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2015-07-05 | 沢木耕太郎


沢木耕太郎
『246』★★★★

結構な厚さなのにあっと言う間に読んでしまった。



私の中での246は青山通り、表参道交差点
何年働いていたかな、、
最後の日 まだ遠くに東京タワーが見えた。
いつもぼーっと流れゆくクルマを眺めていた。
こんなに外車率が高いのはココぐらい?上京したばかりだった。



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雪の手ざわり、死者の声


 かつてトルコの刑務所には、外国人受刑者の間に「ミッドナイト・エクスプレス」という隠語があった。「ミッドナイト・エクスプレスに乗る」といえば、脱獄することを意味していた。



夕暮れどき、西の窓を開けると、国道二四六号線とその上の首都高速道路の向こうに、赤く大きな太陽が沈んでいくのが見える。ビルとビルの狭い隙間に、どこかの連山が顔を覗かせている。高速道路上を、車たちが夕陽を浴びながら疾走していく。やがて、空気は薄紫に染まってくる。



「ちょうの日」



「待つ女」も哀切だが、「待つ男」というのも哀愁があってよいものだと知った。



アジアで女は買うな、



私は、私の心と相対して生きていく以外ない。



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月の光、虚構の枷


正月には柳橋へ、花見には千鳥ヶ淵へ、鮎の季節には多摩川べりへ、酉の市には浅草へ、ふぐの季節には築地へと、



「酒を飲まない男を信じちゃいかんぞ。そういう手合いはひとりよがりで、いついかなる時でも善悪の区別をつけられると思いこんでいる。」



言葉は、踊りの終わったあとでしか必要とされない。



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花のざわめき、銀の幕


「かえってきてくれて、うれしいわ」



疲労した人間にとって、ハワイほど体を休めるのに適した土地はない、と私には思える。

ハワイに着くと、私は安いアパートメント・ホテルを探し、そこに長期の滞在をする。朝はどこかのレストランでジュースと卵とパンだけの簡単な朝食をとり、その足でハワイ大学の図書館に行く。そこで涼やかな風に吹かれながら本を読んだり、珍しい本のコピーを取らせてもらったりしているうちに昼になる。和風の食べものもあるビュッフェ・スタイルの学生食堂で昼食を食べ、また図書館にもどる。三時頃になると、アラモアナ行きのバスに乗り、ショッピング・センター前の海でひと泳ぎする。帰りにマーケットで肉や野菜を買い、ホテルに帰る。陽がかげると、そよ風の吹きはじめた運河沿いの道でジョギングをする。帰ってシャワーを浴びてから呑むビールは格別だ。食事をしたあとは、テレビを楽しみ、夜更けにワイキキの酒場でバーボンでも呑む。ただそれだけのことだが、何にも増して心地よい休息になるように感じられるのだ。



ひとり、目的もなく歩いていると、ほんの少しだけセンチメンタルな気分に浸ることができる。



東京は、恐らく、歩くことだけでは人の人生が見えてこない都市なのだろう。



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雨のしずく、蜜の味


誰にとっても、持続するということほど難しいことはないのだろう。



窓をすべて開け、暮れかかる外の風景を眺めながら、ビールを呑みはじめる。
南の窓からは、夕日の最後の光を浴びながら、東横線の高架を走っていく銀色の列車が見える。その向こうには、赤みを帯びた光をともした飛行機がゆっくりと羽田空港に降りていく。西の窓に眼をやると、濃い藍色の山々を背に、国道二四六号線の上に架かる高速道路を、ライトをつけはじめた車が流れるように走っている。それを見ているだけで、瞬く間に二、三時間が過ぎてしまう。ビールの缶が机の上に並んでいき、ホロッとした気分になってくる。
都会に暮らしているんだな、と思う。そして、それも悪くないな、と思う。



際限なく湧き出てくる子供のエネルギーを正面から受け止めるのは、かなりの労働だということをあらためて思い知らされる。



やれやれ



ジャーナリストとはなにか。その答えは、ジャーナリズムとはなにか、という問いに対する答えの数だけあるだろう。

私はジャーナリズムに身を置きながら、常にジャーナリズムからの逃走を試みている者だったのだ。その自己認識が、私の、ジャーナリズムへの発言を封じることになっていた。



「あなたには何か不思議な輝きがあるわ」



『一瞬の夏』



昨日から吉行淳之介を読み続けている。机の脇に吉行淳之介の作品を積んでおき、無作為に一冊を取り出しては、好きな箇所を読むということを繰り返している。たとえ一度読んだものでも、時を隔てると新鮮な発見をすることがある。それを期待しての、「雑読」なのだ。



優れたインタヴュアーとは、相手の知っていることを引き出すだけでなく、相手の知らないこと、つまり相手が意識の上に乗せてもいないことを引き出せる存在でなくてはならない。



どんな旅でも同じだが、楽をすればするほど記憶が薄れるのもはやいものなのだ。少々、危険だな、とも思う。



「そう。三歳までの子供は可愛いだろ。あの可愛さは何にも代えられない。だからさ、その可愛さで親に一生分の恩返ししてるっていうわけさ」



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夢の子犬、日々の泡


それで? そこから? どこへ?



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蛇の輝き、旅の果て


ボクサーがやる気を失うのは、いつだって金が原因なのだ。それだけは、今も昔も変わることがない……。



私は近藤紘一の「記事」と「ルポ」を「評論」や「エッセイ」や「創作」と並べることで、ひとつの体験がどのように変化、あるいは深化したかを俯瞰することのできる一冊が作れるように思えてきた。



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鼠の眠り、不意の時


時の流れは急なのだ。そんなことに不意に気づかされる。



危険を感じたら引き返すことが重要、



こんこんこん
雪が降る
こんこんこん
雪が降る



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消えたもの、消えなかったもの




























沢木さんとXファイル漬けの週末
「吸血」のモルダーとスカリーの掛け合いは愉快だった。


さてこれから川崎に打ちっぱ。
雲行きが怪しい、、

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