない。昼食時間の5分間延長が児童・生徒の幸福につながることは間違いないだろう。

経済・政治の動きにもアンテナを張って                     「日本人の勝算――大変革時代の生存戦略――」を読んで

2019-03-29 15:00:19 | 日記
 観光立国策定はデービッド・アトキンソン氏の発想・提言を政策に反映させせたところで、現在の活況に繋がっているようだ。
 この度同氏が上梓された「日本人の勝算――大変革時代の生存戦略――」2019年1月24日発行(東洋経済新報社)を読了。表紙には「在日30年、日本を愛する伝説のアナリスト×外国人エコノミスト118人だから書けた」と添えられている。

 世界の学者が発表されたおびただしい数の論文を分析、考察され、エビデンスに基づいた提言である。今後40年間で「32%強の人口激減」と「少子高齢化」という2大難課題に対する日本の処方箋とも考えられる。日本の経済学者からは発せられない内容が多い。目からうろこである。これらの難題を金融政策のみでは解決が厳しいようだ。
 
 因みに「32%強の人口激減」は断トツの断トツで2位のロシアの13%強とは比べ物にならない減少である。先進国は今後人口減といわれているが、各国共に1割にも満たない。逆にアメリカでは今後40年間で25,2%の人口増で、4億人を超える。
 
 これらの難題を解決するためには、「継続的な賃上げ」と「生産性向上」が強く提起されている。
 「継続的な賃上げ」についてでは、「全国一律で最低賃金の引き上げ」である。当然経営者の反対は予測できるが、それを突破することが将来の日本を救うことになる。また、全国一律が大きな意味を持つらしい。アメリカは州ごとに異なる様だが日本は広くない。結果的に地方創生にも反映されるらしい。
 
 日本の労働者の質が高いことは、世界中に知れ渡っている。世界的に有名な評価機関のランキングでは、日本の労働者の質は世界第4位にランクされていて、生産性は世界28位。人材の質が高いのでいいものをつくっているが、価格が安いために生産性が低くなっているようだ。

 次に「生産性向上」。人口減では国内需要が減少するので、海外に市場を求めて輸出拡大振興に向けることにあるらしい。現在日本は輸出大国ではないようだ。「生産性向上」実現には、生産性の高い設備の充実等がおおいにものをいう。企業の統合を促進し、企業規模の拡大を実現すること。日本は先進国に比べて従業員が少ない小企業が多いようだ。生産性の向上と輸出拡大は同時並行で進めることが難題解決の近道らしい。

 加えて、高品質低価格ではなく、高品質高価格の品を生産、輸出することが、価格を引き上げることになる。当然これも反対が予想されるが、そこを突破しない限り日本に未来はこない。

 これら実現のための「要石=かなめいし」となる政策が必要になる。まずは、「国による強制力をもった政策=国策」の策定。また、「人材育成トレーニング制度=経営者の意識改革・労働者のスキルアップ等」の策定。これらについて詳しく述べられている。

 学校教育は来年度より大きくシフトするが、それを待っているのみでは日本は破綻すると述べられている。。成人も勤労者も勉強し研修を深め、資質や能力を時代に合ったものに常に更新していくことが難題解決の肝心要になるそうだ。お勧めする一冊であります。