先日行った図書館で紹介されていた「ひこばえに咲く」玉岡かおる著 を読みました。玉岡さんの本は初めてです。
読みだすと、引き付けられて夜寝る前を主に読み、今日は、台風の接近で家にいたので一気に読み終えました。
舞台は青森、岩木山の描写が折々に出てきます。青森の人たちにとっては見守られているような存在感のある風景なのか・・・と想像しました。
主人公、上羽硯(ケン)は 自宅の土蔵をアトリエとして、売る為でもなくひたすらに大作の絵を描き続けた画家です。
銀座に画廊を持つ香魚子(かなこ)によって晩年に脚光をあびるケンです。そのケンをオヤブンと慕うフク、どちらも実在の人物がいるようです。
フクの若い頃に、東京で百合子(宮本百合子)と出会っていることも書かれていますが、
この時期にフクは精神的な成長を遂げたのでは…などと想像しながら読むのも楽しかったです。
百合子の獄中の夫、顕治との手紙は「獄中への手紙」という本となっているらしいです。
その本も読んでみたいと思っています。
実在のモデルがいて、それを本にする場合はそのご家族のこともあり、いろいろ気を使うことでしょうね~~
フクが一途にケンを慕い、恋心を抱いていたことも想像できます。二人のことだけでも物語になりそうですが、この本はいろんな人たちの人生を交錯させて、物語に作り上げている・・・作者の力量でしょうね。
久し振りに、読み応えのある本を読みました。
玉岡かおるさんの他の本も読みたくなりました。忙しく過ごしている最近は、本をじっくり読むことを忘れていましたが、やっぱり本は いいな~~~