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古代ローマ兵の一生





Few men are born brave; many become so from care and force of discipline
「勇敢に生まれる者はほとんどいない。管理と規律によって勇敢になるのだ」
(ベゲティウス 4世紀のローマの作家)


大英博物館で開催中のLegion - life in the Roman army『古代ローマ軍団  兵士の人生』展のキャッチフレーズだ。


「古代ローマ帝国」は、今でも多くの人の目の色を変える。

古代ギリシャと並んで古代ローマは西洋文化文明の基盤、教養の基礎と位置づけられ、また、英国人は、大英帝国がかつて世界最大の帝国であったため、古代ローマとの類似性を意識したりもする。

古代ローマ帝国は、最大時にはヨーロッパの大部分はいわずもがな、北アフリカや中東の一部を支配、東は現在のトルコ領内から南はエジプト、西は大西洋にも及ぶ大帝国を築いた。

そしてその存続は軍事力に支えられていた。

ローマ軍は西洋初の近代的かつ専門的な戦闘力集団であり、市民を創出し、奉仕した兵士にある意味よりよい生活を提供した。


古代ローマと英国島の公的な接触は、カエサルがガリア戦中に行った紀元前55年と54年の2度の遠征中。
紀元前40年に、カリグラが再び英国島への遠征を企画したものの、実現性には乏しく、ローマでの政変もあって実行されなかった。

英国島が実際にローマの勢力に組み入れられたのは、紀元前43年のクラウディウス帝の遠征によってである。

わが家の周りにも、保存状態は最高ではないものの、多くの古代ローマ遺跡が残っている。




この壮大なローマ帝国は、並いるローマ皇帝の名のもとに語られることが多いが、一兵卒の視点から見るのが今回の大英博物館での展覧会の趣旨だ。

ローマ兵士であった「クラウディウス・テレンティアヌス」の生涯と奉仕を通して、入隊からキャンペーン、そして彼の引退まで。

彼は筆マメであり(識字は当時特別な能力でもあった)多くの手紙を残しているのだ。

展示物には、石や鉄器はともかくも、よくもまあ現代まで残っていたなと感じる、靴や衣服も...

軍隊生活の報酬は魅力的ではあった。
年金と自分と家族の市民権を獲得できたとしても、その一方で除隊までのサバイバルゲームでもあったのだ。

彼らの装備や役の数々、4月になってもなかなか暖かくならない(今週は軒並み12度前後ですよ...)英国島で...ご同情申し上げる。

兵士の最前線での生活は今でも過酷だと想像する。
それにもかかわらず、なぜ今も戦争が一兵卒をゲーム版のコマのように使うのか、わたしにはほんっとうに想像もできない。

もうやめましょうよ。
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