12日にアップした、
「競輪選手会、覚悟したら」
について、色々なご意見をいただきましたので、本編にてとりあげたいと思います。
poさんより、
・競輪場は潰さず選手は切れというのか?
というコメントがあり、それについては、競輪場を1場でも潰すと、雪崩現象が発生し、また、専用場外化が意外と難しいのではないかという話もした上で、今ある競輪場はなんとしても残さねばならないのではないかという話をしましたが、その他の方から頂いたコメントに対するレスはまだ行っておりませんでした。
Soさんより、
・ギャンブルはカネの集まるところに集中して集まるので、競輪の例でいえば、F2には集まらない、という話と、競輪はスポーツとしても魅力がある競技であり、S級上位レースには当然それがあるが、A級にはそれがない、F2は減らしたほうがいいというお話をいただきました。
その通りだと思います。どのスポーツにおいても、最上位クラスのレベルには別にその競技のルールとか詳しく知らなくても見てみたくなるものですが、そうでないものははっきりいって見向きもされません。
また、当然のことながら、そのような「ハイレベル」な戦いについては一つ、賭けてみようと思うのは必然かと。反対に、見ようという気が向かないものについては、賭けようという気にもならないといえますね。
競競さんより
・競輪場を潰したところで、結局は選手は首を切られる。それと、場外発売のほぼ自由化が進み、下位選手の価値が下がっているというお話をいただきました。
そうですね。多分、選手会とすれば、競輪場が潰れない限りは自分たちの身分は保証されて当然、というような考えで今も恐らくいることでしょうが、果たして競輪場が今の半分くらいに減ってしまったら、選手の数も必然的に半分に減らさねばならない、ということを考えているのか?
そうでないとするならば考えに甘さがあるような気がしてなりません。仮に大相撲のごとく、「ふんどし担ぎ」に転落(つまり、給金なし)してまでも現役を続けようと考える選手がいたとしても、競輪は客からお金を賭けてもらわねばやっていけない稼業であり、エキシビション的なレースを前提としていません。また、下位レベルの選手に対してそのような扱いのレースをタダで見せるからといって、誰が見たいと思うのか?
そう考えると、いい加減、覚悟を決める必要があるように思います。
通りすがりさんからは
・選手会の圧力がある以上、F1・F2の12レース制は避けて通れない、というお話をいただきました。
現実的な見地に立てば仕方ありません。4月からの実施は必至でしょう。
しかしながら、このようなことをやると、ますます施行者の、とりわけF2嫌悪感が増すものと見られ、2008年度もまた、F2開催削減のシュプレヒコールが沸き起こってなかなかスケジュールが決まらない恐れが出てくるように思います。多分、選手会の「最後のあがき」ではないかということもいえそうですが。
小松島和平さんからは、
・日本競輪選手会所属の選手だけしか競輪競走は走れないという条項はない、というお話をいただきました。
自転車競技法における条文を見ると選手に関する項目については、このように明記されています。
「第5条 競輪の審判員、競輪に出場する選手及び競輪に使用する自転車の種類、規格は、経済産業省令の定めるところにより、日本自転車振興会に、登録されたものでなければならない。」
ということは、日本自転車振興会が登録をした選手であれば、つまるところ、誰を走らせてもいいという理屈は確かに成り立ちます。
但し、競輪の場合、施行者との出場契約は日本競輪選手会との間で行われますので、日本競輪選手会に所属しないと、国際競輪に出場する短期選手免許取得の外国人選手を除けば、競輪競走への出場機会は与えられない、という運営方式になっています。
ちなみに、選手資格検定試験という国家試験を合格しなければ、いくら競輪学校を卒業しようとも競輪選手にはなれませんが、裏を返せば、競輪学校を卒業しなくとも、上記国家試験に合格すれば、競輪選手になることができます。したがって、外国人も、上記国家試験に合格し、さらに競輪選手会への登録がなされれば、競輪選手として競走が可能となるわけです。
nisshi さんからは、
・級班人数の大編成や選手への賞金、出場手当て、さらには交通費等の大幅カットをすべき。その上で選手の首切りを行うべき、というお話をいただきました。
確かにこれもおっしゃるとおりで、特に競輪選手は「手当て」にかかる部分が非常なウエイトを占め、特にA3クラスだと、正味賞金額よりも、手当ての額のほうが多いという選手がいます。
