万葉短歌-悠山人編

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万葉短歌4321 畏きや3998

2022年04月08日 | 万葉短歌

2022-0408-man4321
万葉短歌4321 畏きや3998

畏きや 命被り 明日ゆりや
草が共寝む 妹なしにして  物部秋持

3998     万葉短歌4321 ShuJ425 2022-0408-man4321

□かしこきや みことかがふり あすゆりや
 かえがむたねむ いもなしにして
○物部秋持(もののべの あきもち)=左注参照。「「<国造丁>は、国造の家から出た防人で、防人の中で最上位の者…。…<物部>は天皇の側近として仕え宮廷の警備に当たるのを任務とする物部連氏に管轄された部民」」。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第29首。題詞に、「天平勝宝七歳〔(755)〕乙未(きのとひつじの)二月相替(あひかはりて)遣(つかはれさゆる)筑紫(つくしに)諸国防人等(さきもりらが)歌」。4321から4432まで、事実上の選者家持自身の詠歌20首を含めて、防人歌群112首。出身地の方言・訛りが多出する。4327歌第二左注<七首>の第1首。左注に、「右一首〔(遠江国)〕国造丁(くにのみやつこの ちゃう)長下郡(ながのしもの こほりの)物部秋持」。
【訓注】畏きや(かしこきや=可之古伎夜)[「ここは嘆き…」]。被り(かがふり=加我布理)[「<被(かがふ)る>はこうぶる、承る」]。ゆり(由利)[「より」]。草(かえ=加曳)[「<草(かや)>の訛り」]。