
ゼレンスキー大統領 “停戦ほど遠い”にトランプ大統領が非難 NHK 2025年3月4日 7時05分
アメリカのトランプ大統領は、ウクライナのゼレンスキ―大統領が「ロシアとの停戦合意にはほど遠い」と述べたとしたうえで、「最悪の発言だ」と非難しました。トランプ政権は停戦に向けたウクライナ側の姿勢を疑問視しており、対立が解消する見通しはたっていません。
AP通信は、ウクライナのゼレンスキ―大統領が訪問先のイギリスで2日、「ロシアとの停戦合意に達するにはほど遠い」と述べたと伝えました。
これについてアメリカのトランプ大統領は3日、SNSに「最悪の発言だ。アメリカはもう長くは我慢しない。この男はアメリカの後ろ盾がある限り、平和を望んでいない」と投稿し、停戦に向けたゼレンスキ―大統領の姿勢を激しく非難しました。
両国関係をめぐっては先月28日の首脳会談で口論に発展し、予定していたウクライナ国内の鉱物資源の権益をめぐる合意文書への署名も見送られ、その後もトランプ政権は停戦に向けたウクライナ側の姿勢を疑問視するなど、対立が解消する見通しはたっていません。
一方、ゼレンスキー大統領が訪問したイギリスでは、スターマー首相が停戦後の平和を守るため有志連合を結成する考えを示したほか、フランスのマクロン大統領はまずは海や空での戦闘、それにエネルギー施設への攻撃を停止する1か月間の停戦を行い、和平が実現すれば平和維持部隊を派遣する考えを明らかにしています。
両首脳はアメリカによる安全の保証が必要だという考えも強調し、アメリカとウクライナの関係を修復できるかが焦点となっています。
トランプ大統領 欧州の対応についても非難
トランプ大統領は3日、SNSへの投稿で「ヨーロッパはゼレンスキー氏との会合で、アメリカなしでは仕事ができないとはっきりと表明した。ロシアに対する強さを示す意味ではあまり良い発言ではない。何を考えているのか」と非難しました。
ウクライナの安全の保証をめぐって、トランプ政権は、ヨーロッパがいっそうの役割を果たすべきだと主張しています。
専門家 “ゼレンスキー氏 厳しい立場に”
アメリカとウクライナの首脳会談が激しい口論に発展し、予定していた鉱物資源の権益をめぐる合意文書への署名も見送られたことについてアメリカ政治に詳しい上智大学の前嶋和弘教授に話を聞きました。
前嶋教授は口論となった背景について「トランプ大統領はあの場を自分の支持層向けにウクライナから鉱物資源を勝ち取った場としたかった。一方、ウクライナ側はアメリカに鉱物資源を半永久的にプレゼントするだけだったら安全が守られないというところがあった。国の命運をかけた外交をゼレンスキー大統領は行っていた」と述べ、会談を巡って双方の思惑が大きく異なっていたと指摘しました。
その上で「あの場でトランプ大統領とバンス副大統領を怒らせないためには『ロシアとしっかり話をする』といった絶対に言えないことを言うことだった。ゼレンスキー大統領の後ろには家族が亡くなったウクライナ人がいるわけで、その人たちの声を代弁しないといけなかった」と述べ、ゼレンスキー大統領が国民の声を代弁する道を選んだことで激しい口論につながったという見方を示しました。
そして口論が起きた場面については「トランプ大統領はゼレンスキー大統領がいかに、いこじでロシアとの平和交渉に全く興味がなく、自分の主張をする男だと支持層向けにPRした。ゼレンスキー大統領にとっては大きなマイナスになった」と指摘し、関係の修復に向けては、ゼレンスキー大統領が厳しい立場に立たされていると分析しています。
アメリカのトランプ大統領は、ウクライナのゼレンスキ―大統領が「ロシアとの停戦合意にはほど遠い」と述べたとしたうえで、「最悪の発言だ」と非難しました。トランプ政権は停戦に向けたウクライナ側の姿勢を疑問視しており、対立が解消する見通しはたっていません。
AP通信は、ウクライナのゼレンスキ―大統領が訪問先のイギリスで2日、「ロシアとの停戦合意に達するにはほど遠い」と述べたと伝えました。
これについてアメリカのトランプ大統領は3日、SNSに「最悪の発言だ。アメリカはもう長くは我慢しない。この男はアメリカの後ろ盾がある限り、平和を望んでいない」と投稿し、停戦に向けたゼレンスキ―大統領の姿勢を激しく非難しました。
両国関係をめぐっては先月28日の首脳会談で口論に発展し、予定していたウクライナ国内の鉱物資源の権益をめぐる合意文書への署名も見送られ、その後もトランプ政権は停戦に向けたウクライナ側の姿勢を疑問視するなど、対立が解消する見通しはたっていません。
一方、ゼレンスキー大統領が訪問したイギリスでは、スターマー首相が停戦後の平和を守るため有志連合を結成する考えを示したほか、フランスのマクロン大統領はまずは海や空での戦闘、それにエネルギー施設への攻撃を停止する1か月間の停戦を行い、和平が実現すれば平和維持部隊を派遣する考えを明らかにしています。
両首脳はアメリカによる安全の保証が必要だという考えも強調し、アメリカとウクライナの関係を修復できるかが焦点となっています。
トランプ大統領 欧州の対応についても非難
トランプ大統領は3日、SNSへの投稿で「ヨーロッパはゼレンスキー氏との会合で、アメリカなしでは仕事ができないとはっきりと表明した。ロシアに対する強さを示す意味ではあまり良い発言ではない。何を考えているのか」と非難しました。
ウクライナの安全の保証をめぐって、トランプ政権は、ヨーロッパがいっそうの役割を果たすべきだと主張しています。
専門家 “ゼレンスキー氏 厳しい立場に”
アメリカとウクライナの首脳会談が激しい口論に発展し、予定していた鉱物資源の権益をめぐる合意文書への署名も見送られたことについてアメリカ政治に詳しい上智大学の前嶋和弘教授に話を聞きました。
前嶋教授は口論となった背景について「トランプ大統領はあの場を自分の支持層向けにウクライナから鉱物資源を勝ち取った場としたかった。一方、ウクライナ側はアメリカに鉱物資源を半永久的にプレゼントするだけだったら安全が守られないというところがあった。国の命運をかけた外交をゼレンスキー大統領は行っていた」と述べ、会談を巡って双方の思惑が大きく異なっていたと指摘しました。
その上で「あの場でトランプ大統領とバンス副大統領を怒らせないためには『ロシアとしっかり話をする』といった絶対に言えないことを言うことだった。ゼレンスキー大統領の後ろには家族が亡くなったウクライナ人がいるわけで、その人たちの声を代弁しないといけなかった」と述べ、ゼレンスキー大統領が国民の声を代弁する道を選んだことで激しい口論につながったという見方を示しました。
そして口論が起きた場面については「トランプ大統領はゼレンスキー大統領がいかに、いこじでロシアとの平和交渉に全く興味がなく、自分の主張をする男だと支持層向けにPRした。ゼレンスキー大統領にとっては大きなマイナスになった」と指摘し、関係の修復に向けては、ゼレンスキー大統領が厳しい立場に立たされていると分析しています。