角落ちの考察。

2005-12-10 | 将棋

赤旗準名人の松尾哲也アマとの角落ち戦。角落ち上手は指導将棋ではやったことがありますが、1対1でやることはほとんどありません。

松尾アマは居飛車党だという勝手なイメージから少し作戦を考えました。普通に組むと相矢倉になるわけですが、攻撃力と守備力どちらも下手が上回るので相当上手が勝ちにくいです。経験上、まともに組み合って勝ったことはほとんどありませんしなんとか序盤でひっかき回せないかと考えました。

                    

早めに飛先を突くのは▲7七銀とされるのを遅らせる意味。実戦はここで▲5六歩から中飛車に。序盤から激しく動いて面白い将棋になりました。本局の模様は赤旗日曜版の新年号に掲載されます。

以下は考察。図から下手が矢倉を目指すなら▲5八金右か▲8八銀が普通ですね。△4二玉と上がり、▲6六歩または▲8八銀に△7四歩と突きます。上手が銀を繰り出して△7五歩を狙っていることに気が付いた下手は▲6七金型を急いで下図。▲2六歩~▲2五歩には△3二玉の姿勢。飛先は交換出来ても手が遅れるので難しいところです。

                    

▲7八金と上がると△7五歩と突いて①▲同歩は△7二飛で7筋制圧となります。②▲6五歩と突き違うのは△同銀▲7五歩△6二金で▲7五歩が負担になりそう。これは上手ペースでしょうか。③▲6八角△7六歩▲同金△7二飛▲7七銀も形が乱れるので上手満足。ここまで読んで下手は先に▲6八角と引き△7五歩▲同歩△同銀▲7七銀で「ふぅ、間に合った」ところがどっこい。

                    

△7六歩には▲同金△同銀▲同銀で何事も起こりません。これで受かったと思ってしまいそうですが、△8六歩▲同歩(▲同銀は△8八歩)に△同銀▲同銀△8八歩の攻めがあります。ちなみに△同銀で先に△8八歩は▲同銀△8六銀▲7八金△8七歩▲7九銀で攻め切れません。

                           

▲7七桂と逃げると△8六飛です。桂を渡すと△5五桂があります。▲8三歩△同飛▲8四歩△同飛▲7五銀打とすれば桂は逃げられますが、△4四飛と逃げて歩切れなので下手勝てないでしょう。

新定跡誕生かと思ったのですが▲8三歩△同飛▲7四銀△8二飛▲8三歩△7二飛▲6三銀成△7四飛▲8五銀△4四飛▲8六角でさすがに下手が良いですね。残念。 

                    

他にも速攻策はありそうなので、また1対1で角落ちを指す機会があったら考えてみようと思います(笑)

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