由起子が住んでいる稲城の西隣りが若葉台で、よこやまの道が始まる多摩東公園から比較的近いので、土曜の朝、若葉台駅から公園に向かう事にした。
駅から多摩大学辺りまで上りきると一番見晴らしがよくなり、聖蹟桜ヶ丘方面まで下る道も度々歩いている。
岐阜に旅行して以来、良一が会うのを避けている気配があり、由起子は自分に都合の悪い話を聞いて隠しているのだろう、と推測していた。
達彦が何をしたとしても関心が薄くなっているので、驚くよりも呆れる方が強いだろうと思っている。
8月も終わりに近づいているが、今の日本は9月のお彼岸頃までは夏の延長になって来ている。
達彦は相変わらず出張が多く、ついこの間も岐阜に出かけていた。良一が会ってきた村瀬から連絡をもらっているので、行けば必ず分かる、最低でも月一回は行く様だ。やはりあそこが問題の根っこなのだ、事情を知らなくても感ずるものが有る。
この際達彦の後を着けてでも、現場に乗り込んで話をつけてしまおうかと考えていると、良一から、話があるので会いたいと連絡があった。
まだ早い時間なので昼には充分間に合う。唐木田駅で待ち合わせることにした。
駅を出てすぐ右に戻る形で、ハンバーガーショップを過ぎるとすぐ左側に小さなレストランがある。個人宅を改造して営業しているらしく、落ち着いたインテリアで、普段何気なく寄るのに最適だ。二人共香りの良いコーヒー付きのランチセットを頼んだ。
「急に呼び出してすいません、用事があったのではないのですか?」
「いいえ、朝早めに起きて、よこやまの道の出発点に行ってたのよ」
「歩くつもりだったのですか」
「そう、あなたと最初に出会ったのもよこやまの道でしたし、この頃会ってくれそうもないから、歩きながら考えてみようと思っていました」
「すいません、調べていたのです、一つ分かりました」
「悪い話?」
駅から多摩大学辺りまで上りきると一番見晴らしがよくなり、聖蹟桜ヶ丘方面まで下る道も度々歩いている。
岐阜に旅行して以来、良一が会うのを避けている気配があり、由起子は自分に都合の悪い話を聞いて隠しているのだろう、と推測していた。
達彦が何をしたとしても関心が薄くなっているので、驚くよりも呆れる方が強いだろうと思っている。
8月も終わりに近づいているが、今の日本は9月のお彼岸頃までは夏の延長になって来ている。
達彦は相変わらず出張が多く、ついこの間も岐阜に出かけていた。良一が会ってきた村瀬から連絡をもらっているので、行けば必ず分かる、最低でも月一回は行く様だ。やはりあそこが問題の根っこなのだ、事情を知らなくても感ずるものが有る。
この際達彦の後を着けてでも、現場に乗り込んで話をつけてしまおうかと考えていると、良一から、話があるので会いたいと連絡があった。
まだ早い時間なので昼には充分間に合う。唐木田駅で待ち合わせることにした。
駅を出てすぐ右に戻る形で、ハンバーガーショップを過ぎるとすぐ左側に小さなレストランがある。個人宅を改造して営業しているらしく、落ち着いたインテリアで、普段何気なく寄るのに最適だ。二人共香りの良いコーヒー付きのランチセットを頼んだ。
「急に呼び出してすいません、用事があったのではないのですか?」
「いいえ、朝早めに起きて、よこやまの道の出発点に行ってたのよ」
「歩くつもりだったのですか」
「そう、あなたと最初に出会ったのもよこやまの道でしたし、この頃会ってくれそうもないから、歩きながら考えてみようと思っていました」
「すいません、調べていたのです、一つ分かりました」
「悪い話?」
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