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湯川潮音 雪のワルツ

2007-02-03 22:21:04 | 音楽
相変わらず独特の空気感が心地よい。

彼女がどういうアルバムのつくり方をしているのかは知らないが
毎回音づくりのコンセプトがしっかりと、しかも着実に変わっているので
違うCDを聴くたびに、その異なる世界観にドキドキさせられる。

彼女の歌をはじめて知ったのは映画『リンダ リンダ リンダ』だから
全然コアなファンでは無いのだが、
アカペラで歌った「A WATER IS WIDE」を聴いて以来、
すっかり魅せられてしまっている。

音楽の根本は、リズムと歌(語り)にあると思う。
リズムは鼓動、すなわち心臓の音であり、語りは息づかい、呼吸であろう。
心臓の鼓動は生きるエネルギーであり、呼吸はスピリッツとでも言おうか。
美しいとか上手いとか言う前に、
人はその歌の、息づかい(スピリッツ)に惹き込まれていくのだと思う。

あの体育館のシーンには、間違いなく
湯川潮音の息づかい(スピリッツ)が鳴り響いていた。
(見たのはDVDなんだけど・・・)

『雪のワルツ』は前作『紫陽花の庭』の延長で
レトロモダンの色彩をさらに深化させ
楽曲としての完成度が、さらに高くなっている。

『Tide and Echo』や『うたのかたち』が手で削った鉛筆の清々しさだとすれば
これは、職人の手になる上質の万年筆、というところか。
どちらが好きか、というよりも
削りたての木の香ばしさも、渋く漂うインクの香りも
軽々と表現しきる、彼女の才を素直に楽しみたい。

全6曲中、後半の3曲が特によい。
最後の「長い冬」という曲は、
彼女の変わらない息づかいが感じられてホっとする・・・


なんだかんだ言っても鉛筆世代なんだよね、おじさんは。



湯川潮音/雪のワルツ(全6曲・初回紙ジャケ仕様) 1,800


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