そして、手当ての内容自体が少なくとも、選手でなければ分からないといった内容のものが結構あるそうです。ヘタをすると、「お手盛り」のような形になっているものまで考えられ、是非とも、子細を公表してもらいたいもの。
また、いきなり選手の首切りからスタートしてしまうと、大義名分が立たず、下手をすると選手会から訴えれた挙句、敗訴する恐れも考えれます。まずはカネにかかる大幅なカットを実施し、その上で選手をやめさせる、という考え方といえます。
通りすがりさんからは、nisshi さんのお話にも関連して
・そのようなことをすれば、まず、誘導員ストライキからはじまって施行者は喜んで競輪場を潰すのではないか。さらに交通費の自己負担という形だと、遠隔地への斡旋を拒否するのではないか、というお話をいただきました。
競輪選手は労働者ではない、という判例があり、したがって、労働三権にかかる権利はありません。つまるところ、競輪選手は競輪選手会に所属する民法上の「社員(日本競輪選手会定款第五条に定める)」であり、この社員とは、株式会社でいうところの「株主」に相当する扱いです。
ところで、日本競輪選手会は「社団法人」という組織体であり、選手という「社員」が集結して組織されています。
したがって、労働者の場合でいう、ストライキというもののようなものを行う場合には、競輪選手会という組織をもって、各施行者に対して出場契約をしない、という手段をとらなければなりません。
昔、後楽園競輪の事実上の廃止話が持ち上がったとき、競輪選手会が後楽園競輪への出場契約を行わないという手段をとったことがあります。また、グランプリ89の中止の際は、仰せの通り、誘導員を参加させないという手段が講じられました。 もちろん、こうしたやり方であれば、選手を特定の競輪場へ出場させないことは可能です。
しかし一方で、施行者側も選手会との出場契約を解除することが可能であり、今の「力関係」からすれば、G開催では選手側が「強い」ように思えますが、F開催では逆に施行者側のほうが「強い」ということを考えると、選手会が出場ボイコットをすることは賢明とはいえず、さらにG開催といえば、トップクラスの賞金獲得機会を奪ってしまうことにもなるので、選手会内部からも反発が強くなる恐れがあると考えられます。
ということは、現在の競輪の運営方式に則れば、「痛し痒し」といったところでしょうか。
poさんからは、
・ヒラ開催で勝負したいのに、F2開催が減ればそれがままならなくなる、というお話をいただきました。
私も旅打ちに際しては、競輪の場合、ほとんどがヒラ開催でした。それは、ヒラ開催だとその場の「本当の姿」が分かるからです。記念・特別だと今や全国から客が来るので、その場の独特の雰囲気にはなりにくいと考えられたことにもあります。
したがって、私も案外競輪のヒラは嫌いではないんですが、さすがに旅打ちを全部終わると、果たして、F2の盛り上がりのなさが続いて競輪は将来大丈夫なのか?と思ったもの。とにかく、F2には迫力はもちろん、客の盛り上がりという点が乏しい気がします。
F2を全廃すること(前にも述べましたが、それをやるとF1の「F2化」が心配)には反対ですが、年間13節はやはり多すぎ、その半分程度で十分(6~7節)だと思いました。
名無しさんからは、
・年間40日開催制に賛成。もしそれができれば、開催が減る分、スポーツ紙の情報も拡張できる、とのお話をいただきました。
九州スポーツのオートレース欄を以前見た際、オートレースの開催が大幅に減ったことから、なんと、川口オートのヒラ開催なのに、ドーンと川口開催の記事が大きく掲載されていました。ひょっとすると、競輪も開催を減らせばそのようにできるのかな、と思ったものです。
他にも名無しさんからは、
・競輪も前検日にタイム計測をして初日から買いやすいようにしろ、というお話もいただきました。
これもある意味必要なのかもしれません。
12日の内容についてのコメントについては、知らないことばかり出てきたもので、敢えて今回、こうした形でレスポンスさせていただきましたが、要は、競輪の特にF2についての取り扱いについて、かなり真剣に考えていらっしゃる方が多いと見受けられました。
当ブログでどうなる、ということではもちろんないわけですが、もしも、振興会や選手会の関係者の方がご覧になっているのであれば是非とも参考にしていただきたく思います。
みなさん、真剣に競輪の行く末を考えていらっしゃいますので。