平井美帆著 集英社刊 2022年初版 340P 1980円。 amazonではベストセラー1位だそうだ。あたしは週刊誌の書評で拾った本。図書館検索したらあったので 予約したらかなり待たされて昨日手元にきた。第19回開高健ノンフィクション賞受賞作だそうだ。終戦後の満州開拓団の人たちを守るために犠牲になった若い女性たちの記録なんだが まあ誰も語らなかった歴史の闇を著者が70年近くたって掘り起こしたということ。当事者は誰も語らずでかなり苦労したぽいが形にしたエネルギーはすごいなと思う。さて困ったのはどう感想を述べたらいいのかわからない本なのだ。普通は読んだ後に中から色々出てくるのだけど 本書はなんかもやもやしてどう書いたらいいのかわからない。amazonでベストセラー1位なんで評価を見てみたがこれもなんかぼんやりしてる。とは言えあたしはどう読んだ?かというのが大事だと思うので 言葉が出るまで待ってた。全文332Pだが306Pまでは事実の記録。著者が何を言いたいのか?は終章の25ページ分にある。男が始めた戦争で女は棄てられる・・と言いたいのだろう。これは岐阜の満州開拓団に起こった敗戦後の悲惨な記録だけれど 著者は男の目線からでしか語られない歴史について問題を提起してるわけだがこれは同意。このケースでは性接待をしなければ開拓団の多くは大陸で命を落としたと思うから これはやむを得ない必然であった・・と見たい気持ちもわからないでもない。がそれは弱者に犠牲を強いただけのこと。男という性が女の性を軽く見てると言いたいのだろうがあたしから見ると 権力者が弱者に犠牲を強いた‥と見える。まあ性の問題があるからジェンダー観の問題として挙げた方がわかりやすいから それはわかるし 男の性認識に大きな間違いがあるのも認めるが・・だ。なんかすっきりしなかったのは これは権力側が弱者に犠牲を強いた・・という話だから 政府が防衛の為に沖縄に米軍基地を押し付けたり 東電が首都圏の電力の為に地方に原発を押し付けてるのと何も変わりはしない。性の問題にして強引に結論を誘導するのは うーんだ。 そういう読み方をしたので 本書は良書だと思うが本棚に入れたいか?と言えば微妙。読んでおくべき良書だけど 結論の出し方に諸手を挙げて賛同できない。本書の評価は読まれた方がそれぞれに決めればいいと思うが あたしは図書館にあればいい。もっとも散々待ってやっと手元に来たのは 中央図書館のバーコードではなくて 公民館だったので うちの市の方向性が見えた気がする。まあしかし70年前はソ連兵 今はウクライナでロシア兵だ。人類って何も進化してないのね・・と。アメリカは違うぞ?民主主義は違うぞ・・と言いたい方もいるだろうけど 戦後の進駐軍やアメリカがベトナムでやってきた事を見てる限り大きな違いは無いように思える。基本歴史は勝者の歴史だからだ。
田中真理著 グラフィック社刊 2011年初版 144P 1800円+税 これも先出のグラフィック社なので密度は濃い。これから輪行で旅したい‥と言う人が一番困るのが どうやってバッグに入れるまで分解するのか?だが これはフルカラーで丁寧に順を追って説明されてる。輪行してみたい人はこういうが欲しいんであって あんたの旅行記なんかいらないよ・なのだが それをわかってない出版社が多すぎる。これから輪行して旅してみたい人は本書をお薦めしたい。まあ あたしもだけど。実際の手順は4割 輪行袋のカタログがうざいし残りは著者のツーリング記録なんでこれもいらないのだけど 手順の説明がすごくわかりやすく ロード ランドナー 折り畳みそれぞれに詳しく書かれてるので これだけでもう十分元が取れる。amazonで安かったんで迷わずポチった。まあ その前に図書館で借りた本で中を見たのは言うまでもない。これお薦めですよー
