ピーナッツの唄

毎日の出来事や、スポーツ観戦、読書や映画等の感想を中心に、好奇心旺盛に書いています。

映画「利休にたずねよ」

2013-12-15 20:55:15 | 映画
昨日の土曜日には直木賞受賞作が原作の映画「利休にたずねよ」を鑑賞してきました。市川海老蔵主演のこの映画、原作を読んだ時から映画化されたら是非鑑賞したいと思っていた作品です。

映画は利休が豊臣秀吉に切腹を命じられて、切腹せざるを得いその朝から始まります。豪雨のなかの廊下で静かにその時を待ち冥福する主人公に、妻の宋恩(中谷美紀)が貴方様の心の中には永い間も忘れられない女性が居られたのですねとたずねる。その言葉が伏線になっている様である。

物語はその日の20年前に織田信長との出会いがあり、お互いに天下を掌中に収め様とするライバルがまたひとり現れたと感嘆させる。そしてまた時代が経過して豊臣秀吉との因縁の時代に突入することになる。茶道を通じて多くの大名との交友を深める利休に対して、秀吉の懐疑心は徐々に高まってくる。

決して人に見せようとしない「緑の小壺」の秀吉への献上を命じられるが断固として断る。さらに娘を秀吉の側室にと望まれるがそれも断る。さらに大徳寺の山門上に利休の木像が設置されたことを奇禍として、秀吉側近の石田三成が益々利休の排斥に動き出す。

映画はその後、利休の若かりし頃の哀しい恋の物語となる。緑の小壺はその相手の娘が大切に持っていた遺品だったのだ。その恋の果てに人間として、茶道の道にと邁進する過程で茶道の師(市川団十郎)に生涯の生き方を示唆されるのである。

自身が額ずくのは「美」以外にはないと言い切る利休は逍遥として切腹の道を選ぶのである。原作を読んだ者としては、対秀吉との経緯だけに主体をおいた映画には物足りなさを大いに感じるのである。

小生は利休の妻を演じる中谷美紀の凛とした佇まいに感心している。主人公の市川海老蔵を凌駕するのではないかと評価したい。

映画は Aの下 と評価する。もっと原作の心にしみてくる様な味を期待していたのだが。

映画のHPからの借用である。

              
コメント
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