公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

王者が引退

2007-02-03 17:49:24 | 競馬

Yahoo競馬より

ばんえい記念4連覇のSペガサスが引退

2007年2月3日(土) 9時39分 日刊スポーツ

Photo
昨年のばんえい記念で史上初の4連覇を果たしたスーパーペガサス

 ばんえい最高峰レースのばんえい記念を4連覇中のスーパーペガサス(牡11、大友)が、今季の同レース(3月25日)に出走せず引退することが2日、分かった。管理する大友栄人師(44)が明かした。

 スーパーペガサスは、ばんえい競馬で最も重い1トンのソリを引いて争うばんえい記念で02~05年度(03~06年)に史上初の4連覇を達成。今季の大目標を5連覇に置いていたが、昨年5月のレース後、つめにひびが入ったり割れたりする裂蹄(れってい)が、以前からあった右後脚に加え両前脚にも発症し、休養に入っていた。

 ばんえい記念まで1カ月半ほどだが、大友師は「運動もできず、レースに出られる状態ではない。もともと今年度で規定の定年になりますからね。今は少しでも病状が回復して種牡馬としてやっていけることを願っています」と話した。現在は、音更町の牧場で静養、治療を続けている。

 キンタロー、サカノタイソンなど歴代の名馬でも達成できなかった記録を次々と塗り替えた。主催者側では「引退セレモニーに出られないようでしたら、特集を組むなどして栄誉をたたえたい」と話している。

  

○スーパーペガサス

 ▽父 ヒカルテンリュウ▽母 アサヒシャルダン(マルゼンストロングホース)▽牡11▽馬主 大友栄司▽調教師 大友栄人▽生産者 三井宏悦(帯広市)▽戦績 155戦42勝▽総収得賞金 1億73万9000円▽主な勝ちクラ 03、04、05、06年ばんえい記念など重賞20勝

 ○スーパーペガサスの主な記録

 ◆ばんえい記念4勝 3勝は過去にキヨヒメ(79、81、82年)、キンタロー(83、85、86年)、フクイチ(95、97、98年)の3頭が達成している。2連覇は7頭いるが、3連覇以上はスパーペガサスただ1頭。

 ◆1億円馬 昨年のばんえい記念勝ちで1億円を突破し、通算獲得賞金で歴代7位に上り詰めた。現役ではただ1頭の1億円馬。同馬の父ヒカルテンリュウ(85~92年、27勝)も歴代4位となる1億461万1000円を獲得している。

 ◆重賞勝ち数 重賞20勝は歴代1位。2位は16勝でタカラフジ(83~90年)、3位は14勝でキンタロー(79~86年)が続いている。


昨年の時点で、ひょっとしたらばんえい記念出走はムリかもと言われたスーパーペガサスだが、定年レースとなるばんえい記念に出走することなく引退することになった。

ばんえい記念4連覇、ばんえい4大タイトル戦(旭王冠賞・岩見沢記念・北見記念・帯広記念)完全制覇(グランドスラム)など、数々のタイトルを獲得。「王者」の名に相応しい活躍ぶりであった。

もちろん、この後は種雄馬としての活躍が期待される。

「新生・ばんば」は4月からスタートするが、それと入れ替わるように、スーパーペガサスの定年による引退は決まっていた。

しかし、ばんえい記念5連覇を期待するファンの声が当然のことながら高く、ここまで待ったものの、運動もできない状況では仕方ない。

さらば!王者!


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清嶋引退

2007-02-03 07:28:20 | 競輪

日刊スポーツによると、85・87年の日本選手権を優勝した清嶋彰一選手が近々引退届けを出すと報じている。

昨年6月に練習中に足を骨折。回復が思わしくないことに加え、50歳という年齢のこともあって、本人曰く、

「体力の限界」

と、あの「大横綱」と同じ表現を使って事実上の引退表明をした。

清嶋はもともとバレーボールの選手で、駒大時代はセッターとして1年から主力として活躍。さらに、全日本級の実力があるといわれていたが、当時、全日本チームは大型化をまい進していた時期でもあり、身長が180センチそこそこの清嶋には「お呼びがかからない」と見られていた。清嶋もそのことを覚悟していたみたいで、2年で中退し、その後競輪転身。

逆に競輪界では「大型先行選手」と言われた清嶋は、体をフルに使ったパワー走法で、同じくバレーボール出身の滝澤正光とともに、中野浩一を大いに苦しめ、また、数々の名勝負を演じてきた。

清嶋の先行スタイルは、「ローリング走法」、「ダッチロール走法」とも言われ、一度前に出ると一旦ペースを緩めて相手の出方を伺い、後方からの仕掛けがないと見るや一気にスパートをかけるというものであった。そのあたりが、同じ「大型先行選手」として良きライバルでもあった滝澤正光の怪力走法とは違っていた。

84年の競輪祭決勝、当時絶不調だった中野浩一をさしおいて、清嶋に人気が集中するも、中野-井上の巧妙な作戦に嵌って、何もできないまま3着に終わり、悔し涙にくれていたが、翌年の立川・日本選手権では常に「名コンビ」と言われた山口健治-尾崎雅彦を従え堂々と逃げ切って初タイトル。しかしこの大会、中野が欠場していたこともあって、清嶋はいささか心残りな面があったみたいだ。