大槻正哉著 グラフィック社刊 2011年初版 144P 1800円+税。これが恐ろしくマニアックな本で写真も適切だし無駄は無いし情報満載なのだが 残念なことにマニアックすぎてほぼその筋のマニア以外には売れなかったとみえて amazonでは古書が5000円するという恐ろしい状態だ。昨今 自転車の世界でメジャーなのは弱虫ペダルに代表されるロードレーサー。より速く誰よりも前へ・・という自転車版 巨人の星かドラゴンボールか?みたいな世界だけど これはタイトル通りにのんびりいこうや・・てランドナーを組む為の本。もうランドナーて国産の完成車はほぼ無いし お家元のフランス物は恐ろしく高い。なんでマニアの人がショップにフルオーダーしたいときの情報やら自分で組む場合の細かい写真やら まーよくもこんな密度の高い本こさえたな・・と思うぐらいマニアック。だが残念なことに マニアックすぎてBBのねじ切りはどうやるか?みたいな フルオーダーできるショップでもない限り無用の情報まで含まれてるが これがマニア心をいたくくすぐるw すさまじく良書だけどすさまじくいらない本でもある。あたしはたまたま図書館にあったんで借りて うーん・・と思ってるわけで 欲しいけど5000円は無いだろうとw マニアの人はもう持ってるか あるいはこの値段でも買うんだろうが あたしの目的は旅なんでこれはパス。欲しいけどねぇ・・ま もし図書館にあったら借りてみることをお薦めする。新車買ったらエンジン下ろして分解してヘッドチューンして ポート研磨してコンピューターをチューンするようなマニュアルだと思ってもらえばわかりやすいだろう。普通いらないよね?w
けやき出版刊 2002年刊 167P amazonでは1000円以上してるが元値は1300円+税。あたしは多摩在住だが平日はほぼ仕事だったし 週末は山梨とか信州~東北と嫁さんとバイクで走り回ってたんで地元に何があるか知らないw まあそこは東京だから京都みたいに道を歩けば名所に当たる・・というわけではないけど 少しくらい知ってた方がいいかな・・と思って借りてみた。当然地元の図書館なので収蔵してる。まあ買う買わないは別として中身は見たい。先にも書いたけど多摩丘陵の西側 町田の里山が載ってたらラッキーで 良ければ古本買うか・・と。 で本書もう20年前なんで お店は知ってる限りあちこち変わってるが 道やら寺は引っ越してないだろうから 一つ古い版もあったので こちらも借りてみた。こちらは最新とあるが1994年初版w amazonでは送料入れて380円くらいで買える。うーん これ改訂5版だけど既に20年前の古書じゃん・・その差1000円と思うと買う気が萎える。どれくらい違うのか比較するために 前の版も借りてみたんだが 内容がほぼ同じ・・ 地図だけちょっとアップデートされてるくらいであんまり意味がない。で 肝心の多摩丘陵の行きたいところの情報は無いし 小金井だの立川だのはどうでもいい。というわけで 多摩地区お住いの方 地元の図書館に必ずありますから 買わないで借りられるといいかと。ちょっと地元お散歩するくらいなら借りてコンビニで地図だけコピーすればいいし後はネットで用がたります。出版元のけやき出版て立川のローカル出版社なんで 本屋で売ってる単行本なのにお店の広告が堂々と載ってるあたりはローカル色丸出しで微笑ましさすらあるw
田村浩著 平凡社新書刊 2010年初版で既に絶版 amazonでは既に15円 メルカリで340円だったかな。先にも書いたけど こういう本は輪行の物理的やり方が知りたいから本を買うので 文字だけの新書ではほぼ役に立たない。これも半分ぐらいは自分のツーリングのウンチク・・酒の席でのヨタ話に近いが先出のよりはマシなだけ。15円・・てまあ送料入れたら300円ちょい出るくらいだが 元々800円+税だし 中身が無いのでこれも意味なし。時刻表のウンチク垂れてるとこだけは参考になるがそれ以外は見るべきところはない。そもそも大幅にダイヤが変わってるんでもうない列車もあるだろうし。 図書館に合ってお暇ならどうぞ・・って感じかな。