<過去の記事を一部追加・修正して、復刻します。>
ある国会議員がネットで、「草食系」が多くなった理由として、20代の若者の8割が年収200万円以下だからだと話していた。結論から言うと、私もその意見に賛成である。 草食系については色々な定義があるようだが、特に男子で増えてきたという。
草食系とは元気がないとか、恋愛に消極的で性欲(肉欲)に淡々としているとか、優しくて争いを好まないとか、色々な定義がある。少し言い方を変えると、いつも冷めていて積極的でないということか。
しかし、マスコミや広告代理店が、車が売れない理由として「草食男子が物を買わせないからだ」と評していると、これは明らかに所得や給料が低いということだ。金があれば、ほとんどの若者は良い車を買うだろう。 ところが、前述したように、20代の若者の8割が年収200万円以下では、車なんかに手を出す余裕はないのだ。まして、結婚して子供を産もうなんて気持は萎えてくる。
現代社会は、他にも金が要る要素が多い。昔とは大違いだ。今やパソコンやスマホ、携帯電話などは必需品だ。他にも冷蔵庫、テレビ、電子レンジなどは必要だろう。昔の若者はそんな物がなかったので、給料が少なくてもやっていけたのだ。もちろん、物価も今よりずっと安かった。 だから、「草食男子が物を買わせない」のではなく、物が買えないのだ! 年収が200万円では、誰が高級車など買えるだろうか。マスコミや広告代理店の見方は、本末転倒で間違っている。
それと私は、世の中が「管理社会」になってきたのが、草食系が増える原因だと思っている。何もかも管理社会化してきた。全てがコンピュータ管理されると、変に先が見えて、若者は冒険心とか情熱、野望といったものを失ってきたのではないか。
(追記・・・ いや、防犯カメラなどの普及・発達で、管理社会より「監視社会」になってきたのではないか!)
昔はコンピュータなんかなかったから、先が読めない。先が見えないからこそ、若者はそれぞれ自分で考えて、将来の夢や希望を育んだのである。また、そうしなければ生きる力が湧いてこなかった。自分の意志で将来を切り開かなければ、展望が生まれてこなかったのだ。だから、積極的にならざるを得ない。
ところが、今は妙に先が見えてしまうから(あるいは、そう思い込んでしまうから)、自分はこの程度だと“観念”してしまうのだろう。そうなると、なかなか積極的になれない。自力本願でなく、他力本願になってしまうのだ。恋愛や冒険にガツガツするのが馬鹿らしく見えてくる。
以上は私の独断と偏見で述べたまでだが、世の中が管理社会化し完成度が増してくると、個人の意志や情熱、欲望といったものは疎外されてくる。昔はこれを「自己疎外」と言った。本来の自分が失われるということだ。
だいぶ文化論的になったが、「草食系」が増えた最大の原因は、若者の相対的貧困と格差社会の進行にあると思う。しかし、今の若者が少しぐらい金を持ったからといって、草食系が減るとは思えない。なぜなら、現代社会の管理化が進み、個人の欲望や意志が表明しにくくなったからである。 このテーマは面白いので、機会があればまた論じたい。
いつも拝読しています。
草食系と年収は関係ないような気がするのですが。
昔の年収の少ないときはワイルドな男が多かったではありませんか。
少しくらいハングリーな方がワイルドになれると思うのですが。
私は女性が職業を持つ人が多くなり、強くなったせいではないだろうかと思うのです。
それで出世より家庭の幸せの方を優先する。
そういう親をみているので、子供も出世より平凡な幸せを望む。
40歳過ぎても結婚しない多くの人。
弱い男、強い女では結婚より仕事をしていた方が良いと思うのも無理はないでしょう。
・・・と私も独断と偏た。
これには色々な見方があるようですね。今は多くの物が必要になっているので、年収が低いと意気阻喪になりがちです。
昔は確かに、年収が少なくてもワイルドな男が多かったですね。ということは、時代の違いということでしょうか。昔の若者は貧乏であっても、チャンスが広がっていたように思います。今はなかなかチャンスがないようですね。
女性の職場進出も大きな理由だと思います。相対的に男の立場が弱くなったのでしょう。共稼ぎが当たり前の時代ですからね。
経済的な理由もありますが、子供を沢山産むよりも、自分らの生活を大切にしようという風潮になったのでしょう。
亭主関白の時代は終わりました。社会がそうなっています。したがって、男は優しく弱々しい草食系になったのでは・・・
個々の好みの多様化が消費の分散と減少につながって
車市場の縮小にも繋がっていると思います。
メイドタクシーとかそういうの作れば余裕で
市場回復すると思います。
昔は貧乏だからこそガッツ、ハングリー、ワイルドな精神が旺盛でした。自分で何とかしようという気風が強かったのです。
しかし、今の「管理社会」がそういう精神を萎縮させたのでは・・・
そう考えると、男子の草食化は必然的なのかもしれません。
それに「管理社会化」が徹底して、ガッツや冒険心などが失われた面があると思います。
良い悪いは別にして、これも時代の流れ、趨勢だと思います。
もうあの時代は去って、今の若い人たちが現実的に苦しい時代となっていますね。時代もうねりがあって若い人たちにとって低迷期なのでしょう。。。
夢、希望が持てない若い時代を過ごさなければならないというのも気の毒な気がします・・・と決めつけてしまってはいけませんね^^
賃金だけではないですが、ごく一部の若者を除いて、殆どの若者は夢を持たず、諦めの心境でしょう。それより、育児パパのように家庭に入り小さく生きています。
その育児も出生率が下がり、どんどん少子化になっています。今年は史上最低の87万人になるとか・・・
昔はおキヨさんでも私でも、夢がありました。それが実現したかどうかは別として、とにかくいろいろな夢がありました。
しかし、今の若者にどれほどの夢があるのか、疑わしいです。ごく一部の若者を除いて、本心は諦めの心境でしょう。
しかし、とにかく、日本が「平和」であることが一番の幸せだと思いたいです。