東海道新幹線での焼身自殺事件で、死亡した71歳の男は「国会の前で焼身自殺をしてやろうか」などと、事前に知人に話していたことが分かった。これは今朝テレビが伝えていたものだが、この話を聞いて私は、1960年代の幾つかの焼身自殺を思い出した。
日本では1967年11月11日、ベトナム戦争でのアメリカの北爆に抗議して、由比忠之進さんが首相官邸前でガソリンをかぶり焼身自殺をした。それより前の1963年には、当時のベトナムの首都・サイゴンで、仏教徒に対する弾圧に抗議して僧侶が焼身自殺した。この時は、ベトナム政府のある高官の夫人が「僧侶がバーベキューになっただけよ」と発言し、世界的な非難を浴びた。
また、日本では『フランシーヌの場合』という歌にもなったが、1969年3月にフランスのパリで、ベトナム戦争などに抗議してフランシーヌ・ルコントという女性がやはり焼身自殺を遂げた。このように断固とした抗議の意思表明として、焼身自殺は繰り広げられたのである。
もちろん、焼身自殺は好ましくないが、今回の新幹線での出来事を思う時、71歳の老人は「年金」に対する激しい抗議の意思を表明したのだろう。むろん、この人の自業自得といった面もあるし、他人を巻き添えにしたことは断じて許されるものではない。しかし、人間は追い詰められれば何をするか分からないのだ。
今日はあまりあれこれと言いたくない。ただし、この文を書いていて『フランシーヌの場合』を思い出した。70年安保闘争の頃によく歌われた歌で、年配の人ならきっと覚えているだろう。焼身自殺したフランシーヌ・ルコントを想いながら・・・
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