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シャネルのバッグ




シャネルの新作「希少なアリゲーター製のバッグ」日本円で1千万円以上なり。


わたしはブランドも大好きだし、美しいものや希少なものも大好きだ。
シャネルも好き。コレクションを見に行くほど。

でも、この感覚は理解できない。


たかが”かばん”の値段が1千万円だから理解できないのではなく、希少なアリゲーター(値段からしてかなり希少性がありそうではないか)を”かばん”にしてしまう感覚が理解できないのだ。

これはもう”感覚”的にイヤだとしか言いようがない。わたしは肉も食うし、革も着るし、シルクも(残酷な方法で生産されるわね?)身に付ける...また、自動車が買えそうな値段の装飾品だって持ってる。それとどこが違う?と言われたらそれまでである。

それでもあえて言おう。希少な動物をかばんにしてしまうファッションはどこか卑しい。
日本のシャネラーなどと呼ばれる女の品性も、これに比較するとかわいらしいものである。


このかばんを財力やファッション・センスを誇示する記号にするため”だけ”に購入する人は、「有閑階級の理論」を書いたヴェブレンの顕示的消費をする人なのだ。で、おそらく「手っ取り早い」顕示が必要な(=つまり成金)有閑階級がこういう類いのものを欲しがるのではないか...

(顕示的消費:権威や財力をみせびらかすためにだけ、できるだけ意味のない高価なものを消費し、それが有閑階級の文化を形成『し続ける』こと)


とは言え、最近は旧家の方だから趣味がおよろしいとは限らないのだが。


毛皮を作るな/着るなとか、くじらを食べるなとかのアジテーションはよく世論をにぎわせるのに、気の毒な希少なワニさんだ。せめてその死がどこかで取り上げられなければうかばれまい。

革のなめし手が自然死体を使うのか、学問に価値利用された後を引き取るのか、はたまた仕留めた獲物としてのアリゲーターをして使うのか、ワタクシは寡聞にして知らないが、でもやっぱりこんなかばんを作ってしまうメゾンはちょっと考え直した方がええんとちゃうか。
でもヴェブレン調でいくと、これもシャネルだからできるのだ...


今日の格言:俗悪とは手っ取り早い顕示のことである(by Moet)(笑)



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