87年の千葉・日本選手権でも、滝澤が準決勝で脱落していたとはいえ、お得意のローリング走法を駆使して、この年、世界選のケイリンを制するなど、日の出の勢いにあった本田晴美に番手に入られるという厳しい戦いを強いられながらも、直線に入って本田に「脚を三角に」回らせ、大外を強襲してきた戸辺英雄の猛追を退けて優勝。またこの当時のダービーは、滝澤→清嶋→滝澤→清嶋→滝澤、といった流れで2人が優勝をたらいまわしにしていた。

また、85~88年のグランプリだが、道中風を切って走っていた選手は一体誰か?答えは唯一人。そう、清嶋であった。

その後、奥さんの郷里である福井に移籍。人情味溢れる性格からか、多くの弟子を抱えるも、やがて、当時福井のボス的存在であった鷲田善一と「抗争状態」となり、ついには訴訟問題にまで発展するなど、その当時は競輪界の「トラブルメーカー」として名前が常に挙がっていた。

福井を追われた清嶋は当時はまだ競輪が根付かない地であった沖縄に移籍。すると、輪界一「人情味の厚い」男として知られる清嶋を慕ってか、その後多くの選手が沖縄へと転籍した。

ま、清嶋についてのエピソードっていろいろあるみたいなんだが、何か、引退と聞くと寂しいねぇ。

とりわけ、中野浩一に対しては並々ならぬ「敵意」があり、中野の著書である、「競輪へ行こう」でも書かれていたが、新人の頃、中野にうまく自分の後位に入られ、そのたびごとに「番手捲り」されて、いつか中野を力でねじ伏せたい、という思いを抱いていたみたいだ。すると、いつの間にか中野に後ろに入られても番手捲りはおろか、交わされなくなり、中野に、

「一番やりにくい相手」

と言わしめた。

ところで清嶋は確か、中西龍太郎と共同オーナーでリゾートマンションを経営しているんだろ。ま、引退してもしばらくの間は「安泰」だろう。 

コメント (4)
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早くもクラシックの匂い

2007-02-03 05:27:16 | 競馬

4日の日曜日に行われる共同通信杯だが、登録馬はわずか9頭ながらも、なかなか興味深いメンバー構成。

ディープインパクトの弟・ニュービギニング(父はアグネスタキオンだから半弟。ちなみにアグネスタキオンはサンデーサイレンスとアグネスフローラとの間にできた仔)が、丁度兄貴と同じく、キャリア3戦目で初めて重賞に挑む。

ところで今やウインドインハーヘア産駒はどの世代も注目を浴びるようになったが、以前、Inaba氏より面白いコメントを頂き、ブラックタイドやオンファイアのような、馬格が480キロを超える馬は故障(屈腱炎)に泣かされたが、ディープインパクトやこのニュービギニングは450キロ行くか行かないか。だからニュービギニングは期待できるのではとのこと。

また、5歳デビューという遅さながらも、デビュー後5戦無敗を続け、惜しくもラストランとなったスプリンターズSだけが敗戦として記録されたレディブロンドも460キロ台だった。

ウインドインハーヘアの血筋というのは、もともと、超越した競走能力を仔に伝えることができるんだろう。しかし、「超越」的な能力というのは時として競走面で負担を強いることに繋がり、馬格が大きいと致命傷になりかねない、ということがいえるのかも。

そのニュービギニングに対し、実績では当然こちらのほうが上だが、ただいま重賞連覇中で、3戦無敗のフサイチホウオーもまた、3歳緒戦はこのレースから。

恐らく1番人気はこの馬が背負うことだろうが、一方で今後のクラシック戦線を占う上においても、ニュービギニングにはここでは負けられないともいえる。そして、勝てば断然牡馬クラシック戦線は今後も優位に進めていくことになろう。

この「2強対決」だけでも面白いのに、これに加えて昨年のダート2歳王者・フリオーソまで参戦する。

全日本2歳優駿のときは、アジュディミツオーやシーチャリオットのようなオーラ性こそ感じないが、他とは能力が違うような内容だった。

もちろん、芝のレースははじめて。地方所属馬が初めて芝の競馬を経験する際は決まって不利と見られるケースが多いが、鞍上の内田博幸は自信ありげ。

http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2007/02/02/03.html

果たして、「3強対決」となるのか?それにしても今年は早くもこの時期からクラシックの匂いがする。例年、ローテーションの関係から有力馬が集結して対決するのは皐月賞が初めて、というケースが目立ったが、それこそ、グレード制導入以前のときのような、冬場から「大物同士」の対決が見られるのは興味が沸く。

さらに土曜日に行われるエルフィンステークスには、昨年の阪神ジュべナイルフィリーズで男馬顔負けの末脚を披露したウオッカが登場。

G1勝ち馬ということで、他よりも2キロ重い斤量を背負うが、メンバー的に見て負けられないのは言うまでもなく、貫禄で勝ってもらいたいもの。

ちなみに今年の3歳馬からついにサンデーサイレンス産駒はいなくなった。

ポスト・サンデー、ポスト・ディープと言われる今年の中央競馬界だが、少なくとも、3歳のクラシック戦線がこの時期から興味をそそるということになると、新たなスター誕生の予感がしてくる。


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