孤独な反乱者

　現在、進行中の日本シリーズは全く関係はないととばかりに、読売巨人球団の内紛が続いている。発端は清武球団代表が、唐突に記者会見を開き、渡辺球団会長の現場を無視した独走振りを批判したことに始まる。この会見を見る限りでは、マスコミ界やプロ野球界に長らく君臨して独裁者ぶりを発揮する渡辺球団会長に対する反乱の様相が伺えた。

　ところが今度の行動には、企業人の行動を逸脱する暴挙であるとの世間の批判が集まっている。要は球団内部で処理が可能な範囲の問題であり、外部に対して公表すべきないない問題も含んでいると指摘されている。ただ小生の見るところでは、球団社長と代表が編成案を作成して、会長の承認も得た上で実行するべく用意していた事項を、代表権のない会長が簡単に変更しようとした点に問題があると思う。

　最終的には清武代表は球団の取締役を解任され、来季の球団の編成案は白紙に戻されるようである。企業としては当然の決定になるが、解任には法的手段も辞さないとする、孤独な反乱者の行方はどうなるのだろうか。また現場のコーチ陣や選手諸君も来季の契約に向けて不安を抱えている。早急なる収束を図って欲しいものである。

　プロ野球ファンのひとりとして、球界の盟主を任じて来た読売巨人軍の騒動は、プロ野球球団が抱える親会社との関係にも一石を投じたものと思う。まず日本シリーズを優先させて欲しいものだと思っている。