障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

障害年金 地域差検討会(等級判定のガイドライン)の行方

2015-12-17 | 社労士の障害年金
こんにちは!社労士の吉野千賀です!

ブログを更新して、情報発信していくことも

今年の目標のひとつでした。

12月になって、今更という感じもなくはないですが

今週2回目の更新です。



12月中旬に開催するという風の噂で、

厚生労働省からの開催案内を

今か今かと待っていました。

精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会(第8回)」のことです。

(↑長いので、「検討会」と呼びます。)

共同通信社発の報道によると、

12月中旬開催は見送り、1月に開催されることになったそうです。

その理由は、これも報道によると、

日本精神神経学会など7団体でつくる「精神科七者懇談会」が

11月に厚生労働省へ以下の申し入れをしたから、だそうです。

---------------------------------------

「障害基礎年金を受け取っている精神・知的・発達障害者のうち、
1割に当たる約7万9千人が支給停止や支給減額になる恐れがある

年金を受給できなくなると障害者は大きく動揺し、症状の悪化や意欲の低下につながる

-------------------------------------

日本経済新聞 2015年12月12日報道

これを受けて、

今までの検討会で固めた「等級判定のガイドライン」をもって、

12月中旬に開催する専門家会合で終了しようとしていた厚生労働省は、

再度、検討することにした、ということです。




そもそも、障害基礎年金の都道府県による認定の地域差をなくす目的

今年2月に始まった検討会は、

最初は、目的とおりに、障害基礎年金の地域差の話をしていたのに、

途中から(第4回検討会から)

何気に障害厚生年金のデータを入れ込んだ分析結果を入れ込み、

いつの間にやら、

3級もある障害厚生年金に事実上合わせるような

「等級判定のガイドライン」を作成し始めました。

第6回検討会での厚生労働省の弁によると、

障害基礎年金と障害厚生年金は、同一の法令及び認定基準に基づき

等級判定を行っておりますので、

ガイドラインについても、

同一の内容で公平に定める必要があると考えます」



傍聴していて、「えっ!?」と驚きました。

だって、障害基礎年金には3級がありません。

その代わりに、障害厚生年金よりも広い範囲の「2級」でカバーしているのです。

同じ障害の程度の人がいたとして、

障害厚生年金で請求すると3級、

障害基礎年金で請求すると2級 が支給決定されることは、ままありました。

そういう方々が、

今まで決まっていた「等級判定のガイドライン」が運用開始されると、

「3級」該当となる可能性があり、

そうなると、事実上は不支給になる懸念があったのです。

この懸念については、

9月に行われた「パブリックコメント」でも意見が出されていました。

でも、パブリックコメント後でも

等級の目安」においては、意見を反映することなく、進んでいきました。

ああ、このままで決定なんだな・・・と思っていたところ、

11月に「精神科七者懇談会」の意見の申し入れを受けて、

再度、検討するということなのです。

検討会を傍聴していた方や、

ガイドライン運用に興味があってwatchしていた方は、

薄々、あああ、あの部分のことかな?と予想できていると思います。

私もたぶん、この部分かな?と思っています。

ガイドラインの等級の目安

障害の程度(3)X 障害の判定平均の「2.5-2.9」のゾーンです。

もしかすると、違うかも?

でも、そうであって欲しい・・・。

さて、これからは、何気に宣伝ですが、

今までの検討会(ガイドライン)の経緯を、

11月に結構な時間をかけて、頑張ってまとめました。

それが、日本法令「年金相談 第8号」に掲載されます。

検討会の議事録から主要な部分を抜粋しました。

ガイドラインの経緯が短時間で把握できると思います。

ぜひ、参考にしていただければ幸甚です。





ところで、最終決定を覆すほどの意見をもつ

精神科七者懇談会」のこと、

私は今まで知りませんでした。

ネットで検索したところ、以下の7団体の懇談会だそうです。

(社)日本精神神経学会
精神医学講座担当者会議
(社)日本精神科病院協会
国立精神医療施設長協議会
(社)全国自治体病院協議会
(社)日本精神神経科診療所協会
日本総合病院精神医学会

病院と精神科医の集まりということでしょうか。

患者団体・日弁連・労働連合などがパブリックコメントで意見を言っても

少ししか方針を変えなかった厚生労働省が、

今後、どのように方針を変えるつもりなのか、

引き続き、watchしていきます。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【関連記事】障害年金請求サポート専門社労士吉野千賀ブログの「社労士の障害年金」記事一覧
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------

【お知らせ】

一般の方向けに「スッキリ解決!みんなの障害年金」を出版しました。

三五館という「ジョコビッチの生まれ変わる食事」を出版している出版社からです。

おかげさまで、刊行2か月ちょっとで1万部に到達しました。ありがとうございます。

ご興味のある方は、こちらで購入できます。

よしの社労士事務所では、障害年金に関するご相談は無料です。専門家としてアドバイス致します。
直接お電話(03-6380-8611)いただくか、メール(info@cyoshino-office.com)でご連絡ください。
なお、匿名でのご相談は受けておりません。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------

Have a nice day!

Chika Yoshino

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お客様アンケートに励まされて | トップ | 年末によせて »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

社労士の障害年金」カテゴリの最新記事